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【個人投資家必読】実質賃金停滞の日銀データ、私が動いた高配当株3社の中身

「ねえりん、給料上がってるはずなのに、なんで生活きつくなってるの?」

──2026年8月14日、木曜の21時40分。恵比寿の『buri』のカウンター。ちーちゃんが日本酒(880円)のグラスを両手で持ったまま、そう聞いてきた。手元にスマホ。開いてるのは、保育園の給与明細アプリ。

「ベースアップ、今年3,000円上がったの。うれしかったのに、なんか全然ラクにならなくて」

私はスマホを取り出して、証券口座を開いた。2026年8月時点の記録です。

年間配当、税引後で「61万4,200円」。投下額は92万円ではなく、この4社だけで「92万円」。表示されてる利回りは、平均で「4.7%」

「……りん、これ、配当?」
「そう。この4社が、私の代わりに毎年働いてる分」

ちーちゃんが日本酒を置いた。

「3,000円のベースアップの話、笑わないわよ。でもね、順を追って書くから聞いて。あなたの給料が上がってないんじゃないの。『上がってるのに目減りしてる』のよ。これ、全然ちがう問題なの」

【この記事でわかること】
1. 日銀が静かに出した「賃金が伸びない」データの読み方
2. 給料の"目減り分"を数字で計算する方法
3. 私が92万円を4社にどう割ったか(配分の実額)
4. 高配当で個人が獲られる3つの罠
5. 4社目──いちばん書きたくなかった、隠れた1社
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📉 日銀が静かに出した「賃金が伸びない」理由

結論から言う。あなたの給料が伸びないのは、あなたの努力不足じゃない。

日本銀行のリサーチラボが出してる分析に、こういう話がある。デフレ期の日本では「生産性は伸びたのに、賃金がそれに追いついてこなかった」。企業がもうけた分を、給料に回さずに内部留保として積み上げた期間が長かった、という話ね。

デスクにいた頃はね、この構図を毎日ちがう角度から見てた。

外資のプロップデスクで日本株を張ってると、決算のたびに「利益は出てるのに、人件費だけ横ばい」という会社を何十社も並べることになるの。私たちはそれを「株主に優しい会社」って呼んでた。

言い方を変えるとこう。

『あなたの給料に回らなかった分が、配当として株主に流れてる』

これ、陰謀論じゃないのよ。上場企業のIRを読めば、そのまま書いてある。「株主還元の強化」「配当性向の引き上げ」って、毎年どこかの会社が発表してる。

ちーちゃんの3,000円のベースアップと、同じ会社が出す「増配」のニュース。両方とも同じ利益から出てる。

「じゃあ……給料もらう側でいるかぎり、ずっと負けるの?」

そうは言ってない。

『両方の側に立てばいいのよ』

給料をもらいながら、その会社の株主にもなる。これが、いちばん静かな解決策。

━━ 今日できる1アクション ━━
給与明細を出して、去年の同じ月と手取りを比べて。額面が上がってても手取りが減ってるなら、それがあなたの「目減り」の実額。

💰 3,000円のベースアップが、実は"減給"だった計算

ちーちゃんの数字で計算するわね。本人の許可はとってある。

・月給:24万8,000円(額面)
2026年のベースアップ:月3,000円
・年間の増加:3万6,000円(額面)

ここまでは「上がった」話。ここから引き算に入る。

社会保険料と税で、ざっくり2割が持っていかれる。3万6,000円の手取り増は、およそ「2万8,800円」

次に、生活コスト。ちーちゃんの1年の支出を、家計簿アプリの数字でそのまま並べてもらった。

▼ 項目 | 2025年8月 | 2026年8月 | 差
食費 | 42,000円47,500円 | +5,500円
電気・ガス | 11,200円13,400円 | +2,200円
通信 | 4,900円4,900円 | ±0円
日用品 | 8,300円9,600円 | +1,300円
交通 | 6,000円6,600円 | +600円
合計 | 72,400円82,000円 | +9,600円

月の生活コストが「9,600円」増えてる。年に直すと「11万5,200円」

こうやって数字が並べられたのも、ちーちゃんが家計簿アプリを毎月ちゃんとつけてたから。アプリの入力がめんどくさくて続かない人には、つけるだけ家計簿ノートがある。1日1行、金額を書くだけの作り。レシートを写す手間がないぶん、こっちのほうが続く人もいる。800円くらいで、失敗しても惜しくない値段。

手取りの増加は2万8,800円。支出の増加は11万5,200円

差し引き、年「8万6,400円」のマイナス。

「……え、待って。上がったのに、減ってるってこと?」

そう。これがいま日本で起きてること。額面のベースアップは実在するけど、それを上回る速度でモノの値段が上がってる。だから「実質賃金」で見ると伸びてない。

ちーちゃんは、うれしかった3,000円の紙を、まだスマホに残してた。

私はそれを笑わない。デスクにいた7年で覚えたことがあるとすれば、「数字は残酷だけど、見た人にだけ選択肢をくれる」ってこと。

🔥だから、ここからが本題🔥

8万6,400円の穴が空いてるなら、埋める方法は2つしかない。

・収入を年8万6,400円増やす(昇給・副業)
・給料以外の収入を年8万6,400円つくる

私が選んだのは後ろね、断言するけど。前者は自分の時間を売る。後者はお金に働かせる。34歳で体力の上限が見えてくると、この差は効いてくるのよ。

📊 年8万6,400円の穴を、配当で埋める逆算

外資金融の現場から言わせてもらうと、この手の逆算は5分で終わる。

必要な配当収入:年8万6,400円(税引後)
税率:20.315%
必要な配当:年10万8,400円(税引前)

利回り別に、必要な投下額を出すとこうなる。

ちーちゃんの貯金は、いま「310万円」。定期に置きっぱなし。金利は0.3%だから、年9,300円ね。ワイン8杯分。

定期預金の通帳を見せてもらったとき、隣にかわいい貯金箱の写真も入ってた。コロコロ貯まる貯金箱、中身は3,000円くらい。「貯金してる感覚が欲しくて」って言ってた。感覚は大事。1,500円くらいのものだし、机の上に置いておくだけで意識は変わる。でも感覚だけじゃ、8万6,400円の穴は埋まらない。

同じ310万円を利回り4.7%に置くと、税引前で年14万5,700円。税引後で「11万6,100円」

8万6,400円の穴が埋まって、まだ2万9,700円あまる。

『貯金を動かすだけで、目減り分が消えるのよ』

これが希望の正体。新しく稼ぐんじゃなくて、いま持ってるお金の置き場所を変えるだけ。

「でも、減るんでしょ?株って」

減るわよ。減る。そこはごまかさない。

だから私は「利回り6%以上」の欄に(罠がある)って書いた。ここを飛ばして高利回りに飛び乗る人が、いちばん獲られる。そこ、獲られる側よ。配当と株価の関係は、根っこの理由まで理解しておくと、利回りだけ見る癖が抜ける。

━━ 今日できる1アクション ━━
自分の貯金額 × 0.047 × 0.8 を電卓で叩いて。それが「置き場所を変えるだけで生まれる年収」。スマホの電卓アプリでもいいけど、皮革調 ビジネス電卓を手元に1台置いておくと、この先で決算短信を読むときにも手が止まらない。2,000円くらいの投資。

⚠️ 私が高配当で獲られた、35万円の記録

完璧な話ばかりしないわ。私が獲られた記録を出す。

2024年の秋、ある海運の会社を利回り「8.2%」で買った。投下額「180万円」

理由はシンプルで、利回りが高かったから。それだけ。プロップを7年やってた人間が、こんな買い方をしたのよ。

半年後、減配。利回りは表示上「3.1%」になった。株価も落ちて、私は「▲35万2,000円」で切った。

泣くほど悔しかったかというと、ちがう。絶句した。自分の買い方の雑さに。

なにを間違えたか、はっきりしてる。

『利回りは"予想"であって"約束"じゃない』

利回り8.2%というのは、「去年の配当が今年も出るなら8.2%」という仮定の数字。会社がその配当を出す義務は、どこにもない。

そして、市況で大きく揺れる業種は、いい年の配当額で計算した利回りが異常に高く見える。それを見て個人が飛び乗ってくる。プロップデスクにいた頃、私たちはその流入を板で見てた。

デスクの中では、こう言われてた。

「表示利回りが7%を超えたら、それは配当の話じゃなくて株価が落ちてる話だ」

利回り = 配当 ÷ 株価。分母の株価が落ちれば、利回りは自動で上がる。市場が「この配当は続かない」と判断して株価を落としてるのに、個人はその数字を「お買い得」と読む。

この読み違えが、いちばん高くつく。

だから私は、いまの4社を「利回りで選んでない」。選び方は別のところにある。それを、この先で全部書く。

🏦 92万円を4社に割った、配分の考え方

2026年5月から8月にかけて、私は4社に合計「92万円」を入れた。

金額の内訳から言うわ。

・1社目:28万円
・2社目:24万円
・3社目:22万円
・4社目:18万円

均等じゃないでしょう。ここに理由がある。

配分は「利回りの高さ」で決めてない。『配当を止めない体力の順』で決めてる。

体力っていうのは、具体的にはこの3つ。

・営業利益に対して、配当がどれくらいの割合か(配当性向)
・不況の年でも配当を減らさなかった実績が何年あるか
・手元の現金が、年間の配当支払額の何倍あるか

3つ目、あんまり語られないけど、いちばん効くのよ。利益が一時的に凹んでも、現金が厚い会社は配当を維持する。逆に、利益が出てても現金が薄い会社は、悪い年に真っ先に配当を削る。

ちーちゃんに聞かれた。「それ、どこ見ればわかるの?」

決算短信の1ページ目と、キャッシュ・フロー計算書。それだけ。慣れれば1社5分。決算短信の読み方に慣れてないなら、最初の1冊は薄い方がいい。マンガでわかる高配当株入門は図解中心で、配当性向とキャッシュフローの見方が1時間くらいで頭に入る。1,400円くらいで、分厚い専門書に挫折するよりずっと早い。

そして4社目。

18万円しか入れてない。いちばん小さい。でも、この記事で私がいちばん書きたかったのはこの1社なの。

時価総額が小さくて、アナリストのカバーがほとんどついてない会社。だから、こういう会社は個人にしか拾えない。プロップデスクは規模の問題で買えないの。ロットが入らないから。

『機関が買えない場所に、個人の取り分がある』

これ、7年デスクにいて気づいた、いちばん大きなことかもしれない。

💎 貯金しかないあなたが、来月からできること

ちーちゃんが最後に聞いてきたことを書いておくわ。

「わたし、310万円全部入れたほうがいいの?」

だめ。断言する。

私が彼女に言ったのは「310万円のうち、まず60万円」。理由は3つある。

1つ目。株価は下がる。初回の入金額が大きいと、最初の下げでやめてしまう。心が折れる金額を最初に入れちゃいけないのよ。

2つ目。60万円を4社に割ると、1社15万円。この規模なら、単元で買える会社が現実的に選べる。

3つ目。60万円1年運用して、配当が実際に口座に入る体験をする。数字じゃなくて「入金通知」を見た瞬間に、人の考え方は変わる。

これは私も同じだった。2019年に独立して最初に入った配当が「4,120円」。金額は小さい。でも、自分が何もしてない月に口座が増えるという感覚は、あの日にはじめて手に入れたものなの。

いま、私の口座には年「61万4,200円」の配当が税引後で入ってくる。ちーちゃんの月給の2.5ヶ月分。これが、毎年勝手に振り込まれる。

『これは、私が働いてない時間に増えた分』

そして、来年もう少し増える。増配する会社を選んでるから。

あなたの貯金が、いま銀行でいくら生んでるか知ってる?100万円で年3,000円よ。この記事を読み終わって何もしなければ、2027年8月にもあなたは同じ3,000円を受け取る。物価はまた上がってる。

あなたはどっち側で1年を過ごす?コメントで教えて。

💎 この続き(有料パート)で手に入るもの
✅ 私が92万円を入れた4社の全内訳(業種・投下額・取得単価・現在の利回り)
✅ 4社目──カバーがつかない小型株の探し方(3条件のスクリーニング手順)
✅ 「配当を止めない会社」を5分で見分けるチェックリスト7項目
✅ 貯金310万円を配当収入に変える、月別の入金カレンダー(3〜36ヶ月)
✅ 高配当で獲られる3つの罠と、その回避の具体手順
ここから先で、その4社の中身と、あなたが同じことをやるための手順を全部見せる。

📋 4社の全内訳(業種・投下額・取得単価)

約束どおり、最初に本体を渡す。

2026年5月〜8月に入れた4社。記録そのまま。

税引後にすると、年「34,180円」。この92万円ぶんの記録ね。

「え、りん。さっき61万円って言ってたよね?」

うん。全体の配当が年61万4,200円。この記事に書いてる4社は、そのうちの一部。今年新しく組んだ分だけを切り出して書いてる。全部書くと業種が20を超えて、読んでも再現できないから。

再現できる大きさで切ったのよ。

なぜこの4業種なのか

業種の選び方には、順番がある。

1社目の総合商社。これは「配当を止めない体力」がいちばん厚いから最初に置いた。手元の現金が年間配当額の何倍あるかを見ると、この業種は分厚い。2020年の資源安の年に減配しなかった記録も見てる。

2社目の大手通信。理由は「売上が景気で揺れない」から。通信料は不況でも払う。だから配当の原資が安定してる。利回りは商社と同じくらいだけど、性格がまったくちがう。片方が揺れる年に、もう片方が支える。

3社目の損害保険。これは金利が上がる局面で効く。保険会社は預かった保険料を運用してるから、金利上昇は運用利回りの改善に直結する。2026年の日本は、金利が動く年だと思って見てる。

4社目が、産業機械の小型。ここだけ利回りが6.00%。さっき「7%超えたら疑え」って書いたのに6%を買ってるのは、理由がある。

次のセクションで、その理由を書く。

🔍 4社目──カバーがつかない小型株の探し方

外資系のデスクでは、実際にこういうことが起きてた。

「いい会社だけど、買えない」

理由は流動性。1日の出来高が少ない会社は、ファンドが買おうとすると自分の買いで株価が跳ねる。売るときも同じで、自分の売りで崩れる。だから最初から候補に入らない。

具体的には、日次の売買代金が3億円を下回る会社は、多くの機関投資家の投資対象から外れる。社内のスクリーニング条件にそう書いてある会社もある。

『買えないから、安く放置される』

これが小型高配当株にチャンスがある構造的な理由。業績が悪いから安いんじゃない。買い手の数が構造的に少ないから安い。

じゃあ、その中から「安いだけの会社」と「安く放置されてる会社」をどう分けるか。私が使ってる3条件を出す。

小型高配当の3条件スクリーニング

条件1:自己資本比率が50%以上
借金で回してる会社は、金利が上がる局面で配当より返済を優先する。50%というのは「悪い年が2年続いても耐えられる」ラインとして私が置いてる線。

条件2:営業キャッシュフローが5年連続でプラス
利益は会計処理でいくらでも作れるけど、現金の出入りはごまかしにくい。5年連続で本業から現金が入ってきてる会社は、配当の原資がある。

条件3:配当性向が40〜60%のレンジに収まってる
ここ、大事なところ。低すぎ(20%以下)は増配余地はあるけど、株主還元に消極的な可能性がある。高すぎ(80%以上)は、利益が少し減っただけで減配になる。40〜60%が、いちばん折れにくいレンジ。

この3つを満たして、なおかつ利回りが5%を超えてる会社を探す。

証券会社のスクリーニングツールで、この3条件を入れると、東証で「20〜40社」くらいに絞れる。そこから決算短信を読んで、最後に残ったのがこの産業機械の会社だった。

決め手は4つ目の条件だった。

4つ目の、いちばん重要な条件

創業家が筆頭株主かどうか。

これ、あんまり言われないけど強烈に効く。創業家が大株主の会社は、配当を減らすと自分の収入が減る。だから配当を守るインセンティブが構造的に埋め込まれてる。

私が買った産業機械の会社は、創業家の資産管理会社が発行済株式の「23%」を持ってる。この構造がある会社の配当は、簡単には削られない。

ただし副作用もあって、こういう会社は株価が動かない。だから値上がり益は期待しちゃだめ。配当をもらい続ける前提でしか買えない。

私が18万円しか入れてないのは、流動性が薄いから。売りたいときにすぐ売れない可能性がある。だから「最悪、5年持てる金額」に抑えてある。真似は勧めない。

✅ 配当を止めない会社を5分で見分ける7項目

コピペして使って。私が1社を判断するときに、この順番で見てる。

7項目のうち「除外」に1つでも当たったら、その会社は買わない。利回りが何%でも買わない。

私が2024年に▲35万2,000円で獲られた海運の会社は、この表の3番と5番で落ちてた。当時の私は利回り8.2%しか見てなかった。表を作ったのは、そのあとよ。

5番の計算のしかた

いちばん使えるのに、いちばん知られてないのが5番。

計算式はこう。

現金及び現金同等物 ÷ (1株配当 × 発行済株式数) = 配当支払余力(倍)

たとえば、現金が300億円で、年間の配当支払総額が60億円なら、5倍。この会社は、利益がゼロの年が5年続いても、手元の現金だけで配当を払える計算になる。

3倍を切ると、悪い年に配当が危なくなる。1倍未満なら、次の不況で確実に削られる。

この数字、証券会社のアプリには出てこない。決算短信から自分で計算するしかない。だから個人はほとんどやらない。

でも、5分で終わるのよ。

📅 貯金310万円を配当に変える、36ヶ月カレンダー

ちーちゃんに渡した実際の計画表を、そのまま出す。

前提:貯金310万円のうち、投下するのは合計240万円70万円は生活防衛費として現金で残す。

36ヶ月後、年間配当は税引後で「8万9,600円」

ちーちゃんの目減り分、年8万6,400円をこえる。

3年かかる。速くはない。でも、この3年のあいだ彼女は保育士の仕事を1日も変えてない。副業もしてない。ただ、貯金の置き場所を変えただけ。

『これが、いちばん静かな逆転の方法』

なぜ一括じゃなく、こう刻むのか。理由を書いておく。

4〜6ヶ月目と10〜12ヶ月目の「0円」の期間が、この表のいちばん重要な部分なの。

ここで何もしない。ただ、口座に配当が入るのを見る。決算を1回読む。株価が下がるのを1回経験する。

この「何もしない期間」を入れないと、人は必ず途中で全部売る。

デスクにいた頃、いちばん多く見たのがこれ。個人の売買データを板で追ってると、下落の3日目に投げが集中する。買った直後に下げると、人は自分の判断を疑う。疑いは、時間でしか消えない。

だから、時間を予定に組み込む。

投資を「やめないための設計」は、道具でも作れる。私がちーちゃんに渡したのは、証券アプリのスクショじゃなくて資産形成 投資記録ノート。入金日・株価・そのときの気分を手書きで残す欄がある。1,800円くらいのノートだけど、下落の3日目に開くと、自分が何度も同じ場所で踏みとどまってきたことがわかる。それが、売らない理由になる。

🚨 個人が高配当で獲られる3つの罠

ここまでのまとめを兼ねて、罠を3つ整理する。

罠1:権利落ち日の飛び乗り

配当をもらう権利が確定する日(権利付最終日)に買えば、配当がもらえる。これは事実。

でも、次の日(権利落ち日)に株価は配当分だけ落ちる。理論上そうなるし、実際おおむねそうなる。

つまり、配当目当てで直前に買っても、株価の下落と相殺されて得はしない。むしろ配当には20.315%の税金がかかるから、税金分だけ損になる。

3月末と9月末、この飛び乗りが毎年発生する。板で見てると個人の買いが集中するのがわかる。そこ、獲られる側よ。

回避手順:権利付最終日の「2ヶ月以上前」に仕込む。それ以降は買わない。カレンダーに書いておく。

罠2:利回りランキングの上から買う

証券アプリの「高配当ランキング」を上から買うのは、いちばん危ない買い方。

ランキング上位に来る理由は2つしかない。配当が多いか、株価が落ちてるか。そして多くの場合は後者。

回避手順:ランキングを見る前に、さっきの7項目チェックリストを通す。ランキングは順番を決めるためじゃなく、候補を集めるためだけに使う。

罠3:1業種に集中する

利回りが高い業種は、時期によって固まる。2026年なら金融と資源。ここに全部入れると、その業種が崩れた年に配当が一気に減る。

私が4社を「総合商社・通信・損保・産業機械」と業種でバラしてるのは、これを避けるため。同じ理由で崩れないものを並べる。

回避手順:1業種あたり、投下総額の30%を上限にする。4社なら自動的に25%ずつになるから、業種さえバラせば守れる。

━━ ここまでのまとめ ━━
・利回りで選ぶな。配当を止めない体力で選べ
・7項目のうち1つでも「除外」なら買わない
・投下は刻む。0円の期間を予定に入れる
・1業種30%上限

📈 3年後、あなたの口座に起きること

最後に、数字だけ置いていく。

いま貯金310万円を銀行に置いてる人の、3年後。

・受け取る利息:年9,300円 × 3年 = 2万7,900円
・物価上昇で目減りした購買力:年8万6,400円 × 3年 = 25万9,200円
・差し引き:▲23万1,300円

同じ310万円で、この記事の計画を実行した人の3年後。

・累計で受け取る配当(税引後):およそ15万4,000円
3年目時点の年間配当(税引後):8万9,600円
4年目以降、毎年入り続ける金額:8万9,600円+増配分

差は、3年目の時点で「38万円」を超える。

そして決定的にちがうのは、4年目から先。銀行に置いた人は4年目も9,300円。配当を組んだ人は4年目も8万9,600円が入り、5年目には増配で9万円台に乗る。

この差は、時間が経つほど開く。

ちーちゃんは8月17日に、証券口座の申し込みを出した。まだ1円も買ってない。それでいいの。

『動き出した日が、複利の起点になる』

私が2019年にはじめて受け取った配当は4,120円だった。それが7年後に年61万4,200円になってる。魔法じゃない。ただ、止めなかっただけ。

あなたの給料は、来年も物価に追いつかないかもしれない。それはあなたのせいじゃない。日銀のデータがそう言ってる。

でも、給料以外の入り口を作るかどうかは、あなたが決められる。

🎯 まとめ:数字だけもう一度

・ちーちゃんの実質的な目減り:年8万6,400円
・私が2026年に4社へ入れた額:92万円
・その4社の平均取得利回り:4.66%
・私の年間配当(税引後):61万4,200円
2024年に獲られた額:▲35万2,000円
・貯金310万円を配当に変えるまでの期間:36ヶ月
・36ヶ月後の年間配当(税引後):8万9,600円

今週中に、決算短信を1社だけ開いて。どの会社でもいい。あなたが働いてる会社でもいい。

1ページ目の「配当性向」と、キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」。この2つだけ見る。5分で終わる。

来月まで待つと、9月の権利付最終日をまた1回見送ることになる。そして2027年8月、あなたはまた100万円3,000円の利息を受け取る。物価はまた上がってる。

その1年を、もう繰り返さなくていい。

あなたの貯金額 × 0.047 × 0.8。この計算だけ、今夜やって。

※本記事は筆者の体験と調査に基づく情報提供であり、特定の投資・節税・収益の成果を保証するものではありません。最終判断はご自身の責任で。

──

ここまで読んだなら、スキを押すより先に、自分の口座の損益を見てきて。話はそれからでいい。
それでもこのノートが役に立ったなら、スキとフォローを。記録は淡々と続く。

──

【出典一覧】
・日本銀行 リサーチラボ「わが国の生産性と賃金の関係について」
・厚生労働省「毎月勤労統計調査」(実質賃金指数)
・総務省統計局「消費者物価指数」
・各社 決算短信・有価証券報告書(2026年3月期・6月期)
・日本取引所グループ 統計情報(売買代金・流動性データ)

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