映画『国宝』を観て:記憶と芸の迷宮をたどる
2025年7月1日、ファーストデーに映画『国宝』を観てきた。
歌舞伎の物語と予約サイトに書いてあったから、なんとなくクリックして予約したのだが、
なんと、その長さにげんなり。3時間。そんな長い間、映画館で鑑賞するのか。
そう思いつつ、見たのだが、
鑑賞の記憶と、個人の思いを少しずつでもつづろうと思う。
今回はその5回目。
今までの投稿は、こちらからどうぞ。
👉 第1幕:冒頭・長崎
👉 第2幕:大阪・青春
👉 第3幕:襲名、そして崩壊
👉 第4幕:凋落と放浪、そして“芸”とは何か?
映画『国宝』をみた、個人的な感想とその時の記憶をつづっています。
作品の展開や構成に触れる記述がありますので、未鑑賞の方はご注意ください。
文中、敬称を略している場合があります。ご了承ください。
第5幕:芸の果て
放浪の日々の中で、喜久雄は万菊(田中泯)から呼び出される。
その場所は、舞台でも楽屋でもない、古びた木賃宿。
一室の中から手招きされる喜久雄。
扇子を渡され、踊りを舞う。
認められたのか?
そうでないのか?
そんな疑問をよそに、場面は一転。
歌舞伎舞台の花道へとせり上がっていく。
そこに待つのは、半弥(俊介)だった。
演目は「二人道成寺」。
半弥(俊介)との再共演。
あの“半・半”コンビの復活に、世間は喝采に包まれる。
夢を共に追いかけてきた二人が、再び舞台上で再会したのである。
しかし、舞台は儚く、命は脆い。
釣鐘へと昇るシーンで、俊介が階段を踏み外す。
その瞬間、舞台と劇場は沈黙に包まれる。
後に知らされるのは、糖尿病による壊疽。
左足、ひざ下からの切断。
かつて父・半次郎が病で舞台を去ったように、
俊介もまた、舞台から消える――かに見えた。
だが、彼は言う。
「曾根崎心中を、やりたいんだ」
その言葉に、
「俺が徳兵衛をやる」
そう応じる喜久雄。
ここにこそ、確認が無くとも通じる2人の姿がある。
「曾根崎心中」が始まる。
かつて、先代・半次郎の代役として「お初」を演じた喜久雄は、心中相手の徳兵衛を演じ、
かつて、先代・半次郎の代役として演じることのできなかった俊介が「お初」を演じる。
そこに横たわるのは、意地なのか、矜持なのか、プライドなのか。
でも、
どちらが“主役”かではない。
二人が紡ぐ、芸という名の“心中”。
しかし、運命は非情だ。
見せ場の徳兵衛がお初の右足に縋りついたとき、そこにあったのは、痛々しく変色した“俊介”の足だった。
誰にも見せたくなかったもの。誰よりも芸に生きようとした者の、悲しい現実。
そして、再び壊疽が広がったことにより、舞台上で倒れる俊介。
それでも彼は、最後まで演じきった。
まるで、芸の命を振り絞るかのように。
彼は、どう思っただろう。
やり切った? それとも、足りなかった?――
それを誰にも語ることなく、彼は舞台を降りた。
やがて、年月が流れる。
喜久雄は人間国宝に選ばれる。
その記者会見に現れた一人の女性カメラマン。
彼女こそ、かつての芸妓・春江との間に生まれた娘だった。
「どれほどの人を犠牲にしたのか?」
そう問われる喜久雄。
そして、舞台へ向かうタクシーの中から、雪吹雪を見るのであった。
舞台。演目は「鷺娘(さぎむすめ)」。
白無垢の着物。
雪の降る舞台に、鷺の精が舞い、愛を乞う。
演じるは喜久雄。
演じ続ける。そして、そこにオーバーラップする、娘からの言葉。
そこにも動じず、演じ続ける。続ける。続ける。
そして、辿り着いた境地は...。
「辿り着いたものにしか、見えない景色がある」
《終》
🔜 次回予告
五幕の感想もひと区切り。
次回はちょっと趣向を変えて、AI生成画像 をお届けします!
アイキャッチに使おうと生成したけれど……
「これは使えない!」だったり、
「雰囲気がちょっと違うかも?」だったり、
極めつけは、
「これは何〜!?」とツッコミたくなるものまで(笑)
そんな没案たちを、数点ご紹介する予定です。
「舞台の美」は、一枚の絵にも宿るのか?
AIの気まぐれ生成によって生まれた画像を、どうぞお楽しみに🖼✨
👉 次回
番外編:生成画像ちょっと見せ はこちら
👉 「国宝」まとめ記事 はこちら
🎬 『国宝』 世界が喝采!編【大ヒット上映中】
映像で作品の雰囲気を知りたい方はこちらからどうぞ。
🖼️ アイキャッチ画像について
本記事のアイキャッチは、
1)Google Gemini でビジュアルのイメージと言語化を行い、
2)ChatGPT(DALL·E) による画像生成プロンプトを調整・実行、
3)Canva にてタイトル文字を加えて仕上げました。
この制作フローは、note企画「#AIとやってみた」に参加する形で実践しています。
今後も、AIの創作支援機能を活かしながら、表現の幅を広げていきます。
👉 映画鑑賞感想文 一覧はこちらから
✍️ この記事を書いている人が気になったら──
筆者ふじけんのことが少しわかる、自己紹介noteもぜひどうぞ:
→ 🎰 777の日に、自己紹介してみた(100日投稿を超えて)(2025-07-07)
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