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道の上で、また会おう

スーパーカブ(8)
東京の大学へ進学し、ひとり暮らしを始めることになった私は、小さな木造一軒家を少しずつ自分の手でリノベーションし、慌ただしくも新しい生活に胸を躍らせていました。けれど、その矢先、スーパーカブ50で走っていた最中に追突事故に遭い、長く連れ添ってきた“相棒”にもう乗れなくなってしまいました。
代車として手元に残ったのは「スーパーカブ90」。初めて触れるモデルに戸惑いながらも、大学生活の課題や日々の生活費のやりくり、バイク便のバイト、謎めいたサークル『セッケン』の仲間たち――新しい環境での出会いと経験に、自分の世界がさらに広がっていくのを感じていました。

事故で一度は立ち止まった私も、「どこへでも、どこまでも行ける。カブとなら」という気持ちを忘れずに、一歩ずつ前に進もうと決意します。浮谷さんから持ちかけられた少し変わった仕事を通じて、バイクで人やモノを繋ぐことの意味や、“働く”ということへの考え方も見つめ直すようになりました。

自分自身の再出発、そしてこれからの人生をカブと一緒に切り拓いていく――
それが、大学生になった私の新しい物語の始まりです。
「どこへでも、どこまでも行ける。カブとなら。」
この一冊は、そんな想いを胸に自立と成長を目指す新章です。


スーパーカブ(8)
トネ・コーケン (著)
博 (著)

東京の大学に進学した小熊。木造一軒家を少しずつリノベーションして新たな生活を始めようとした時、追突されてスーパーカブ50に乗れなくなってしまう。代車として用意されたのは「スーパーカブ90」で……。

スーパーカブ(8)
トネ・コーケン (著)
博 (著)
Amazonより

✻登場人物✻

登場人物説明・役割小熊(こぐま)主人公。大学進学を機に東京へ上京し、新生活のために木造一軒家を自力でリノベーションしながら暮らし始める。交通事故で愛車のスーパーカブ50が全損し、代車のスーパーカブ90で新たな生活と大学生活を送る。

礼子(れいこ)小熊の親友で元クラスメイト。美形・成績優秀・スポーツ万能なカブ好き。高校時代からの仲間で、大学進学後も小熊とつながりを持つエピソードが描かれる。

恵庭椎(えにわ しい)小熊・礼子の友人で、陽気で社交的な性格。実家はカフェ経営。高校の思い出や新生活でのエピソードに登場。

春目(はるめ)小熊の東京での新しい友人。大きな荷物を運んでいる所で小熊に助けられ、以降さまざまな場面で関わる。新たな交流が小熊の世界観を広げるきっかけとなる。

浮谷(うきたに)バイク便会社の敏腕社長(やや子どもっぽい性格)。小熊にバイトや仕事を持ちかけ、生活や成長に影響を与える。8巻でも新たな依頼で登場する。

「セッケン」関係者 謎めいたサークル『セッケン(節約研究会)』の仲間たち。大学内で小熊が関わる新しい人間関係の一端を担う。

椎の家族 椎の両親。高校時代や思い出パートで登場し、小熊や仲間たちの支えとなる。

病院の女性患者たち 前巻(第5巻)から続く、小熊が事故で入院した際の同室の女性たち。価値観や人生観に影響を与える重要な存在。

その他の大学関係者 小熊が新生活やバイトの中で出会う人物。大学生らしい新たな交流や課題を描くうえで登場。

★読むポイント★

  • 新しい生活と「再出発」
    東京での一人暮らし、木造一軒家のリノベーション、大学生になった小熊の新章が幕を開けます。初めての自立、予期せぬアクシデント(追突事故によるカブとの別れ)、そして代車のスーパーカブ90との新しい関係が、これまでとは異なる成長のドラマを生み出しています。

  • 「バイクとお金」のリアル
    修理費、生活費、アルバイト――大学生ならではのリアルな金銭的問題や、バイクと向き合う中での苦悩が丁寧に描かれています。旧友や新しい仲間との出会いも、経済的不安と自立の物語に大きな意味を与えています。

  • 小熊の成長ドラマと人との繋がり
    物が壊れる喪失感と新しい出会い、そして周囲の人々との関わりを通じて、小熊が再び前を向く様子が印象的です。進路や働くことへの価値観の変化、「自分で選んだ道をどこまでも進む」という強い意志が、作品全体を包み込んでいます。

心に残る一言

「道の上で、また会おう」

この言葉は、バイク乗りである小熊の“再出発”と“自分の道を進む勇気”を象徴しており、過去作と変わらない彼女の芯の強さを感じる一言でした。

まとめ

私は『スーパーカブ(8)』を読み、もう一度“自分の道”を走り出す勇気をもらいました。東京の大学で始まった新しい生活、慣れない一軒家のリノベーション、そしてスーパーカブ50との突然の別れ――すべてが私の心に大きな波紋を広げました。それでも代車のスーパーカブ90にまたがり、少しずつ再び前に進み始めるにつれて、「どこへでも行ける。たとえ相棒が変わっても、その気持ちは変わらない」と気づきました。

「道の上で、また会おう」――この一言がいつまでも心に残ります3。バイクも人生も、別れや躓き、出会いと再出発の連続。大人への階段を登る今の私にぴったりの物語でした。進路や将来に迷う人、何かに区切りをつけて新しく踏み出したい人には、きっと背中を押してくれる一冊です。


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