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日常の小さな冒険

 『スーパーカブ(1)』
私は、両親も友達も趣味もない、ごく普通の女子高生・小熊。
山梨の田舎町で、何もない毎日を自転車で通学しながら淡々と過ごしていました。
そんな私の世界が大きく変わったのは、ある日ふと立ち寄ったバイク屋で「いわく付き」の中古スーパーカブ50を破格で手に入れたときからです。
運転免許もないまま、初めての原付にドキドキしながらも、カブに跨ってみると、自転車では味わえないスピードや、ガス欠のトラブルなど、未知の体験が次々と私を待っていました。
カブに乗ることで、私の生活は少しずつ、でも確実に変化していきました。
やがて、同じくカブを愛する少女・礼子と出会い、初めて「友達」と呼べる存在ができたのです。


スーパーカブ(1)
トネ・コーケン (著),
博 (著)

ホンダ・スーパーカブ全世界総生産、1億台突破記念作品! 
両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る女の子・小熊は、中古のスーパーカブを手に入れる。
それは小熊の世界を輝かせる小さくて大きな変化だった。

スーパーカブ(1)
トネ・コーケン (著),
博 (著)
Amazonより

■登場人物

  • 小熊(こぐま)
    主人公。両親も友達も趣味もなく、孤独な毎日を送る女子高生。生まれてすぐに父親を亡くし、高校生になるまで育ててくれた母親も失踪してしまっている。中古のスーパーカブを手に入れたことで、世界が少しずつ変わり始める。

  • 礼子(れいこ)
    小熊のクラスメイト。近寄りがたい美形で、クラスでも孤高の存在。愛車はハンターカブ。バイクに強いこだわりを持ち、小熊にとって初めての友人となる。

  • 椎(しい)
    小熊のクラスメイトで、夢はイタリア風カフェを営むこと。愛車はリトルカブ。

  • 椎の妹
    小熊の後輩で、冒険好きな変わり者。

  • 慧海(えみ)
    小熊が働くバイク便会社の女社長。子どもっぽく、ドーナツが好き。

  • 伊藤史(いとう ふみ)
    慧海の友達。幽霊のように影が薄く、生命力に乏しい。

感想
この作品を読んで感じたのは、「何もないと思っていた自分の世界にも、たった一つのきっかけで色がつき始める」ということ。バイクに興味がなかった私でも、カブを通して広がる人間関係や日常の小さな冒険に、思わず胸が熱くなりました。特に、地元の風景や高校時代の空気感が丁寧に描かれていて、自分の青春時代を思い出し、懐かしさが込み上げてきます。

印象的だった名言は、「一台のスーパーカブが彼女の世界を小さく輝かせる」というフレーズが印象的で、何気ない日常が特別に変わる瞬間を丁寧に描いています。

『スーパーカブ』は、「何も持っていない私にも、何かが始まることがある。」この言葉が、小熊の成長と読者の共感を象徴していると感じました。静かながらも心に残る名作であり、日常の中に小さな冒険を見つけたい人にぜひおすすめしたい一冊です。

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