心と言葉の日本語文法(2)――必要なのは、何物にも囚われず、日本語の姿を正面から見つめ直すこと
英語によるグローバルな情報支配が進むなかで、知的日本語の世界がいま危機に瀕している。
このままでは、日本人が日本語で深く考えて日本語で適切に表現するという、日本人として最も大切な基盤が失われてしまう可能性がある。
これは、日本人が日本人ではなくなるということである。
大学教育では「グローバル化」を旗印に教育言語を日本語から英語に切り替える動きが進んでいる。
その一方で「英語はいらない」との反発の声も一部から聞こえてくる。
どちらも賢明な考えとはいえない。
私たちが選ぶべき選択肢は、日本語か英語かという二者択一ではなく、日本語の世界と英語の世界を過不足なく行き来できる能力を習得することである。
本当の意味でのグローバルになることこそ、日本人が日本人として世界で活躍するための必要条件である。
そのためにまず必要なのは、まず何物にも囚われずに日本語の姿を正面から見つめ直すことである。
これまでのように西洋メガネをかけて日本語を見ることはせず、かといって過去の伝統に安易に寄りかかることもなく、いまここにある日本語の姿をありのままに見つめ、それを改善していく努力を重ねることである。
その作業なくして、日本語の知的世界を生存させ、よりよいものにしていくことはできない。
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