エンタープライズ営業担当必読。知っておくべきキーワード3選。「チャンピオン」「炎の人」「爆弾」
こんにちは。合同会社マルセロ 代表の駒瀬です。経営者、事業責任者に対する事業及びマーケティングの伴走コンサルティング、壁打ち、月額制顧問等のサービスを提供しています。
昨晩参加したSales Marker社主催のABM(アカウントベースドマーケティング)に関するディスカッションが、とても興味深かったので、備忘録として残しておきます。
以下の3名による豪華なセッション。



ターゲティング方法、行動検知の重要性、興味関心データの活用方法、失敗談等のリアル会場ならではの生々しい話で盛り上がりました。
私が、一番興味を持ったのが、米田さん(Similarweb)の「チャンピオン探すために爆弾を投げ込む」という話。
まず、チャンピオンとは?
エンタープライズ営業におけるチャンピオンとは、顧客企業内で自社製品やサービスの導入を積極的に支持し、社内への推進役となってくれる人物を指します。多くの場合、製品の魅力を理解し、意思決定者である経済的バイヤー(Economic Buyer)に影響を与えてくれる人物であり、その協力なしには大型契約の締結は困難です。
社内での推進と協力
自社の代わりにプロジェクトを進めたり、製品のメリットを社内で説明・推薦したりします。
意思決定者への橋渡し
意思決定者(Economic Buyer)に直接プレゼンテーションする機会を得るのを手助けし、経済的バイヤーへの影響力を働かせます。
組織内のキーパーソンへのアプローチ
組織図だけでは分からない影響力を持つ人物を見つけ出し、信頼関係を築きながら、社内の複数関係者の同意を得るための協力を仰ぎます。
これを読んだ最初の感想。「あれ?これ、前職で私がやっていたことじゃん」。どうやら、私はチャンピオンだったようです(笑)。
私自身、バイヤーサイドの大手企業に居たので良くわかるのですが、チャンピオンは完全にマイノリティ。肌感覚で、組織全体の多くて2割。通常は、1割程度。
従って、確率論で言うと1~2割。つまり、リサーチを駆使して需要が高いであろう企業/組織を絞り込み、響くであろうセールストークを準備して臨んでも「チャンピオンでない人に当たる」ケースが大半ということ。
そうすると何が起こるか?チャンピオンでない多くのサラリーマンは、以下の様に考えます。
自分の成果に繋がらない、余計な仕事に時間を割きたくない。
自分が先陣を切って新しいサービスを導入し、失敗することを避けたい(←日本の大手企業で出世する最良の方法は失敗しないこと。失敗しそうな案件には関わらないこと。という価値観がDNAレベルで刷り込まれている)。
そもそも、押しの強い営業マンと対峙し、断ることがストレス。
では、チャンピオンはどの様に考えるのか?
他人とは異なる着眼点で新しいテクノロジーやソリューションを試し、成果に繋げたい(ドヤりたい)。
それを実現する為に、ロジックを組んだり、周囲を巻き込んだりすること自体が楽しい。
「失敗したら出世に響く」ではなく、「失敗しても自分の懐が痛む訳ではない。会社のカネで失敗経験詰めるのは、むしろラッキー」と考える。
では、そうしたチャンピオンを見つけることは可能なのでしょうか?AI Overviewの回答は以下の通り。
<チャンピオンを見つける方法>
顧客の組織図と人物相関図の作成
誰が決定に影響を与えるのかを把握するため、組織内の関係性を分析します。
影響力を持つ人物の特定
組織図には表れない影響力を持つ人物を特定します。
信頼関係の構築
チャンピオン候補と信頼関係を築き、情報収集を行い、適切なタイミングで協力を依頼します。
質問による見極め
決定的なプロジェクトに従事している人物、最近昇進した人物、新しいイニシアチブにアサインされた人物などに注目し、候補者を見極めます。
柳澤大介@株式会社マイノリティCEOさんによる以下の記事に、チャンピオンにアプローチする具体的な手法が詳細に書かれているので、興味のある方はご覧ください。
さて、先述の米田さんの「爆弾」の話に戻ります。
チャンピオン探しにリソースを割く代わりに、誰に当たってもチャンピオンに届くような工夫をする。それが、爆弾です。
もちろん、本当に時限爆弾を送ったら犯罪です(笑)。
では、爆弾とは何か?それは、担当者が受け取ったら、上長にパスしないとまずいと思うような魅力的な提案。例えば、1千万円を超えるような高額商材が3か月無料で使える等。
提案を受け取った担当者が、「自分の裁量でもみ消すのは躊躇する」ように仕向ける。これが、爆弾作戦。
これを裏付ける見解として、産業再生機構で辣腕を奮った冨山和彦氏の著書「会社は頭から腐る」に、以下の記載があります。
営業提案の話は、現場だけでなく、トップやミドルなど、同じ企業のさまざまな階層に話が来るものである。担当者としてみれば、自分が断ってすむのではなく、上司やトップから同じ案件が下りてくる可能性も予期しなければならない。
仮にトップ営業を受けた企業の上層部が前向きに捉え、現場にこの案件を降ろしてきた場合、担当者が、以前に無碍に断ってでもいたら、上層部から叱責を受けることになる。
この爆弾の発想は、私にはなかったので、大きな気づきになりました。
粘り強くチャンピオンを探す代わりに、確率論でチャンピオンに当たる訳だから、「ハズレを引いた際、そこに無駄な時間を使わず、さっさと次を当たる」のが得策。というのが私のこれまでの考えであり、実際、そのようにアドバイスして来ました。
これは是非、登壇メンバーにお聴きしたいということで、「爆弾型」「確率論型」のどちらを支持するか?と質問させて頂き、盛り上がりました。
結局は、どちらか一方が正解という訳ではなく、「状況によって使い分ける」というのが現実解なのだと思います。
更に、追加で以下、私からコメントさせて頂きました。
チャンピオンタイプは、社内では浮いていることが多いが、逆に社外のチャンピオンと繋がり良質なネットワークを持っている。従って、そういう方々を対象とした交流会を定期的に実施するのが有効ではないか?
これに、花田さん(セールスマーカー)が、大いに共感してくださいました。
■チャンピオンの事例:野村総合研究所におけるWeVoxの導入事例

本件に関し、私が多くのエンタープライズ営業の方にお勧めしているのが、法人営業一筋の杉本浩一さん(現グロースX)による以下の記事。杉本さんは、チャンピオンのことを「炎の人」と呼んでいます。
非常にたくさんの気づきを得たセミナーとなりました。セールスマーカーさん、登壇者のみなさま、3社の運営サポートの皆様、どうもありがとうございました。
記事内で引用記事としてご紹介させて頂いた柳澤さん、杉本さんのお二人が「40's Biz talk」というポッドキャスト番組を配信しています。
既に150話超放送されていますが、営業に携わっている方であれば、過去放送のタイトルを見ただけで聴かずにいられない話題がてんこ盛りです。私自身、第1話から聞き始めて、毎日3話ずつくらい聞きながら、ようやく100話までたどり着きました。営業パーソン必聴の番組です!
【第157回】仕事の合間のリフレッシュ方法その「40's Biz talk」で「すべてのスタートアップ経営者必読」と劇推ししているnote記事が、こちら。
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