ほぼ100文字怪談 まとめ16
Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。
【ほぼ100文字怪談_151】
電車の窓から景色を見ていたら、窓の下から腕が伸びて、窓を這っていた。長さが尋常じゃない。
電車が減速すると、腕は引っ込んでいった。
降りるときに電車とホームの隙間を見たら、白い顔がこちらを見つめ返していた。
【ほぼ100文字怪談_152】
ヒトカラが趣味。好きな曲を好きなだけ歌えるのが、ストレス発散になるのよ。
今日もヒトカラを楽しんでたら、誰かが一緒に歌ってる。
マイクを通さない生声が、部屋の中から聞こえる。しかもハモって来る。
やめて、勝手にハモらないで!
【ほぼ100文字怪談_153】
フリマアプリで安くゲットしたブランド物のバッグ。
汚れも傷もないし、いい買い物しちゃった。
バッグの中を確認してたら、内ポケットの中から写真が何枚も出てきた。
赤のマジックで顔が全部塗りつぶしてあるけど、たぶん同じ女性の写真だ……。
【ほぼ100文字怪談_154】
近所の神社の境内に、祭りの案内が貼ってある。でも日付が滲んでいる。
まぁ、祭りがやってればお囃子が聞こえてくるだろ。
数日後、日が暮れてお囃子が聞こえてきた。
ワクワクして神社に行ったが、祭り囃子は聞こえるのに神社は真っ暗で誰もいなかった。
【ほぼ100文字怪談_155】
姉が亡くなった。姉は自らの体を掻きむしって亡くなった。
姉が残した日記には乱れた文字で「皮膚の中にいる」「目の中にいる」「口の中にいる」と書いてある。
「これがいる」と書かれたページをめくると、見たことのない虫が何匹も挟まっていた。
【ほぼ100文字怪談_156】
朝起きて、カーテンを開ける。
目の前には見慣れた光景……ではなく、見慣れた部屋が広がっていた。
窓の先にあるのは、私の部屋。正面にある窓には、パジャマを着た私。今にも振り返りそう。
私は慌ててカーテンを閉めた。
【ほぼ100文字怪談_157】
深夜0時を過ぎて起きていると、ガラスをひっかくような不快な音が聞こえてくる。
音の出所を探す。部屋の中をくまなく探したが、音の原因は見つからない。
ふと、この不快な音は、自分の耳の中からしているのだと気がついた。
【ほぼ100文字怪談_158】
友達と歩いていたら、道路の向こうで誰かが手を振っていた。
知り合いだろうと思って手を振り返したら、友達が「誰に手を振ってるの?」って。
友達には手を振ってる人が見えなかったみたい。
その後、私の視界の端で、いつも誰かが手を振っている。
【ほぼ100文字怪談_159】
夢の中で、赤い服を着た女に「願い事は?」と聞かれた。何かを願ったはずなんだけど、思い出せない。
手にチリッとした痛みを覚える。
女は「この夢を忘れた時、願い事が叶います」と言った。
目を覚ますと、左手のてのひらに印鑑のような赤い跡があった。
【ほぼ100文字怪談_160】
美容院でカットをしてもらう。長かった髪を大胆にショートに!
でも何故か、鏡の中の私の髪は切っても切っても伸びていく。美容師さんも、黙々と髪を切り続ける。伸びては切り、伸びては切りを繰り返す。
私はいつ、ショートカットになれるんだろう。
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