【居場所と働く④】〜“できること”からつくる居場所としごと「イーチ合同会社」〜まちの空気と会社のスタンス〜
■最初に
こんにちは!サイボウズのもっちーです😊
排除しないまちの空気を受け継ぎながら、働くことを通じて人とつながっている「イーチ合同会社」さん。
前回は、排除しないまちだからこその働くことについてお伝えしました。
今回は、まちの空気と会社のスタンスについてです!
▼以前の記事
①“誰もが関われる”をかたちにする
②働くことで関係性を育てる
③一緒に考えながら働く
〜イーチ合同会社〜
Webサイト:https://www.each-go-do.com/
※掲載している写真は全て許可を得ております。

■まちの空気と会社のスタンス
○このまちの空気感
イーチ合同会社の困っている人を受け入れるスタンスって、どこから生まれてきたものなのかお聞きすると。
元々まちとして
「あらゆる人をちゃんと受け止めていこう」
っていうポリシーがあるんです。基本的に、それがベースになっています。
だからまちとして、
「誰だから排除しよう」とか、「外国人だからやめよう」
「障害があるからできないね」っていう考え方はなくて、
むしろ、すべての人を対等な立場で受け止めていくことが、居心地のいいまちにつながるよねっていう考え方が、ずっと根っこにあるんです。
会社がそういうスタンスを持ったというよりは、
まちが先にそういうポリシーを持っていて、
会社はその流れを自然に受け継いでいる感じです。
うちの会社も、完全に独立した会社というよりは、
NPOや一般社団法人など、いろんな団体と連携している組織なので、
「会社だけが利益を追求して、排除しながら儲けます」っていうふうには、もちろんならないです。
そういう考え方が、経済活動の中にもあっていいと思うし、
会社としてはちゃんと利益が出るように運営はするけれど、
その中に「誰もが関われる仕組み」を組み込んでいくことは、
もっとあっていいと思っています。
過去の社会って、そういう受け止め方がもっと自然にあったと思うんです。
たとえば、発達にでこぼこがある子が高校まで出たけど就職先がない…っていう時に、町工場のおっちゃんが「うち来いよ、この作業やってみたら?」って言って、まち全体で受け止めていたような、そんな社会。
それが、どんどん効率化されて、「株主のために仕事をする社会」に日本が変わっていく中で、そういう関係性が切れていってしまった。
そうじゃないと回らなくなってしまった社会になってしまった。
でも、僕らはその流れの中でも、
もう一度「関係性を持つこと」「受け止めること」を大事にしたいと思っているんです。

○コンビニはまちの“結節点”になれる
コンビニって、もともといろいろ紐解いていくと、
まちの酒屋さんとかタバコ屋さんがやっていたことが多いんですよね。
と、池谷さん。
確かに、まちの酒屋さんとか商店がコンビニに変わってきていますね。
まちの酒屋さんって、実は「ニーズマスター」って言われるような存在で、一軒一軒、ビールを配達に行くじゃないですか。
勝手口からビールを渡すと、お母さんが「うちの姑がね…」って怒ってるわけですよね。
そういう話を受け止めながら、「そうですね、また来ますね」って関係性を築いていた。
ある意味、まちの課題をよくわかっていた存在だったんだと思います。
毎週ビールを持って行って、「つけで払う」って言われても「まあいいですよ」って受け止めていた。
そんな酒屋さんが、今のコンビニの原型だったりするんですよね。
タバコ屋さんもそうで、おばあちゃんが店先に座って、
毎日同じように、コミュニケーションをとりながら、渡していたり。
そういう場所って、社会の中で“結節点”みたいな役割を果たしていたと思うんです。
コンビニも、やってみてわかったんですけど、たぶんそういう存在になれるんじゃないかっていう感覚がすごくあります。

○見守りの場所にもなる
社会の中の「結節点」の役割についてさらにお聞きすると。
実はすごく特徴的で、朝になると、必ず来るおばあちゃんやおじいちゃんがいて、スタッフも毎日顔を合わせるので、自然と覚えるんですよね。
コンビニって、毎日来る人が多いから、スタッフも自然と顔を覚えていくんです。
そうすると、認知症の方や、何かしら課題を抱えている方も来るようになるんですが、「あの人、今日来てないね」ってスタッフが僕に言ってくることがあるんです。
「いつも来るのに、今日は来てない。なんかおかしいかも」って
そういう時は、僕らがある程度その人の背景を把握していて、
箕面市の福祉課や社協さんと連携して、
「こういう方が来ているんですけど、最近見かけなくて…」ってチェックしてもらうようにしています。
そうすると、「何かあったんじゃないか?」って話になる。
実際に「来てない」って言われた方が、本当に体調を崩していたり、場合によっては亡くなられていたりすることもあります。
それ以外にも多いのが、たとえば「金券になるカードを5万円分買いたい」って言ってくる方。
そういう時は、うちは必ずチェックします。
実際に、詐欺を何度も止めていて、この間も表彰されたりしました。
うちは「売りません」って先に宣言していて、
スタッフには「店長から売ったらダメって言われています」って言ってもらうようにしています。
そうすると、お客さんは「なんで?」って怒るんですけど、「まあまあ、一回交番に行きましょうか」って一緒に行ったりすることもあります。
売ってしまえば、それで終わりなんですよね。
経済的には「売れたらOK」なんですけど、うちは「売らない」。
その間にスタッフが止めてくれて、僕が警察と一緒に対応する、ということが何度もありました。
やってみてわかったんですが、まちのコンビニって、そういう可能性があるんだなって。
だから、なるべくそういう形で運営するようにしています。

○お客さんもスタッフも安心できるように
コンビニって、ほんとにやることが多くて、
マルチタスクだし、臨機応変な対応が求められるイメージでした。
とお伝えすると
うちは「わからないことは必ず聞いてください」っていうスタンスを徹底していて、ワンオペは絶対にしないようにしています。
研修を受けていても、わからなかったら必ず誰かに聞くようにって伝えていて、もちろん失敗もあるけど、「わからなかったらもう一人に聞いてね」っていうやり方をしているので、初めてでも入ってもらえます。
それはお客さんに対しても同じで、たとえば駅前店には、
毎日来てくださる身体障害のあるおじさんがいて、
その方が来ると、スタッフが必ず「どれを取りますか?」って声をかけて、上から何番目のコーヒーって言われたら、それを取ってあげるようにしています。
列ができていても、優先して対応するようにって伝えています。
だって、その方は「ここならやってくれる」って思って来てくれているんですよね。
他のお店ではしてもらえないかもしれないけど、うちならやってくれるって信頼がある。
そういうのは、うちでは当たり前のこととしてやっています。
あと、外国人の方もすごく多いので、そういう方にも丁寧に対応するようにってスタッフには伝えています。
■最後に
最後までありがとうございました。
仕組みや理念より先に、人と人が受け止めあう文化があって、
その流れを会社が自然に引き継いできたからこそできていることもあるけれど、効率や数字やスキルアップとかだけを求めてしまう社会になっているよなと考えさせられました。
次回は、常識にとらわれない運営だから誰も排除しないというお話しです!
次回も見てもらえると嬉しいです😊
