【ハンガリー狂詩曲2】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事ではハンガリー狂詩曲の第10番から第19番までを紹介します。
ハンガリー狂詩曲 S.244
演奏効果が高く、良く知られた全19曲の作品集。リストの愛国心の結晶。ハンガリー民謡やジプシーの音楽を基にして作った「マジャールの歌とマジャール狂詩曲」、「ジプシーの叙事詩」などを前身とする作品群。ほとんどの曲が「ラッシャン」という緩徐部と「フリシュカ」という急速部により成り立っている(例外もある)。当記事の第10番から第15番までは、およそ1847年頃から作り始め1853年に初版された。
ハンガリー狂詩曲 第10番 S.244/10
「マジャール狂詩曲 第16番 S.242/16」を改訂したもの。
演奏はアルトゥール・ルービンシュタイン。
ハンガリー狂詩曲 第11番 S.244/11
「マジャール狂詩曲 第14番 S.242/14」を改訂したもの。
演奏はウィリアム・カペル。
ハンガリー狂詩曲 第12番 S.244/12
人気のある作品。「マジャール狂詩曲 第18番 S.242/18」を改訂したもの。一部ブラームスの「ハンガリー舞曲 第15番」と共通の旋律がある。
演奏はジュリアス・カッチェン。
ハンガリー狂詩曲 第13番 S.244/13
「マジャール狂詩曲 第17番 S.242/17」を改訂したもの。急速部の旋律はサラサーテもその有名作品「ツィゴイネルワイゼン」で使用している。
演奏はアンドレ・ワッツ。
ハンガリー狂詩曲 第14番 S.244/14
「マジャール狂詩曲 第21番 S.242/21」を改訂したもの。ただしコーダは「マジャール狂詩曲 第22番 S.242/22」のものを転用。ピアノと管弦楽による作品「ハンガリー幻想曲 S.123」はこの作品の協奏稿と言ってよい。
演奏はアニー・フィッシャー。
ハンガリー狂詩曲 第15番 - ラーコーツィ行進曲 S.244/15
「マジャール狂詩曲 第13番 S.242/13」の改訂稿。リストはこのハンガリーの国民的旋律ともいえるラーコーツィ行進曲を基にいくつかの作品を書いている。
演奏はジョルジュ・シフラ。
ハンガリー狂詩曲 第16番 〔第2稿〕 S.244/16ii
第16番から第19番は晩年作品。1882年作。第1番から第15番までが民謡やジプシーの旋律を基にしているのに対し、こちらはリストのオリジナル作品。パリにいたリストの友人でハンガリーの画家であるミハーイ・ムンカーチがブダペストを訪問することを祝して書かれた作品。
演奏はエディト・ファルナディ。
ハンガリー狂詩曲 第17番 S.244/17
第16番から第19番は晩年作品。1882年作。第1番から第15番までが民謡やジプシーの旋律を基にしているのに対し、こちらはリストのオリジナル作品。もともとパリの新聞「フィガロ紙」のために書かれたもの。
スヴャトスラフ・リヒテルは活動初期から晩年に至るまでこの曲を演奏していた。
ハンガリー狂詩曲 第18番 〔コーダ最終稿〕 S.244/18iii
第16番から第19番は晩年作品。1885年作。第1番から第15番までが民謡やジプシーの旋律を基にしているのに対し、こちらはリストのオリジナル作品。「1885年ブダペストのハンガリー展覧会のために」作曲された。
演奏はグリゴリー・ギンズブルグ。
ハンガリー狂詩曲 第19番 - K.アーブラーニの「高雅なチャールダーシュ」による S.244/19
第16番から第19番は晩年作品。1885年作。コルネール・アーブラーニ(・シニア)の「高雅なチャールダーシュ」に基づく作品で、アーブラーニへ献呈。
演奏はエディト・ファルナディ。
【関連作品】
ハンガリー狂詩曲 第10番 〔異稿〕 S.244/10bis
「ハンガリー狂詩曲 第10番」のオッシアを演奏したもの。1847年作。
演奏はエディト・ファルナディ。
ハンガリー民謡による幻想曲 S.123
演奏される機会の多い協奏作品。通称「ハンガリー幻想曲」。およそ1852年から1855年にかけて作られた。「マジャールの歌 第10番 S.242/10」と「マジャール狂詩曲 第21番 S.242/21」とハンガリー民謡「モハーチの野原」を素材として使用している。同じくS.242/10とS.242/21を素材としている「ハンガリー狂詩曲 第14番 S.244/14」は関連作品と言えるが、当幻想曲が構想されたのはその狂詩曲よりも前。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル独奏、キリル・コンドラシン指揮によるロンドン交響楽団。
ハンガリー狂詩曲 第15番 〔異稿〕 S.244/15bis
「ハンガリー狂詩曲 第15番 - ラーコーツィ行進曲」のオッシアを演奏したもの。およそ1847年作。
演奏はエディト・ファルナディ。
ラーコーツィ行進曲 〔普及稿〕 S.244c
「ハンガリー狂詩曲 第15番」は当時のアマチュアには演奏できない難曲だったので、それを簡略化した。しかしこの稿でもアマチュアにとっては十分難しく一般には普及はしなかった。
演奏はマルク・ハンブルグ。
ハンガリー狂詩曲 第16番 〔第1稿〕 S.244/16i
「ハンガリー狂詩曲 第16番」の初稿で最初に出版されたもの。1882年作。
ハンガリー狂詩曲 第18番 〔コーダ第1稿〕 S.244/18i
リストは「ハンガリー狂詩曲 第18番」のコーダを書き換える試みを2度行った。こちらはその最初のもの。およそ1883年に作られた。未出版。
ハンガリー狂詩曲 第18番 〔コーダ第2稿〕 S.244/18ii
リストは「ハンガリー狂詩曲 第18番」のコーダを書き換える試みを2度行った。そのふたつ目。およそ1883年に作られた。未出版。
【その他】
ハンガリー狂詩曲 第13番 〔ホロヴィッツ編〕
ヴラディミール・ホロヴィッツはハンガリー狂詩曲を編曲することが多かった。
ハンガリー狂詩曲 第13番 〔ヴォロドス編〕
アルカディ・ヴォロドスも編曲をしている。ひょっとしてホロヴィッツからの影響もあるのでしょうか?
ハンガリー狂詩曲 第13番 〔アムラン編〕
マルク=アンドレ・アムランによる編曲。
ラーコーツィ行進曲 〔ホロヴィッツ編〕
リストのピアニズムを参考にしてホロヴィッツが「ラーコーツィ行進曲」を再解釈したもの。ベルリオーズは「ファウストの劫罰」にてラーコーツィ行進曲の旋律を使用しているが、そのベルリオーズ版と開始が似ている。
ハンガリー狂詩曲 第16番 〔シフラ編〕
ジョルジュ・シフラによる編曲
ハンガリー狂詩曲 第19番 〔ブゾーニ編〕
なぜか「ハンガリー狂詩曲 第19番」はよく編曲される。フェルッチョ・ブゾーニによる編曲。
演奏はサンドロ・イーヴォ・バルトーリ。
ハンガリー狂詩曲 第19番 〔ホロヴィッツ編〕
なぜか「ハンガリー狂詩曲 第19番」はよく編曲される。ヴラディミール・ホロヴィッツによる編曲。
ハンガリー狂詩曲 第19番 〔シフラ編〕
なぜか「ハンガリー狂詩曲 第19番」はよく編曲される。ジョルジュ・シフラによる編曲。
【歴史的録音】
プーニョによるハンガリー狂詩曲 第11番
奏者ラウール・プーニョはほぼ19世紀のピアニストと言える。1903年録音(!)。彼はジョルジュ・マティアスに師事しているので、ショパンの孫弟子となる。
ヴァイスによるハンガリー狂詩曲 第12番
奏者ヨーゼフ・ヴァイスはリストやモシュコフスキの弟子だった。1918年録音。
ブゾーニによるハンガリー狂詩曲 第13番
フェルッチョ・ブゾーニによる1922年の録音。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています
・ハンガリー狂詩曲 第10番~第19番 S.244/10-19
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それではみなさま良い一日を
