あなたはまだ、外の声を自分だと思ってるのかな
「誰かのために頑張らなきゃ」と自分をすり減らしたり。
かと思えば、「まずは自分を大切に」という言葉を聞いて、ただのワガママになっていないかと罪悪感を抱いたり。
そんなふうに、二つの価値観の間で揺れ動いた経験はないだろうか。
かく言う私も昔はそうだった...と寄り添いたいところだけれど、残念ながら私は元々こういった矛盾軋轢を前に、ある程度「スパッと片がつく」タイプらしい。だからこそ、あえて言わせてもらう。
その揺らぎ。実は、あなたの「潜在意識」がエラーを起こしているだけなのよ。
天の川の午後



70年代レトロポップなサイケデリック柄の壁紙に、アンバーな照明がねっとりと溶け込む純喫茶「天の川」。いつもより早く来たのは、オバチャンだった。
天然パーマの高校生である彼は、月刊ムーを握りしめながら、スマートフォンの画面をカウンターに突きつける。本田健という人物の動画らしい。
「五十鈴さん、聞いてください。『自己犠牲の人助けは注意』『まずは自分を幸せにしろ』ですって。でも、さっき読んだアドラー心理学は『他者貢献が幸せの最終段階』って言ってるんですよ。結局、どっちが正解なんすか」
オバチャンは額を抱えた。奥のテーブルには、七三分けに黒縁メガネの秀才、有栖川くんが座っている。
オバチャンはその後、彼に向かって何度も同じ動画の説明をしかけては、「聞いてくれよ、有栖川くん!」と、反応を求めるように何度も呼びかけていた。
「本田健が言ってることと、アドラーが言ってることって、どっちがすごいんだと思いますか」
有栖川くんは「どちらも一定の説得力があります」と論理的に応じるが、オバチャンはそれに満足せず、また別の角度から同じ質問を繰り返す。要するに、「俺、こんなに深いことを考えてるんだぜ」という反応を求めているわけね。
私はカウンターの中からうずまきキャンディを片手に、その光景を眺めていた。
「あんたね。一番大事なことに気づいてないわよ」
オバチャンが私を見た。
「あんたが今やってることって、何だと思う?本当は、その知識をすごいって認めてほしいんでしょ。『オバチャン、賢いね』『その考え方、深いね』って言ってもらいたくて、何度も何度も同じ説明を繰り返してる。それ、まさに承認欲求よ」
二つの声の層

白か黒か、右か左か。
人間の意識ってやつは、すぐに極端な答えを探したがるサボり癖がある。でも本当の答えは、そこにはないわけね。
「自分を優先しろ」と「他者に貢献しろ」——どちらの考え方でも、絶対にNGとされているのが何か知ってる?
「承認欲求」よ。
表面的には「自分を大切にしたい」と言ってても、無意識の層では「誰かに認めてもらいたい」という欲求が、ごっそり入ってるかもしれない。あんただって、さっきそうでしょ。本当は「自分の知識をすごいって言ってほしい」「自分の考え方が正しいって認めてほしい」という層があったんじゃない。
アドラー心理学が考える幸せのステップはこう。
ありのままの自分を受け入れる(自己受容)→ 周りを無条件で信頼する(他者信頼)→ 自分が役立っていると実感する(他者貢献)。
つまりね、自分のコップが満たされて、初めて他人に純粋な水を分け与えることができるってわけ。これが本田健が言いたかった「自分を満たすことで、純粋に与えたい気持ちになる」という真理よ。
有栖川くんが詰襟学生服をピシッと鳴らしながら、「承認欲求を手段にした自己表現は、逆説的に自己否定を強化するループを生む」と、論理的に補足した。
「そういうこと。でもね」
と、私は続ける。
「厄介なのは、人間の意識の構造なのよ」
無意識という底層

自覚できる「顕在意識」の下には、自覚できない「潜在意識」がある。そしてさらにその奥深くには、過去の記憶や人類全体と繋がる「無意識」の世界が広がっているの。
無意識が潜在意識を支えているから、小手先の自己啓発で表面だけを変えようとしてもダメ。
たとえばね。あなたが「自分を優先しよう」と頭で決めても、無意識の層では「自分勝手は許されない」という古い信念が眠ってるかもしれない。その場合、顕在意識と無意識は矛盾したまんま。あなたは心がざわつく。
逆に、顕在意識では「自分の考えを認めてもらいたい」と望んでも、無意識の層では「そんなことできるはずがない」と信じてたら、やっぱり軋轢が生まれるわけね。その軋轢は、疲れや焦燥感になって、あなたに纏わりついてくる。
大切なのは、無意識から浄化していくこと。
小さな習慣でいい。毎日の手帳に、「あ、今日も何かあった」「あ、今日も誰かに役に立てた」「あ、今日も自分のペースで進めた」——そうやって、ゆっくりと自分の心を満たしていく。バレットジャーナルで「幸積み」するのもいいでしょう。そういう積み重ねが、見返りを求めない純粋な「他者貢献」の土台になるわ。
カウンターの端っこで、未(ひつじ)の着ぐるみを揺らしながらはしぞうが、「気づくまで時間かかってたっすね」と呟いた。
「そ。だから人間なのよ」
と、私は返した。
帰り際

オバチャンはスマートフォンをしまった。しばらく黙ったあと、呟いた。
「あ。やっぱり...俺、さっき有栖川くんに何度も同じこと聞いてたけど、本当は『すごいでしょ』って言ってもらいたかったんすね」
「そ。それが承認欲求。で、その『認めてもらいたい』という層が強いほど、『自分を大事にしろ』と言われても心が反発する。なぜなら、本当は『自分が大事』じゃなくて『他人の評価が大事』になってるからよ」
有栖川くんが「つまり、顕在意識では『自分を優先します』と言いながら、無意識では『周りの評価をください』と叫んでる。その矛盾が苦しみの源になる」と頷いた。
「そういうこと。外の世界がどれだけ正論を言おうと、自分の無意識が反発してたら、全部陰転するのよ。だからね、まずは自分の心の底っこを丁寧に満たしてあげることが、唯一の解決策なの」
自分を犠牲にして誰かのために走るのは、ただの陰転。
最後に
とはいえ、長年こびりついた思考のクセや、自分の星がどういう状態で陰転(空回り)しているのか、一人ではなかなか気づけないのも大人の厄介なところだ。
そんなときは、一人で抱え込まずにプロの力を借りるのも賢い選択だと思う。推命ラボの幸来子なら、四柱推命という命式をもとに、あなたが本来持っている才能を温かく紐解いてくれるだろう。
自分の現在地を知ることに、言い訳はいらないわ。
今日も今日とて、まずは心の底から、それぞれのレンズをピカピカに磨いていきましょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
あなたの心が、今日より少しだけクリアに世界を映し出しますように。
(。-人-。)✨ Love & Peace💕
※この作品中の漫画は、AI漫画生成ツール(新宇佐美式AI漫画)を使用し、 著者の指示のもとで制作しています。
