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【女子旅】熱海1泊と、偶然の“ブックマルシェ”大磯まち歩き

新卒時代の同期と、土日を使って熱海旅行へ行った。
昔から知っているかのように、切ない気持ちになる温泉街。

今回の旅は、好きな画家の絵を見れたり大磯のブックフェスタに行けたりと思いがけない出会いがあった。

実は5年前にnoteにはじめて投稿したのが、熱海1人旅行だった。5年経った熱海を書いてみたい。


土曜の昼、新幹線で熱海へ

東京から熱海への行き方は複数ある。

  • 新幹線(40分、3,740円)

  • 踊り子(1時間40分、3,560円)

  • 東海道線の鈍行(1時間45分、1,980円。グリーン車+1,000円)

  • ロマンスカー(2時間、2,500円、小田原経由)

ちなみに東海道線、踊り子なら海が見える

直前まで迷ったけれど、土曜日ってだいたい疲れている。「ギリギリまで寝るか…」と新幹線にした。快適な席に座って40分で着くんだ、それなら3,740円は安い。

残念なのが、この日8mmの大雨ということ。

濡れたくないから頑丈な傘がいい。でも翌日は晴れだから邪魔になるか。いや、折りたたみは濡れたあとの持ち運びに困るし…

…と一通り迷って、結局ふつうの傘を持ってきた。
同期もおなじように迷ったのち、折りたたみ傘を選んだらしい。

朝ごはんに何を食べたか、夏休みに何をするか話しているうちに、熱海に着いた。
大雨がアーケードの屋根にぶつかってくもった音が響いている。

一歩も商店街から出たくないね…と合意して、お昼はアーケード内の寿司屋、磯丸に並ぶ。

私は「伊豆握り12貫」をわさび別添えにして注文、同期はトロ・いくらなど単品を組み合わせて、2人ともあおさ汁・茶碗蒸しセットを追加した。
寿司って、いつ食べても幸せになれる。

体験できる、熱海山口美術館

続いて美術館に向かう。本当はついでに近隣ショップも散策したいところだけど、1泊分の荷物を持っているうえ、この大雨だからタクシー一択だ。

タクシーに乗って気付く。5年前の旅でも後悔したこと、熱海は現金のみが多い。私と同期で5,000円ずつしか持っておらず、タクシー代1,220円が急に重く感じる。

MOA美術館には前回行ったので、今回は「熱海山口美術館」へ行く。なんでもマンションの数部屋をリノベして展示している場所なのだとか。

展示で東山魁夷を発見

入ってすぐ、五山ござんの作品が飾られていて嬉しくなった!

五山:名前に「山」がつく、昭和に活躍した日本画家5人の総称。
・東山魁夷
・杉山寧
・髙山辰雄
・加山又造
・平山郁夫

熱海山口美術館の解説より
東山魁夷「朝静」

私は東山魁夷ひがしやまかいいの文章のファンなのだ。その作品をまた見れて、そして解説では愛読書『風景との対話』が引用されていて気分が高揚した。

ほかにも「東海道五十三次」(浮世絵)やピカソの陶芸、仏像、現代アートが展示されていた。

絵付けと、人間国宝の茶器で抹茶体験

この美術館は「体験と学び」をコンセプトにしているらしい。たしかに展示エリアでは銅鑼どらを鳴らせたり、岡本太郎の“坐ることを拒否する椅子”に座れたりした。

それにチケットを購入したとき「回り終わったら戻って来て絵付け体験を」と説明を受けた。わくわくがあとに用意されている感じが嬉しい。

絵付けは、小さな白い皿にペンで絵を描く体験だった。私は大好きなアイシナモロールが、GWに見たモッコウバラのもとに立つ様子を描いた。

皿の湾曲している部分とかペンのダマができるとか結構むずかしくて、何度もティッシュで消しながら2人とも30分かけて完成させた。

普段絵を描かないから、なんだか使っていない感性を駆使した気がする。

同期のキティちゃんとペアみたいになった
GWに千葉で見かけたモッコウバラ

絵付けが終わったら、続いて人間国宝の茶器で抹茶を飲める体験をやる。オレンジジュースも選べたが、「うつわ」が大好きな私、茶器が気になるので今日は抹茶一択だ。

私の茶器は、
藤原啓の備前焼(岡山県)だった

やっぱり、体験したことが記憶に残るもんね。
熱海山口美術館、楽しい場所だった。小さな展示室が11個というコンパクトさもちょうどいい。
絵付けも含めて2時間滞在した。

文豪も愛した場所、起雲閣

美術館を出ると雨がほとんど止んでいた。
実は起雲閣きうんかくに先に行く予定だったのだけど、「雨だと庭園がうまく見れないかもね」と同期が変更を提案してくれたのだった。感謝!

強風に煽られながら起雲閣まで5分歩く。

熱海は3回目だが起雲閣には初めて来た。
元は大正時代に建てられた個人の別荘で、そのあと旅館になり、今に至る。敷地は3,000坪もあるとか。

旅館時代には太宰治や志賀直哉、谷崎潤一郎など文豪たちが宿泊していたらしい。
風呂場もあって、私もここに泊まってみたかったな〜と思う。

ぐるりと1周できる
和館・洋館があり部屋により雰囲気が違う
なぜか人が少なくて写真たくさん撮れた

写真は、最近買った富士フイルムのミラーレスカメラX-M5。旅行中は撮り合いっこをして、同期がカメラに興味を持ってくれて良かった。海外旅行によく行くから、と。カメラ楽しいよねえ。

X-M5は、極限まで荷物を減らしたい私でもギリギリ許容できるコンパクトさのカメラ。ここに、カメラ好きの友人がおすすめしてくれた27mm単焦点のパンケーキレンズをつけている。

ここはカラフルなタイルが良かった
庭園へ。最後に全貌が分かった

夜ごはん難民

宿に着いたのが17時。
夜は決めていなかったのだけど、昼に寿司を食べたから路線を変えてイタリアンかフレンチをGoogleマップで調べてみる。

候補が5つあって、なかでも近くてコスパが抜群に良さそうな「欧風レストランクレール」が気になったのだけど、電話してみると、ことごとく予約で満席だった。

順番に電話をかけ断られ続けてさすがに面白くなってきたときに、「スコット」のお店の方に、うちは予約制じゃないから。今なら空いてますと言われてすぐ向かった。良かった、夜ごはんを食べられる。

SCOTTと店名が入ったお皿がかわいい
アワビのコキュール(手前)と、文豪が愛した
ビーフシチュー(奥)をシェアした

¥7,700円のコースを頼んだ。
現金のみの空気が漂っていてどうしようかと思ったが、VISAカードだけは使えるみたいでなんとかなった。

会計時、「夜中お腹空いたときに」と、シュークリームのシューを持たせてもらう。おつまみ用のシューらしい。
(私はその点聞き逃しており、口にした瞬間しょっぱくてびっくりした。お土産はうれしいね)

夜用の1Lの水ペットボトルを調達し、宿に戻る。土曜日にたくさん行動したから眠たい。ソファでうとうとしながらも、横になって喋り続ける。

スポーツの効用(同期はボクシング、私はバスケをやっている)、美容、海外旅行での過ごし方、文フリに参加したこと、関西万博にいつ行くか、前職の近況、膀胱炎になって気づく理想の働き方、編集者のこれから…。

なんでも話せる同性の同期、会うたびに新しいことをシェアできる関係って、なんて貴重なんだろう。

2人とも疲れていたので朝風呂にするか迷って判断を委ねられたが、私のほうが圧倒的に怠惰なのでこれは私がNOと言えば入らないことになるやつだと焦る。
雨でベタついているし、質の良い睡眠には風呂が必要。立ち上がって一緒に温泉に入った。サウナも一瞬だけ。

そういえば大学生の頃、早朝バイトと授業でずっと疲れていて、よくメイクも落とさず寝落ちしたな…と思い出す。

29歳の今は絶対にメイクを落とすし、お風呂キャンセルも稀だし、髪を洗ったら必ず乾かす。
成長したのか、美意識が上がったのか、毎日体力に余裕があるのか、分からないけれど。

明日の朝は8時半目標で、9時まで起きてこなかったら起こす、と決めて別々の部屋で寝た。

朝ごはんは海辺のジョナサンで

朝食は海のそばにあるジョナサンで食べた。熱海のビーチで目立っていて以前から気になっていた場所。

王道モーニングメニューにコーンスープを追加した。

目玉焼きにベーコン、
ミニヨーグルトもついていて嬉しい。

同期はファミレスに行く習慣がないらしくて最初はジョナサン案に反対していたのだけど笑、ドリンクバーに茶葉が並んだ紅茶コーナーを楽しんでいて、「広くて滞在できそうで作業にいいね!今度家の近くのも行ってみようかな」と思いのほか気に入ってくれたようだった。

私はというと、大学生〜社会人2年目くらいまでは背伸びしていたのか、「美味しい個人店こそ正義」と信じていたが、徐々にファミレスが好きになった。

なかでもデニーズが好きだ。価格帯は安くはないがちゃんと美味しいし、バリエーションも豊富だし、メニュー表の江口寿史イラストがかなり良い。

海辺を散歩してから宿に戻ることにする。

かわいい犬
そういえば昨晩はこの海で
空手の突きをやらされて面白かった
サンバード、ここも行ってみたい。

大磯へ移動

このあとバラが満開のアカオガーデンに行く予定だったが、急遽大磯に向かうことにした。

というのも、私が5年前に熱海で知った「真鶴出版」の話をしたら同期が興味を持ってくれて、真鶴(熱海から2駅となり)に行こう!という話になって。

▼真鶴出版さんのnoteはこちら

それで同期が調べてくれたところ、この日、真鶴出版さんと真鶴の本屋さんがどちらも大磯のブックマルシェに出店していることが分かったから。なんて偶然。

大磯は熱海から鈍行で9駅。40分とやや遠いので、なるべく快適に移動したい。1,2号車がボックス席とアナウンスが流れたので、端っこの車両に急いで向かった。

ボックス席で、進行方向むきに並んで座る

大磯ブックマルシェ

さて大磯。初めて降りた。近所にある街、大船と混同していたくらいの浅い認識。同期と「こんな機会がなければ人生で降りなかったね!」と話す。

荷物を駅のコインロッカーに預けて、いざブックフェスタへ!パンフレットを片手に歩いている人がたくさんいる。盛り上がっているようだ。

古本や雑誌のバックナンバー、新刊、
ZINEなどが売られている
活版印刷機

周りたいショップがたくさんあったので、昼食を食べながら作戦会議をした。

パンフレット
デザインかわいい
昼食はゆるぎ庵で。
柑橘と梅のタルトも食べた
花屋併設のショップを4,5軒見かけた。
大磯、良い個人店が多いな〜!
雑貨を売っているお店、ワークショップを
やっているお店もあって面白い!

ブックマルシェが開催されていることで、街全体に動きができていて、人も多く集まっていて楽しかった…!

お目当ての真鶴出版さんは大会場のブース。
撤収ギリギリに駆け込んだ。

調べたら、10月には大磯で「うつわの日」というイベントが開催されるらしい。
大磯ってそういう街なのかな?また来たいかも。

旧島崎藤村邸

地図を見ていると近くに「旧島崎藤村邸」を発見したので立ち寄ってみる。

旧島崎藤村邸

外観を自由に見学できるようになっている。

日本文学を専攻していた同期が、島崎藤村は部落差別をテーマに書いた小説の『破戒』が有名なんだよと教えてくれた(文学部卒の私、恥ずかしながら初めて聞いた。気になる)。

係の人に「どこから来られたんですか」と聞かれてとっさに「東京です」と答えたが、大磯ってほぼ東京か?回答ざっくりしすぎたか…と反省した(考えすぎ?)。

大磯迎賓館

ブックマルシェ中に、駅前のカーブを曲がってすぐ現れた素敵な建物!パープル色の建物が華やかなバラに囲まれていて、一瞬で目を奪われた。
迎賓館らしい。こんなところがあるなんて。

レストランも併設されていた

アカオガーデンは諦めたけど、今日バラを見れるとは。

同期は紫色のイメージなので、
マッチしていてテンションが上がる

ZINEフェス

同じ日に近くでZINE FESTをやっていると知ったので、こちらにも足を伸ばしてみた。

なかでも、私と同じ名前のゆいさんという方が出店していて、女性2人でエッセイを書いていたのが気になった。

私も先日文学フリマに初めて出店したのだけど、次は女子2人で作れたりしないかな〜とか考えていたので、ピンときて。

なんだけど、先日買ったZINEもほとんどまだ読めていなくて、今回は事前情報もないし、立ち読みも長くはできないので諦めてしまった。

大磯ブックマルシェも同様だが、こういうイベントに必要なのは下調べと、これを買うぞ!という強い心だなあと反省する。

帰りは鈍行、グリーン車で

大磯駅から東京駅まで1時間、1,000円。
ここに1,000円の追加料金は高いなと思いつつ、疲労の限界だったのでリラックスできるグリーン車に乗る。

グリーン車の座席に座ってから天井でピッてするやつ、結構曲者だった。普段PASMOを使っているのでなかなか反応しなくて。やり方はこうらしい。

  • モバイルSuicaでグリーン券を買う

  • iPhoneのアプリWalletで、モバイルSuicaを「エクスプレスカード」に設定

  • ピッてする

これ

乗車して気づいた、2時間の長旅なのにペットボトルの水があと200mlしか残っていない。ピンチ!

と焦っていたら、後ろから乗務員が客室販売にやってきた。グリーン車では車内販売があるみたい。
迷わず桃のジュースを買う。
移動時の飲み物は、間違いなく心の支えである。

そんなこんなで、日曜の17時には家に着いた。
土曜日の昼前に家を出たので、短めの1泊2日だった。

帰って夫に、熱海だけじゃなくて大磯も行ったよ!と報告したら、大物作家の街だねと返ってきた。村上春樹のことらしい。

島崎藤村邸に行ったことも伝えると、「村上春樹の春樹は、島崎藤村の本名から取られたんだよ」と追加情報を教えてくれた。
たしかに、看板に「春樹」の文字があったなと気づく。

大好きな、ちょっと寂しい感じのする熱海に、渋い個人店がたくさん残る大磯。

美術館や起雲閣での体験やファミレスにカメラ、文豪たち、たまたまたどり着いた大磯の街。思いがけない出会いがたっぷり、大満足な旅行だった。

GWにも2回千葉旅行をしたところだが、ときどき都心から離れて遠くへ足を運ぶのには精神的に良い効果があると感じる。休みがあるたびにどこかに出掛けているので、私は旅行が好きなんだなと自覚する。

同期は夏にかけて、すでに月に1回は旅行の予定を立てているらしい。

私はホームシックになるので1,2泊の短い国内旅行が好きなんだけど、彼女の姿を見ていると、ああ海外にも行かなきゃ、と思わさせられる。
国内でも海外でも、これから来る夏のうちに遠くへ出かけられますように。

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