「寝酒」が脳の健康を遠ざける?認知症リスクを考えるお酒の新常識
研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。
AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。
「眠る前に一杯飲むと、よく眠れる」
そう考えて、毎晩の晩酌や寝酒を習慣にしている人は少なくありません。しかし、その飲み方が睡眠の質を下げ、長い目で見ると脳の健康にも影響する可能性があります。
Yahoo!ファイナンスに掲載された記事「『認知症』になる人の共通点。今すぐやめるべき『お酒の習慣』とは?」をきっかけに、飲酒と認知症の関係を考えてみます。
認知症は誰にでも起こりうる
認知症とは、さまざまな病気によって脳の働きが変化し、記憶力や判断力などの認知機能が低下して、日常生活に支障が出ている状態です。
「この性格の人は必ず認知症になる」「一つの習慣だけが原因になる」というものではありません。加齢や遺伝的要因に加え、高血圧、糖尿病、運動不足、喫煙、社会的孤立、過度の飲酒など、複数の要因が関係します。
つまり、ニュースの見出しにある「共通点」は、認知症になる人を断定的に見分ける特徴ではなく、リスクを高める可能性のある生活習慣として捉えることが大切です。
注意したいのは「お酒の量」と「飲み方」
飲酒と認知症の関係は単純ではありません。研究によって結果に違いがあり、少量の飲酒が認知症を予防すると断定できる段階ではありません。
一方、多量飲酒が脳の健康に悪影響を及ぼすことには注意が必要です。
長期間にわたって大量のアルコールを摂取すると、脳の神経や血管が傷つく可能性があります。食生活が乱れて栄養不足になったり、高血圧や脳卒中などのリスクが高まったりすることも、認知機能の低下につながります。
厚生労働省の健康情報サイトでも、アルコール依存症の人には前頭葉機能の障害が見られることがあり、高齢の依存症者では物忘れや認知症が高い割合で確認されると説明されています。
今すぐ見直したい「寝酒」の習慣
特に見直したいのが、眠るためにお酒を飲む「寝酒」です。
アルコールを飲むと眠気が生じるため、一時的には寝つきがよくなったように感じます。しかし、アルコールが体内で分解されるにつれて眠りが浅くなり、夜中に目が覚めやすくなります。
寝酒を続けていると、同じ効果を得るために飲酒量が増えてしまうこともあります。
睡眠は、脳と体を休ませるための大切な時間です。「眠るための一杯」が睡眠の質を下げ、その習慣が長く続けば、脳の健康にとって望ましくない状態になりかねません。
大切なのは、「お酒を飲んだから眠れた」と「質のよい睡眠が取れた」を同じだと考えないことです。
毎日飲むことが当たり前になっていないか
次のような習慣がある人は、一度お酒との付き合い方を振り返ってみてもよいでしょう。
眠るために毎晩お酒を飲んでいる
飲む量を決めずに晩酌を始める
以前より酒量が増えている
休肝日を設けられない
嫌なことや不安を忘れるために飲む
飲まないと落ち着かない、または眠れない
飲酒による失敗や体調不良が増えている
一つ当てはまっただけで、認知症やアルコール依存症だという意味ではありません。ただし、お酒が楽しみではなく、眠るため、気持ちを落ち着かせるために欠かせないものになっている場合は注意が必要です。
今日からできる小さな見直し
飲酒習慣を見直すときは、最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは飲んだ量を記録し、自分が実際にどれくらい飲んでいるかを把握します。飲酒する日と量を事前に決める、飲まない日をつくる、ノンアルコール飲料や炭酸水に置き換えるといった方法もあります。
寝つきをよくしたい場合は、お酒に頼るのではなく、次のような習慣を試してみましょう。
朝に日光を浴びる
日中に適度な運動をする
就寝時間と起床時間を整える
入浴で体を温める
寝る前のスマートフォンやカフェインを控える
寝室を暗く静かな環境にする
小さな工夫でも、続けることで睡眠と飲酒の習慣を変えるきっかけになります。
飲めない人が無理に飲む必要はない
「少量のお酒なら認知症予防になる」という情報を見かけることがあります。しかし、もともと飲酒習慣のない人が、認知症予防を目的に飲み始めることは推奨されていません。
飲酒の影響は、年齢、性別、体格、遺伝的な体質、服用している薬、持病などによって異なります。高齢になるとアルコールを分解する力も変化し、以前と同じ量でも影響を受けやすくなる場合があります。
「適量」は誰にとっても同じではないのです。
急な断酒が危険な場合もある
毎日多量に飲んでいる人や、飲まないと手の震え、発汗、動悸、不安、不眠などが現れる人は、自己判断で急に断酒しないでください。
アルコールに依存している場合、突然の断酒によって重い離脱症状が起こることがあります。かかりつけ医や精神科、心療内科、依存症の専門医療機関などに相談し、安全な方法で減酒や断酒を進めることが大切です。
お酒をやめることだけが目的ではない
認知症を確実に防ぐ方法は、現在のところありません。それでも、過度の飲酒を避け、睡眠、運動、食事、人との交流などを整えることは、脳だけでなく全身の健康を守ることにつながります。
まず見直したいのは、眠るために飲むことや、量を決めずに飲み続けることです。
毎日の一杯が本当に必要なのか。お酒を飲んだ翌朝、心と体はどのような状態なのか。
今日から少しだけ、自分のお酒の習慣を観察してみてはいかがでしょうか。
参考:Yahoo!ファイナンス掲載記事・国立長寿医療研究センター・厚生労働省「アルコール性認知症」・国立がん研究センター「飲酒と認知症との関連」
※この記事は一般的な情報の紹介を目的としたもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。飲酒や物忘れについて不安がある場合は、医療機関へご相談ください。
#認知症 #認知症予防 #お酒 #飲酒習慣 #寝酒 #睡眠の質 #脳の健康 #健康習慣 #生活習慣 #減酒 #シニアライフ #健康寿命
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!