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「頑張りすぎる人」が壊れる前に──ストレス検査義務化のニュースを見て感じたこと

研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。

AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。

2028年4月から、すべての事業所で「ストレスチェック」が義務化される方針が示されました。

これまで、ストレスチェックは従業員50人以上の事業所に義務付けられていましたが、今後は50人未満の小規模事業所にも広がることになります。

背景には、精神障害による労災認定件数の増加があります。

私はこのニュースを見て、「ついにここまで来たか」と感じました。

それだけ、今の社会は“心の限界”が見えにくくなっているのだと思います。



日本人は「限界まで頑張る」が美徳になりやすい

日本では昔から、

「我慢する」
「迷惑をかけない」
「弱音を吐かない」

ことが、美徳として語られやすい空気があります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

しかし問題は、

“壊れるまで頑張ってしまう”

人が非常に多いことです。

本人も、自分が危険な状態だと気づいていない。

いや、気づいていても、

「まだ大丈夫」
「みんな頑張っている」
「ここで休んだら迷惑」

と思ってしまう。

これは、真面目な人ほど起きやすい。


ストレスは「弱さ」ではない

私は、この話で大切なのは、

「ストレスを抱える=弱い」

ではない、ということだと思っています。

人は誰でも、環境の影響を受けます。

・長時間労働
・人間関係
・カスタマーハラスメント
・介護との両立
・経済的不安
・孤独感

こうしたものが重なると、どんな人でも心が疲弊していく。

しかも最近は、「静かな疲労」が増えている気がします。

昔のような“分かりやすい過労”だけではない。

スマホ。
SNS。
終わらない連絡。
常に何かに追われる感覚。

気づかないうちに、脳が休まっていない人が本当に多いと思います。


小規模事業所ほど、実は逃げ場が少ない

今回のニュースで注目したいのは、

「50人未満の事業所も義務化」

という点です。

小規模事業所は、アットホームな良さがある一方で、

・相談相手が少ない
・人間関係が密になりやすい
・代わりがいない
・休みにくい

という問題もあります。

つまり、“我慢で回ってしまう”のです。

しかし、それは長く続きません。

特に今は、人手不足も深刻です。

一人が壊れると、周囲にも大きな負担が広がる。

だからこそ、「心の不調を早めに見つける」という考え方は、今後ますます重要になると思います。


「検査すること」が目的ではない

ただ、私は同時に思います。

本当に大切なのは、

“ストレスチェックを実施すること”

そのものではありません。

もっと大切なのは、

「相談してもいい空気」

があることです。

どれだけ制度が整っても、

「弱音を吐きにくい」
「評価が下がりそう」
「面倒な人と思われる」

という空気が強ければ、人は本音を隠します。

これは、手話通訳の現場でも感じることがあります。

責任感が強い人ほど、

「休めない」
「迷惑をかけられない」

と思い込みやすい。

でも、本当に危険なのは、“突然動けなくなること”です。


シニア世代にも無関係ではない

今回の法改正では、高齢者の労災防止も盛り込まれたそうです。

これは非常に重要だと思います。

今、日本は「長く働く時代」に入っています。

60代。
70代。

働き続ける人も増えています。

しかし、年齢を重ねると、

・体力の変化
・集中力の変化
・回復力の低下

も起きてきます。

それなのに、昔と同じ感覚で無理をしてしまう人も少なくありません。

しかもシニア世代は、

「弱音を吐かない世代」

でもあります。

だからこそ、“無理を前提にしない働き方”がこれから必要になるのだと思います。


「壊れる前に休む」が普通になる社会へ

私は、このニュースが単なる制度改正で終わってほしくないと思っています。

本当に必要なのは、

「倒れてから支える社会」

ではなく、

「倒れる前に立ち止まれる社会」

です。

疲れたと言える。
相談できる。
休める。
助けを求められる。

そういう空気が広がっていくこと。

そして、

「頑張り続けることだけが正義ではない」

と、多くの人が思えるようになること。

それが、これからの時代には必要なのかもしれません。


最後に

ストレスチェック義務化というニュースは、一見すると“制度”の話に見えます。

でも、その奥には、

「人が壊れやすくなっている社会」

という現実があります。

だからこそ、今必要なのは、

「もっと頑張れ」

ではなく、

「ちゃんと休めていますか」

という視点なのだと思います。

真面目な人ほど、自分を後回しにします。

でも、心が壊れてしまったあとでは、回復には長い時間がかかることもあります。

だからこそ、

“まだ動けるうちに、自分を大切にする”。

それを、もっと自然にできる社会になってほしい。

そう感じたニュースでした。

元記事はこちら

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