個展ツアー後編 〜創作の秘密基地へようこそ〜
前編は、壁に沿って、ギャラリーをぐるっと一緒に回っていただきました。
後編は、中央にある工作コーナーをぜひ一緒に回りましょう。

それでは、後半戦スタートです。
Yota登場
居場所が終わり、ギャラリーに来るや否や、履いていた雪駄をポンポンっと脱ぎ捨て、
裸足でギャラリー内を駆け巡ります。
そのあとは、ソファの下やテーブルの下へと潜り込み、


「あ、Yota本人です」
私が皆さんに紹介すると、
「あらまぁ」
あたたかい笑いが起きます。
かと思えば、
「これはね……」と、作品について話しをしています。
疲れたら、受付横の倉庫に隠れます。

落ち着くらしいです。
在廊、結構楽しんじゃってます。
作るのも好き

Yotaは工作も大好きです。
いつ「作りたい」と言われてもいいように、
ダンボール、いらないお菓子やティッシュの箱、ラップの芯など、工作に使えそうな廃材をストックしてあります。
100均に行った時には、
木材、板、草、粘土、そういうのも集めておきます。
彼の、「作りたい」という気持ちを逃さないように。
お風呂上がり、
「パジャマに着替える時間ももったいない!」と言って、
裸でグルーガン片手に作り出したり、
就寝前や出かける間際に作り出したりします。
正直、困ります。
ええ、ものすごく困ります。
でも──
「作りたいときに、作る」
その時のYotaのエネルギーは強く、誰も止めることはできません。
「今」を生きているんだな、と見ていて思います。
ジオラマ

ジオラマを作るようになったのは、
居場所で仲良しのイトくんの影響です。

彼に出会い、はじめてYotaは、誰かを「すごい」と言いました。


作る時は、考えるより、手が動く感じです。
「設計図は頭の中にある」
Yotaがよく言う台詞です。
お買い物ごっこ

なぜだか、突然、兄弟の中でお買い物ブームが到来しました。
果物屋さんです。

Yotaは張り切って、「レジも作る!」と言いました。
しかし、あっという間にブームは過ぎ去り、
レジは未完のまま終わりました。


この未完のレジ、どうしよう。
マイクラのアイロンビーズ

居場所でアイロンビーズブームにどハマりしていた時がありました。
何かに取り憑かれたように、
ずーーーっと作っていました。
迎えに行っても、私の声は届きません。
居場所は、納得のいくまで作らせてくれます。
それは、Yotaのことを理解し、
「作りたい」という気持ちをいつだって大切にしてくれるからです。

マイクラのブロックが大量にあります。

これは、四角い木材に、プリントアウトしたマイクラのブロック(フリー素材)をボンドで貼り付けたものです。
個展では、皆さんに手にとってもらえるコーナーも作りました。
マイクラのコーナーは、子どもたちに大人気でした。


みんな、遊んでくれてありがとう。
iPhone

ダンボールをiPhoneの形に切り、デザインしたものです。
小学1年生頃の作品です。
本当は、ここに展示してある3倍ほどあります。
弟も巻き込んだので、×2です。
ダンボール、切るのを手伝いました。
ひたすら切りました。
指の水分もっていかれて、ガッサガサになりました。

あんなに頑張って切ったiPhoneたち。
子どもたちにも人気でした。
アルミ玉

この、アルミ玉を作るブームが年に2、3回ほどやってきます。
アルミホイルを大量に丸め、ひたすらトンカチでカンカン叩きます。
カンカンカンカン叩き続けます。
何時間もです。
弟も巻き込みます。
2人でカンカンやります。
うるさいです。
そのあとは、紙やすりでひたすら磨きます。
なかなか根気がいる作業です。

触るとひんやりします。

何時間も磨いたアルミ玉。
たくさん触れてもらえました。
可愛い手がいっぱい。
レジン

大人から子どもまで大人気のコーナーでした。
手にとり、光に当てて見ている方が多かったです。
本物の花を詰め込みます。

“詰め込む”と表現したら、
“別の世界に植え替える”だよ!と
注意されました。
表現に厳しい男です。

飛び出ちゃってる。

その他にも、本物の鳥の羽、ティッシュペーパー、風船......
なんだって世界に一つだけの宝石に生まれ変わります。
貝殻

学校に行かなくなり、外に出るのが怖いと言って、
ずっと家で過ごしていましたが、
少しずつ、車だったら外出ができるようになった頃です。
貝殻ブームが到来しました。
貝殻が拾える砂浜を検索し、よく巡っていました。
雨の日に、長靴を履きながら、傘をさし、
由比ヶ浜まで拾いに行ったこともあります。
冬でした。
寒かったです。

ちょっとした事件(『6000円の貝殻事件』)が起きました。
お時間あったら、のぞいてみてください。
じぃじとカニ

個展で、人気作でした。
祖父の家に泊まりに行ったとき、夕飯にカニが出ました。
「この殻捨てないで、作品にするから」
次の日、食べたカニの殻が、
作品へと生まれ変わりました。

「絶対完成するまで見ないでね!」と言って、
3時間くらい部屋に籠り、作りました。
彼は、よく、「見ないで」と言います。
カエルの世界

私の大好きなカエルシリーズです。

急にカエルブームがきました。
いつだって、彼のブームは突然やってきます。


「カエルが足りない。もっと欲しい」
私はカエルのフィギュアを探しました。
でも、どれも結構高いのです。
メルカリを頼りました。
さすが、天下のメルカリ。
いいカエルセットを見つけました。
しかし、
カエルが届いた頃には、彼のカエルブームは過ぎ去り、
結局、今も、私が見つけ出したカエルちゃんたちは使われることなく、
工作グッズの中にしまわれております。
こういうことが結構あります。
舌打ち案件です。

また、カエルブームがやってきますように。
小さい頃の絵

ソファ席のローテーブルには、
Yotaがお絵かき帳に描いた、小さい頃の絵を
ファイルにまとめました。

4歳〜5歳、6歳、7歳〜9歳の3冊です。
4歳〜7歳まで、紙ベースの絵がたくさんあります。
ですが、
8歳からピタッと止まり、数枚しかありません。
──何が、起きたのでしょう。
そうです。
ゲームデビューを果たしました。
iPad解禁です。
あっという間に、デジタルの世界へ行ってしまいました。
私は、アナログ作品が恋しくてさみしがっていたら、
Yotaは不思議そうな顔をして、こう言いました。
「どっちも、創作だけど?」
アナログとか、デジタルとか、線引きしているのは大人の方。
彼らはそんなのどうでもいいのです。
ここに消防車の絵があります。

Yotaが6歳の頃の絵です。
この絵を見たある人が言いました。
「ディテールが細かいものを見ると、
“すごい”という気持ちと、
“ここまで見えてるなら、しんどいだろうな“
と思った」
私は、涙が溢れました。
それまで何度も見てきたYotaの絵なのに、
その言葉をきっかけに、まったく違う絵に見えたのです。
あの頃のYotaの絵が、語りかけてきます。
ああ、Yotaはこの時からずっと、
自分の見ている世界を、一生懸命表現していたんだ。
私は毎日そばにいたのに、
見ているようで、見えていなかった。
あの一言は、
あの頃のYotaを、もう一度見つめ直すきっかけをくれました。
だから、ずっと心に残っています。
パズル

せっかく描いて印刷した蝶の絵を、切り出しました。
ギョッとしましたが、黙って見ていたら、
パズルになっていました。
試しにやってみたのですが、これね、
激ムズなんです。
苦戦している私に、彼がくれた言葉。
「脳トレだね」
アンケートにも、“パズルもっと簡単にしてぇ”と書かれていました。

子どもたち、さすがです。
フグとタコぼうけん

フグくんとタコちゃんは、弟のお気に入りのぬいぐるみです。

弟のために描きました。
14ページあります。

フグくんとタコちゃんが大きな魚に追われ、
逃げるのですが、

いいところで、トゥービーコンティニューでございます。
はい、Yotaくん、飽きました。
このつづきがどうなったかは、弟の想像力におまかせです。
なんでもかいてね

もう1箇所のソファ席には、大小2冊のスケッチブックを用意しました。
このコーナーは大人から子どもまで大人気で、
大きい方には絵が、小さい方にはコメントが。
ぎっしりです。

宝物です。
Yotaも全部見てました。
ありがとうございます。
足あとボード


(※真美さん、お写真お借りしました!)
受付で記名とか、堅苦しくしたくなかったので、
このようにしました。
こちらもぎっしりです。
素敵な作品になりました。
ポストカード

たくさんの方が、Yotaの作品を一緒に連れて帰ってくれました。
「サインちょうだい!」

Yota、人生初サインです。
その後も、絵画教室のおばさまたちに囲まれたり、
購入して頂いたポストカードにサインをお願いされることが多くて、
結構、嬉しそうでした。
個展の裏側へ
これで個展ツアーは終わりです。
最後まで一緒に歩いていただき、ありがとうございました。
作品の前で立ち止まる時間、
会場に流れていたあたたかな空気。
そのほんの一部でも感じていただけたなら
嬉しいです。
この個展では、
会期中に、作品だけでなく、
たくさんの物語も生まれました。
そのお話は、また次の記事で。
出口はこちら。

最後にYotaからの気持ちです。
オーロラの感謝です。
♡special thanks♡
photos by エッセイ!🍓すこやか&夫さま、ひろよちゃんの夫さま、しいもちゃん、真美さん
