初めてのお笑いプロレス
1ヵ月前のお盆休み。
8月10日、僕のLINEにメッセージが届いた。

メッセージの送り主は、以前、僕のYouTube『裏街道チャンネル』でインタビューをさせてもらった、お笑いプロレスでSUGAMOプロレス所属 オカネ・クレチカさんからだった。
ご本人は、セミファイナルでタッグベルトの防衛戦をやるという。
お笑いプロレスは、なんとなく想像できたけど、観たことはなかった。初観戦してみようと思い、SUGAMOプロレスの公式Xで確認。しかし、特等席はすでに完売……ものすごい勢いと人気を感じた。前売り券も残りわずかだったので当日券を買うことに。

翌日は高島平区民館。
電車で高島平駅へ向かっていたが、開始時間からかなり遅れてしまった。完全に時間配分ミスだ。
焦る気持ちを抑え駅に到着したのだが、ふと思うことがある。
それは「区民館でプロレスってできるの?」
多くの人たちは、プロレスと聞けば後楽園ホールや
アリーナをイメージするのではないだろうか。
僕もそうだ。
だから区民館の中にリングが設置されているイメージができなかったのだ。
きっと僕の頭の中では、立派なリングとすり鉢状の観客席を想像していたからに違いない。
高島平駅から歩いて5分。
「本当にこの中でやっているのだろうか」と疑うほどの建物だった。とてもじゃないが、外から見た限りではプロレスをやっているとは思えない。

しかし、SUGAMOと書かれたスケジュール表がある。
ここで間違いなさそうだ。
自分の中ではまだ半信半疑だった。
しかし、1階の扉を開けて区民館に入った瞬間、その疑いは完全に消えた。
近くでも遠くでもないところから歓声が飛んでくる。
悲鳴のような歓声のような。随分と重たくなった体を3階まであげる。階段がきつい。

3階に着くと幟を見つけた。
「本当にここでやっているんだ……」
しどろもどろになりながら受付へ。
受付の方から言われたのは「今、セミファイナルなんですけどいいですか」
すでにセミファイナルが始まっていたのだ。見れる試合はセミファイナルとファイナルのみ。
それよりも今、オカネ・クレチカさんが戦っている。
「はい、大丈夫です」と僕。
「どなたかの知り合いですか」と受付。
「オカネ、クレチカさんです」
まさに今、リング上にいるオカネ・クレチカさんに誘われて見に来たのだ。
受付の方には申し訳ないが「君とやりとりをしている間に試合が終わってしまわないかい……早く中へ、中へ入れてくれ」と心の声が漏れそうになったがグッと抑えた。
目の前にある扉の向こうから、大歓声と笑い声が聞こえる。僕が緊張する必要はないけど、なぜかドキドキしながら扉を開けた。



会場はたくさんのお客さんで埋まっていた。
一直線にリングへ向けられる熱い視線。その先には、お笑いプロレスを真剣に演じて、楽しみ、小さな幸せをお客さんへ届けるSUGAMOがあった。
体を投げ出すアクロバットな技、予想を超える展開から生まれる笑い。それぞれのキャラが際立っていた。
初めて見たお笑いプロレス。
このとき、チケット完売の理由がわかった気がした。
決して満足できるすばらしい環境ではない。
でも、自分たちを見に来てくれるお客さんたちに笑顔になってもらいたい。
リングからは、SUGAMOプロレスの情熱がまっすぐ伝わってきた。




こんなすばらしい選手たちへインタビューできたことは、僕にとってすばらしい経験になったことは間違いない。本当に感謝しかない。
“何かに向かって真剣にがんばっている姿は、人の心を動かす力がある”
僕は今回、SUGAMOプロレス所属の3人をインタビューして、そんなことを学ばせてもらった気がする。
彼らをインタビューしたYouTube動画「裏街道チャンネル」も公開中です。
