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離婚の「慰謝料」とは?不倫・DV・モラハラ・セックスレス、事由別の相場と証拠をやさしく解説 #バックナンバー

【珈琲のオトモのマメ知識 vol.376】

↓ 前回の内容です


↓ 一応、こちらが順番の前回の内容です


なぜだかシリーズ化
離婚についてですね!

今回は、その中でも“慰謝料”
これに注目してみようかと

とは言っても、この慰謝料
別に離婚に限ったものではない

では、慰謝料って何なのか?
参照:https://kotobank.jp/word/%E6%85%B0%E8%AC%9D%E6%96%99-30665

『生命・身体・自由・名誉・貞操などが不法に侵害された場合の、精神的損害に対する損害賠償金』

比較的にわかりやすいかとは思います
印象の通りじゃないですか?

欧州では、16世紀頃から、
慰謝料の概念があったそうで、

19世紀となり、その範囲が、
人格、人権に拡がるに至り、

その概念の範囲が広義になった
ってな感じの起こりとなってます

では、現代の日本ではどうかというと、
これは刑罰とかではないので、

民法での定めとなっており、
民法第710条、711条にて規定されてます

民法第710条 財産以外の損害の賠償
民法第711条 近親者に対する損害の賠償

それぞれ、かんたんに確認すると…


§『慰謝料をかんたんに…』

・民法第710条 財産以外の損害の賠償

『他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない』

要約すると、

『悪い事した人は、損害賠償をして、それ以外にも、慰謝料を払いなさい』
って話です


・民法第711条 近親者に対する損害の賠償

『他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない』

要約すると、

『他人の命を脅かした人は、その被害者の近親者の財産に影響がなくとも、慰謝料を払いなさい』
って話です

離婚において関係あるのは、
前者ってことになりますね

別に命のやり取りをしているわじゃないので、
それほどのケースもあるかもしれませんが…

いずれにせよ、離婚においては、

相手に不法行為があった

他方が精神的に苦しんだ

その回復のために慰謝料を

という流れとなります
つまり、相手の“不法行為”が必須

これについては、コレ!
というものがないんですよね

ケースバイケースってやつで、
コレだから、必ず認められます

ってのは存在しないというのが前提
ただ、これら事由は認められますよ!

ってのはあるので、
それらを確認していきましょう

・不倫(不貞行為)
・DV(モラハラ)
・セックスレス、性の不一致
・悪意の遺棄(マメトモ #374参照)
・その他婚姻継続困難な重大事由(マメトモ #374参照)

ざっくりですが、こんなところです
他にもあるでしょうが、キリがないので…

#374で確認したものについては、
前回の記事を参照するとして、

他のものついては、
確認してみましょう


§『他のケース1:不倫(不貞行為)』

不貞行為の定義は、法律ではなく、
判例による判例法によって定義されており、

『不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わない』
(最高裁第1小法廷 昭和48(オ)318)

小法廷ですが、最高裁の判例です
ここでは“自由な意思”を強調してますね

つまりは『自ら進んで』ってことです
例えば、強姦事件に巻き込まれた

この場合、自由な意思はあり得ないので、
不貞行為は成立しません

ただし、その逆の立場、強姦した側ですね
これは、不貞行為になります

婚姻関係があればの話ですがね
それが文末の“~問わない”ってやつのことです

さらに“性的関係”の方ですが、
これは広くもなく、狭くもないという印象

性交渉から口腔性交まで様々、
いわゆる肉体関係があるか、ないか?

当然、それでは認められないよ
ってこともあります

具体的に…

・食事やデート
・キスや手を繋ぐ
・SNSやメール

これらの程度では、充足しません
おそらく、欧州では挨拶だと言われます…

ただし、形式上婚姻関係が破綻している場合
長期別居をしているときなどですかね

この場合に、上記行為をしたとしても、
不貞行為とは認められないので注意です

では、それをどう証明するのか?
当然、根拠が必要となりますからね

具体例としては…

・写真や動画
・肉体関係を伺わせるやり取り
・音声の録音
・手紙、メモ、日記
・相手からの手紙、プレゼント
・第三者からの証言
・クレジットカードの利用明細
・宿泊ホテルの領収証
・探偵の調査報告書

これらから肉体関係が推認でいたらいいです
例えば、ラブホテルにしばらく滞在した

これは社会的にも肉体関係が推認できます
ただ、一度の不貞行為で離婚というのは、

多くはないようです
ある程度、継続性が必要とされる傾向です

ただし、その一度の不貞行為によって
『その他婚姻継続困難な重大事由』

これらに該当した場合であれば、
離婚の可能性は十分にあります

併せて、風俗も当然、不貞行為に該当します
ですが、これを理由に離婚も難しく、

何度止めても風俗通いを止めない
などの場合は『その他婚姻継続困難な重大事由』

これに該当することとなれば、
離婚の可能性が出てきます

慰謝料に影響する要素としては…

・不倫相手との年齢差
 ⇒ 大きいほど増額します
・不倫の主導権
 ⇒ 当然、主導側の方が重いです
・婚姻期間の長さ
 ⇒ 長いほど精神的が大きいため重いです
・婚姻生活の状況
 ⇒ 円満であったほど重いです
・不倫相手の婚姻の認識
 ⇒ 認識があれば、当然、重いです
・不貞行為の期間、回数
 ⇒ 長ければ、多ければ、重いです
・子供の有無
 ⇒ あれば、子にも影響あるので重いです
・約束の反故
 ⇒ 約束を反故にすれば、当然、重いです
・子供への影響
 ⇒ 成長への悪影響があれば、重いです
・浮気相手の社会的地位
 ⇒ 高収入等の場合、これも重いです


§『他のケース2:DV(モラハラ)』

これは、DVとモラハラで、
少々、事情が変わります

DVであると、離婚の事由しては、
もう十分過ぎる内容だと認識できるでしょう

具体例としては…

・平手で打つ
・足で蹴る
・物で殴る
・拳で殴る
・凶器で身体に傷を付ける
・髪を引っ張る
・首を絞める
・腕を捩じる
・引きずり回す
・物を投げ付ける

一方、モラハラであったとしても、
離婚の事由として相当な理由となります

具体例としては…

・生活費を渡さない、金銭的支配
・暴言を吐く、怒鳴る
・無視をする
・公然で馬鹿にする
・極端に嫉妬、束縛する
・子に悪口を吹き込む
・自らの非を認めない
・家事をしない
・収入にケチを付ける
・家庭で孤立させる
・親族に対して冷たく当たる

さて、問題はその証拠ですね
証拠の具体的なものとしては…

・現場の録音、録画
・日記やメモ
・メールやSNS
・病院の診断書
・改善請求の書面、メール
・第三者の証言
・警察等への相談履歴

実際の裁判例を紹介すると…

夫が酒、女に浪費、同時に毎日DV
頭髪を引っ張る
拳で殴打、足で蹴る
下駄で頭部を殴打
包丁で手を切りつける
斧、スコップで追いかけ回す
などの事柄から500万円の慰謝料
併せて、1,000万円の土地建物の財産分与
(大阪家裁 昭和50年1月31日)

夫の度重なる暴力により
右鎖骨骨折
腰椎間板ヘルニア
運動障害の後遺症
慰謝料350万のほかに、
入院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益として
合計、1,714万円の損害賠償
(大阪高裁 平成12年3月8日)

相手の不貞を疑い、厳しく問い詰め
所持品検査、行動監視、詮索
これらにより婚姻が破綻
慰謝料200万円が認められた
(大阪高裁 平成28年7月21日)


§『他のケース3:セックスレス、性の不一致』

一応、セックスレスには定義があります
日本性科学会がその定義をしております

「病気など特別な事情がないのに、1ヶ月以上性交渉がないカップル」

だそうですが、日本ではほとんどが該当
故に、男性の前立腺がんが罹患率No.1

と、これは生物学的な観点からの話
離婚におけるセックスレスとは違います

実は、日本において婚姻に伴い義務が生じます
それを規定するのは、民法第752条(同居、協力及び扶助の義務)

夫婦は協力しなといけないですよ
って内容なのですが、反対に

法770条にて『不貞行為』があるわけで、
そこから誘導的に発想される義務が、

『貞操義務』というものです
互いに不貞行為をしてはいけませんって義務です

そうなると、結婚すると、
配偶者以外と性交渉が必然的にできなくなります

にもかかわらず、それを配偶者から拒まれたら?
『その他婚姻継続困難な重大事由』これですよね?

期間的なものは、目安にしかなりませんが、
約1年と言われてます、それ以下でも認められことはあります

では、離婚事由の具体例は…

・どちらかが一方的に拒絶する
・不貞行為によるもの
・互いに愛情がなくなっている
・子供を望んでも性交渉を拒む
・婚姻前からEDであった

当然、離婚事由として充足しないこと
これらも、確認すると…

・自然となくなった
・理由が自らにある
・セックスレスだが愛情はある
・お互いに同意がある
・高齢になっている
・単身赴任等、物理的に不可能
・仕事等で性交渉の余裕がない
・病気等が原因になっている

慰謝料も発生する場合もあります
それが高くなる事由としては…

・セックスレスの期間が長い
・拒絶の態度が酷い
・婚姻後、一度もない
・不貞行為が原因
・拒絶された側が初婚
・性交渉への努力の怠慢
・婚姻期間が長い
・年齢が高い
・未成年の子供が多い
・相手の年収が高い、社会的地位が高い

ただ、これ、認められずらいのも現状
さらに、ハードルを高くしているのものが、

証拠となるもの集めずらい
証拠になるものとしては…

・拒絶された音声記録
・詳細を記載した日記、メモ
・拒絶されたメール、SNS
・相談した友人の証言
・相手の親とやり取りした手紙
・セックスレスの期間がわかるもの
・生活時間帯がわかる表 など

この内容だと、日本では秘匿するのが文化
これらのものを用意するのも、

それに伴って困難になってきます
それこそ計画性が必要となるでしょう


§『番外編』

番外編として、離婚を認められた事例
これは少し、ご紹介します

・姑との不仲

姑からの再三の罵詈雑言
やることすべて非難する
夫は咎めるところか同調
妻が実家へ避難
慰謝料200万円が認められた
(名古屋地裁 昭和53年5月26日)


・過度の借金、浪費

夫がゴルフ、クラブ、バー等
年間500~600万円を浪費
不貞行為も重ね
慰謝料600万円が認められた
(神戸地裁 平成2年6月19日)


色々と確認してみましたが、
慰謝料については、

金額の多寡など様々ですよね
ただ、精神的な回復が起因となるわけですが、

離婚において言えば、その後の生活のため
ってのも、現実問題あると思います

離婚をするにせよ、その後の生活
これを検討から外してはいけません

そのためにも、現状を分析し、
対策を練って計画的に望まないといけないですね


📌 慰謝料について

慰謝料は「これがあれば必ずいくら取れる」
という決まった相場があるものではなく、

事情・証拠・婚姻期間などによって金額が大きく変わる、
個別性の高いもの
です

本記事で紹介した裁判例や増額要素は、
あくまで判断の目安・参考としてご覧ください

実際に請求できるか・いくらが妥当かは、
証拠の内容によっても変わります

ご自身のケースでは、
弁護士など専門家に相談することを強くおすすめします

  • 弁護士費用が不安な方は、民事法律扶助(法テラス)もご検討ください(→ vol.384)

DV・モラハラでお困りの方の相談窓口は vol.389 にまとめています

具体的な進め方は、専門家にご確認くださいねʕ •ᴥ•ʔ


ここまでお読みいただき、
ありがとうございましたʕ •ᴥ•ʔ

この記事は「珈琲のオトモのマメ知識」
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