施策|人事施策を増やしても、組織が良くなるとは限らない
施策
施策が増えている会社ほど、組織が良くなっているとは限らない。
サーベイを取る。
1on1を始める。
評価制度を見直す。
管理職研修を入れる。
社内イベントを増やす。
やっていることは増えている。
でも、現場は変わらない。
会議の空気は重いまま。
管理職は疲弊したまま。
社員の発言は増えない。
若手は受け身に見える。
部署間の連携は悪い。
評価への不満も消えない。
方針が出ても、実行の熱が上がらない。
この状態で、経営や人事はさらに施策を足そうとする。
「1on1の質を上げよう」
「研修を入れよう」
「エンゲージメント向上施策が必要だ」
もちろん、施策は必要です。
でも、施策を増やすことと、組織を良くすることは違います。
人事施策は、増やすものではない。
組織の詰まりから逆算して選ぶものです。
前回は、MVVは唱和しても浸透しないと書きました。
前回の記事はこちら
全社会で話す。
社内資料に載せる。
ワークショップを開く。
バリューカードを作る。
それでも、日々の判断に使われなければ、MVVは現場に入りません。
大事なのは、発信ではなく運用でした。
今回は、その延長で人事施策について書きます。
テーマは、施策です。
施策があるのに、組織が変わらない会社
私はこれまで、人事施策が少ない会社だけでなく、施策が多いのに組織が変わらない会社も見てきました。
むしろ、施策はそれなりに揃っている。
サーベイは取っている。
1on1もやっている。
評価制度もある。
研修も実施している。
採用広報も整えている。
オンボーディング資料もある。
一見すると、人事はかなり頑張っているように見えます。
でも、現場に入ると違和感がある。
サーベイを取っても、結果が次の行動につながっていない。
1on1をしても、雑談や進捗確認で終わっている。
評価制度はあるのに、何を期待されているかが伝わっていない。
研修を受けても、管理職の現場での動きが変わらない。
社内イベントを増やしても、部署間の連携は良くならない。
施策はある。
でも、組織の詰まりに効いていない。
施策が悪いわけではありません。
問題は、何を解くための施策なのかが曖昧なことです。
人事施策は、雰囲気を良くするためだけのものではない
人事施策というと、どうしても
「働きやすさ」や「満足度向上」
の話に見えやすい。
社員が働きやすい環境を作る。
不満を減らす。
コミュニケーションを増やす。
離職を防ぐ。
組織の雰囲気を良くする。
もちろん、それも大事です。
働きにくい会社で、人は力を出し続けられません。
不満が放置された組織は、どこかで壊れます。
安心して働ける環境は必要です。
ただ、人事施策の役割はそれだけではありません。
経営の文脈で見るなら、人事施策はもっと実務的なものです。
人事施策とは、組織が成果に向かって動ける状態を作るための仕組み
会社の方向性を現場に伝える。
役割と期待を明確にする。
管理職がメンバーを動かせるようにする。
評価を通じて、何を大事にするかを伝える。
育成を通じて、次の役割を担える人を増やす。
サーベイで、組織の歪みを見つける。
1on1で、仕事と成長を接続する。
つまり、
人事施策は「いい会社っぽくするため」にあるのではありません。
組織の詰まりを解くためにあります。
ここを見間違えると、施策は増えます。
でも、会社は前に進みません。
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施策を増やす前に、詰まりを見なければいけない
組織がうまく動いていないとき、すぐに施策へ飛びつきたくなります。
発言が少ないから、ワークショップをやる。
離職が増えたから、サーベイを取る。
管理職が弱いから、研修を入れる。
若手が育たないから、1on1を増やす。
理念が浸透しないから、社内発信を強化する。
それ自体が間違っているわけではありません。
ただ、施策の前に見るべきものがあります。
どこで詰まっているのか。
方向性が伝わっていないのか。
役割が曖昧なのか。
評価に納得感がないのか。
管理職が翻訳できていないのか。
成長の道筋が見えていないのか。
部署間で優先順位がズレているのか。
現場が声を出しても変わらないと思っているのか。
ここを見ないまま施策を入れると、打ち手がズレます。
方向性が伝わっていない会社に、イベントを増やしても変わりません。
役割が曖昧な会社に、1on1だけ増やしても解決しません。
評価への不信が強い会社に、表彰制度を足しても逆効果になることがあります。
管理職が疲弊している会社に、研修だけ入れても現場は回りません。
施策には、それぞれ解くべき課題があります。
でも、課題を見誤ると、施策は空回りします。
人事施策は、何をやるかより先に、何を解くかを決めなければいけません。
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施策が多い会社ほど、目的がぼやけることがある
施策が多い会社では、現場が混乱することがあります。
サーベイに答える。
1on1を受ける。
研修に出る。
評価面談を受ける。
社内イベントに参加する。
新しい制度の説明を聞く。
ワークショップに参加する。
一つひとつは悪くない。
でも、現場から見ると、全部がバラバラに見えることがあります。
このサーベイは何のためなのか。
1on1で何を話せばいいのか。
研修を受けたあと、何を変えればいいのか。
評価制度は何を見ているのか。
表彰制度は、会社の何を伝えたいのか。
社内イベントは、どの課題に効かせたいのか。
ここが曖昧だと、施策は「追加業務」になります。
人事は良かれと思って設計している。
経営も必要だと思っている。
でも、現場には目的が伝わっていない。
施策が増えるほど、現場の負担感だけが増える。
これは、施策の数の問題ではありません。
施策同士が、同じ目的に向かってつながっていないことが問題です。
サーベイで拾った課題が、1on1や管理職支援につながっているか。
MVVで大事にすると言っている行動が、評価に反映されているか。
評価で見えてきた課題が、育成や配置に接続されているか。
オンボーディングで伝えた期待が、入社後のマネジメントに引き継がれているか。
ここがつながっていないと、施策は点で散らばります。
点で散らばった施策は、現場を変えません。
問題は、施策不足ではなく設計不足である
こういう状態になると、会社はさらに施策を追加しようとします。
もちろん、本当に不足している施策もあります。
何も見ていない会社なら、サーベイは必要です。
対話がない会社なら、1on1は必要です。
評価が曖昧な会社なら、制度の見直しは必要です。
管理職が孤立している会社なら、支援は必要です。
ただ、多くの場合、問題は施策の不足だけではありません。
設計の不足です。
誰の、どの課題を解くのか。
どのタイミングで実施するのか。
誰が運用するのか。
現場にどう意味を伝えるのか。
実施後に何を変えるのか。
何をもって効いたと判断するのか。
他の施策とどう接続するのか。
ここが曖昧なまま施策を入れると、形だけが残ります。
サーベイは取る。
でも、打ち手が出ない。
1on1はやる。
でも、次の行動が決まらない。
研修は受ける。
でも、現場で使われない。
評価制度はある。
でも、何が期待されているかは伝わらない。
人事施策は、導入しただけでは効きません。
運用され、接続され、現場の行動が変わって初めて意味があります。
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人事だけで施策を抱えると、現場では定着しない
人事施策が空回りする会社では、人事だけが頑張っていることがあります。
人事が企画する。
人事が説明する。
人事がリマインドする。
人事が回収する。
人事が改善案を出す。
もちろん、人事の役割は大きい。
でも、人事だけで組織は変えられません。
現場で施策を使うのは、管理職です。
日々の仕事に落とすのは、事業側です。
メンバーの行動を変えるのは、直属の上司との対話です。
評価や育成に意味を持たせるのは、現場での運用です。
人事が制度を作っても、管理職が使えなければ定着しません。
人事がサーベイを取っても、現場で結果が扱われなければ信頼を失います。
人事が1on1を推進しても、上司が目的を理解していなければ形骸化します。
人事がMVVを発信しても、事業の判断に入らなければ飾りになります。
人事施策を効かせるには、人事だけで完結させないことです。
施策は、制度ではなく運用です。
資料ではなく、現場の行動です。
導入ではなく、継続して使われることです。
ここを間違えると、施策はあるのに組織は変わりません。
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まず、この問いを置いてほしい
人事施策を考えるとき、いきなり「何をやるか」から入らない方がいい。
今の組織で、どこが一番詰まっているのか。
これを見た方がいい。
会社の方向性が伝わっていないのか。
現場の声が上がってこないのか。
管理職が翻訳できていないのか。
評価に納得感がないのか。
若手が育たないのか。
部署間で連携が悪いのか。
入社後に期待値がズレているのか。
MVVが判断に使われていないのか。
詰まりが違えば、打ち手も変わります。
人事施策を見るとは、施策一覧を増やすことではありません。
組織の詰まりに対して、どの施策を当てるかを決めることです。
ここを外すと、施策は増えます。
でも、組織は変わりません。
この記事で残したいことは、ひとつ
人事施策は、増やせば効くものではありません。
組織のどこが詰まっているのかを見て、そこから逆算して設計するものです。
施策があるかどうかでは足りない。
制度を導入したかどうかでも足りない。
現場の行動が変わって初めて、人事施策は機能します。
会社が壊れた後に、どう打ち手を作ったのか。
その話はこちらに書きました。
『死ななかったから、打ち手は作れた』
このシリーズでは、エンゲージメント、MVV、人事施策について、組織が弱る構造から順番に書いていきます。
続きも届くように、スキ・フォローしてもらえると嬉しいです。
次回は、エンゲージメントサーベイについて書きます。
数字は取っている。
結果も見ている。
でも、組織は変わらない。
サーベイ|数字を取って満足している会社は、現場の本音を拾えていない
