育児で一番大変なのは、「中断」かもしれない。
「パパ、こっち来て!」
食器を洗っている途中だった。
シンクには泡のついたお皿が並んでいる。
あと少し。
本当にあと少しで終わる。
「ちょっと待って。」
そう返すと、
「もういい。」
少し拗ねた声が返ってきた。
泡のついた手を見つめながら、一瞬だけ動けなくなる。
あと30秒。
その30秒だけ待ってくれたら終わる。
そう思った。
でも、その30秒は、大人の時間なんだ。
3歳の娘には、長すぎる。
⸻
仕事では、一つのことを最後までやり切る力が評価される。
人事の仕事をしていると、学生にもよく聞く。
「最後までやり切った経験はありますか?」
目標に向かって努力した話。
途中で投げ出さなかった話。
そんな経験に価値があると思ってきた。
でも家に帰ると、その”最後まで”がほとんどない。
食器洗いは途中。
洗濯物も途中。
夕飯作りも途中。
何か始めるたびに、
「パパ、見て!」
「一緒に遊ぼ!」
と呼ばれる。
仕事では集中できることが強みになる。
でも育児では、中断されることが前提だ。
予定通りに進まない。
思い通りにも終わらない。
20分で作れるはずの夕飯が、40分かかる日もある。
⸻
正直、イライラする日もある。
「あと少しなのに。」
「なんで今なんだろう。」
そう思ってしまう自分がいる。
でも娘には悪気なんてない。
ただ、一緒にいてほしいだけなんだ。
だから今日も、
「パパ、こっち来て!」
と呼ばれる。
きっと私は、
「ちょっと待って。」
と返す。
そして少しだけ後悔する。
そんな毎日の繰り返しだ。
最近、気づいたことがある。
仕事では、「最後までやり切る力」が評価される。
でも育児では、「何度止まりながら向き合えたか」の方が大切なのかもしれない。
今日は、何回「ちょっと待って」と言いましたか。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このnoteでは、シングルファザーとしての子育てや、人事の仕事を通して感じたことを、一つひとつ言葉にしています。
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