見出し画像

採用も育児も、「選ばせること」が仕事なんだと思う。

娘が寝たあと、仕事のことを思い返していた。

今日も何人かの学生と話をした。

会社の魅力だけじゃない。

今抱えている課題や、入社後に大変かもしれないことも、できるだけ正直に伝えた。

最後に私は、いつも同じことを言う。

「最後は、自分で決めてください。」

もちろん、入社してくれたら嬉しい。

でも、それ以上に、納得して選んでもらいたいと思っている。

採用は、「採る仕事」だと思われることが多い。

だけど私にとっては、少し違う。

会社へ導くことよりも、その人が自分で納得して選べる状態をつくること。

それが、この仕事で一番大切な役割なんじゃないかと思っている。



その日の夜。

娘はおもちゃ箱の前にしゃがみ込み、積み木を手に取った。

少し遊んだと思えば、今度はクレヨン。

紙いっぱいに線を描いたかと思えば、「これ読む」と絵本を持ってくる。

興味があちこちへ飛んでいく。

そのたびに目を輝かせながら、

「これやってみたい!」

と笑う。

その姿を見ていたら、仕事で考えていたことが頭に浮かんだ。

「あれ、仕事で大切にしていることを、私は家でも大切にしたいと思っているのかもしれない。」



親になる前は、育児は「育てること」だと思っていた。

正しいことを教えて。

失敗しないように導いて。

できるだけ良い人生を歩めるようにすること。

でも今は、少し考えが変わった。

もちろん、危ないことは止める。

命に関わることは教えなければいけない。

それでも、失敗しないように正解だけを教えることが、本当にその子のためなのかと思うようになった。

転んだからこそ気づくこともある。

遠回りしたからこそ見える景色もある。

そんな経験も、その子の世界を広げてくれるのかもしれない。

親が人生を決めてあげられる時間なんて、本当に短い。

何を好きになるのか。

どんな友達と出会うのか。

どんな仕事を選ぶのか。

その答えは、私には決められない。



だから最近は、「これが正解だよ」と教えることよりも、いろいろな世界を見せてあげたいと思うようになった。

公園へ行く日もある。

水族館へ行く日もある。

飛行機に乗って旅行へ行くこともある。

家で一緒に料理をする日もある。

その経験が将来何につながるのかは分からない。

もしかしたら、何にもつながらないことだってある。

それでも、いろいろな景色を見て、いろいろな人と出会い、「こんな世界もあるんだ」と知ることは、きっと無駄にはならない。

経験が増えれば、自分で選べる道も増えていく。

採用も、育児も。

本当にやっていることは、案外同じなのかもしれない。



会社を無理に選ばせても、その人の幸せにはならない。

親が人生を決めても、その子の人生にはならない。

最後に選ぶのは、本人だから。

今日も学生には、

「最後は、自分で決めてください。」

と伝えた。

家に帰ると、娘はまた目を輝かせながら、

「これやってみたい!」

と笑っていた。

どちらも、自分で選ぶための一歩なんだと思う。

私にできるのは、娘の人生を決めることじゃない。

娘が自分の人生を自分で選べるように。

そのときに選べる景色を、少しだけ増やしてあげること。

採用の仕事をしながら、一番そのことを教えてもらっているのは、案外、家なのかもしれない。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

このnoteでは、シングルファザーとしての子育てや、人事の仕事を通して感じたことを、一つひとつ言葉にしています。

「また読んでみよう」と思っていただけたら、フォローしていただけると嬉しいです。

▼関連記事

いいなと思ったら応援しよう!