人の強みは見つけられるのに、自分のことになると難しい。
面接では、学生の話をよく聞く。
「その経験、いいですね」
「それって強みですよね」
そんなふうに、言葉が自然に出る。
本人がまだ気づいていない部分を、少しだけすくい上げる仕事だと思っている。
でも、それは簡単なことではない。
面接でうまく話せない学生を見ると、緊張しているのか、それとも自分の言葉をまだ探している途中なのか、すぐには決めつけないようにしている。
一つの場面だけで人を判断しない。
話の奥にある、その人らしさを探そうとする。
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でも、自分のことになると途端に難しくなる。
仕事を終えて帰り、娘と過ごす。
一緒に笑って、ご飯を食べて、お風呂に入って。
何気ない時間は、ちゃんとある。
なのに夜になると、頭の中だけ静かに忙しくなる。
「もう少し遊べたかもしれない。」
「さっき、少し急がせたかもしれない。」
思い出すのは、うまくいかなかった場面ばかりだ。
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娘は楽しそうだった。
「パパ、もう一回!」
そう言って笑う娘に、
「あと5分だけね。」
そう返した自分がいる。
その5分が短かったのか、長かったのかは、もうわからない。
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寝かしつけの時間は、いつも少しだけ長い。
21時に布団へ入っても、22時半まで眠らないこともある。
仕事の疲れもある。
家事もまだ終わっていない。
そんな日に限って、
「早く寝なさい。」
と言ってしまうことがある。
娘は何も言わず、私の胸に顔をうずめる。
小さな体の重みを感じながら、
「こうやって寝てくれる時間も、きっと今だけなんだろうな。」
と、眠ったあとになって思う。
その瞬間には気づけないのに。
終わってから、ようやく気づく。
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静かな夜。
一日を振り返る。
もっと優しくできたんじゃないか。
もっと笑えたんじゃないか。
そんなことばかり考えてしまう。
でも、ふと思う。
減点しているのは、自分だけかもしれない。
娘にとっては、一緒に笑って、ご飯を食べて、胸の上で眠った一日だったのかもしれない。
本当のところは分からない。
それでも、私ほど厳しく今日を採点してはいない気がする。
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学生には、
「あなたには、こんな強みがありますよ。」
と伝えられる。
でも、父親になった私は、自分にだけ同じ言葉をかけられない。
人の強みは見つけられるのに、自分の強みだけは、なかなか見つけられない。
明日になれば、また反省するかもしれない。
「早く寝なさい。」と言ってしまう日も、きっとある。
それでも、学生の強みを探すように、自分のことも少しだけ丁寧に見られる日が来たら。
父親としての毎日は、今より少しだけ違って見えるのかもしれない。
あなたは、自分の強みをちゃんと見つけられていますか。
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