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なぜ42歳の新山千春は海外発マッチングアプリで結婚できたのか? 「他人軸」の数値化から脱却する婚活戦略

海外発アプリがアラフォー女性に有利な理由

先日投稿した記事「42歳でアプリ婚した私と新山千春が示す、海外発マッチングアプリという新潮流」のビュー数が、想定以上に伸びている。

Google検索で「新山千春 マッチングアプリ」というワードで1位を取れたことが、大きな要因だろう。

新山千春さんは、42歳で年下男性と、海外発のマッチングアプリを通じて結婚した。そして私自身、奇しくも同じく42歳で、海外発アプリを通じて結婚に至っている。この記事は、その共通の経歴をフックに、海外発アプリが持つ優位性について考察したものだ。

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海外発マッチングアプリがアラフォー女性に向いている理由は、大きく分けて2つある。一つは、前回の記事でも触れた通り、年齢や年収といったスペックの多様性を寛容に受け入れる土壌がある点。

そしてもう一つは、多くの国内向けアプリと異なり、「いいね数が可視化されない」設計にある。

本記事では、この「いいね数の可視化=他人軸」という構造が、なぜ日本の婚活をこれほどまでに苦しくさせているのか。その心理的メカニズムと弊害について整理していきたい。

マチアプの二つのルーツ:海外デーティング文化と日本の出会い系文化

マッチングアプリの歴史を振り返ると、実は二つの異なる源流が存在する。

一つは、海外をルーツとする「デーティング文化」だ。

1990年代にアメリカで『Match.com』が誕生して以来、オンラインでの出会いは一つの文化として定着してきた。早い段階でプラットフォームの健全化が進み、やがて『Tinder』や『Bumble』といった次世代アプリへと発展を遂げる。

これらのアプリの多くは獲得した「いいねの総数」を表示しない仕様を基本としており、他人の評価ではなく「自分が会いたいか」という主観を基準にする思想が貫かれている

一方、日本のルーツは「出会い系サイト」だ。
ガラケー全盛期に流行した匿名性の高い出会い系は、犯罪やサクラの温床となり、長らくネガティブなイメージが付きまとった。その後、法整備や本人確認・監視体制の強化を経て、現在の安全なマッチングアプリへと進化を遂げた経緯がある。

興味深いのは、かつての出会い系には「いいね数」という概念は存在せず、直接的なメールのやりとりが主流だった点だ。しかし2000年代に入り、mixiの「足あと」やFacebookの「いいね!」といったSNS文化が浸透すると、婚活にも「人気度を数値で可視化する」という発想が取り込まれた。その結果、多くの日本版アプリにおいて、数値評価がシステムの根幹に定着していったのである。

つまり、現在のマッチングアプリ市場は、以下の二つの流れが融合して形成されたものだと言える。

  • 海外発: 「自分軸で選ぶ」デーティング文化の進化

  • 日本発: 「出会い系の健全化」に「SNS的な人気度の数値化」を掛け合わせた進化

「いいね数の可視化」というビジネス戦略

日本のマッチングアプリの多くは、プロフィール画面に「いいねの総数」が表示される仕様を採用している。さらに、「誰が自分にいいねしたか」を確認できる機能は、男性に対しては有料会員限定で提供されることが多く、これが課金への強力な動機づけとなっている。

一方で、女性は本人確認を済ませれば無料で「いいね数」を確認できる仕様が一般的だ。

この非対称な仕組みは、男女の心理的・行動的差異を突いた、事業者側の明確なビジネス戦略に他ならない。「女性を客寄せパンダとして無料で集客しつつ、男性には“見えない情報”を課金で開放させる」というモデルで、収益構造を最適化しているのだ。

その結果として定着した「いいね数の可視化」は、婚活者の利便性のためというよりも、むしろ事業者の収益確保を優先した仕様として機能している側面が強い。

「自分軸」を貫く海外アプリの思想

対照的に、海外の主要なマッチングアプリでは、プロフィールに「いいねの総数」が表示されることはまずない。無料会員でも相手にアプローチは可能だが、誰が自分にいいねを送ったかを知ることができるのは、互いに意思が合致した「マッチング成立時」のみである。

もちろん、有料プランに加入すれば「自分を評価した相手」を一覧で確認できる機能は解放される。しかし、それでも「人気度ランキング」のような形で数値が誇示されることはない

この徹底した仕様は、他者からの評価(人気度)ではなく、あくまで個人の「相性や直感」に基づいて相手を選ぶという、自分軸を前提とした思想に根ざしている。

▼国際婚活を検討している人はこちらも参考に。「外国人と出会えるマッチングアプリ、本当に結婚できる? 国際婚活のリアルと対応策」

男女どちらも苦しむ“いいね数の副作用”

しかし現実には、その「数字の多さ」が逆効果として作用する場面も少なくない。

noteでペアーズ体験を綴っている30代男性のやましたさんは、累計154いいねを獲得し、男性全体の上位0.8%に食い込んだ人気会員だった。しかし彼は、「いいね数が増えても、自分が送ったいいねのマッチング率は変わらなかった」と分析している。

むしろ女性側からすれば、いいねの多すぎる男性は「競争率が高そうで気が引ける」「アプリ慣れしていそうで警戒してしまう」といった、ネガティブな印象を与える要因にもなり得るという。

私自身も同様の経験がある。
かつて『ペアーズ』を利用していた頃、いいね数が増えてもマッチング率が向上したという実感はなかった。それどころか、やりとりを始めた男性から「サクラではないですよね? あまりにいいねが多いので」と疑念を抱かれたことすらある。

数値が高いことが、かえって信頼を削いでしまうという皮肉な構造が、そこには確かに存在していた。

「見かけ上の人気」という虚飾が、結婚につながる真の出会いを遠ざけているケースは、決して少なくないのだ。

▼いいね数が多い男性も女性も、モテているとは限らない。モテの幻想を考察した記事はこちら。

日本人は「いいね非表示」の方が合っている

日本人は、良くも悪くも他人からの評価を過敏に気にする国民性を持つ。それゆえ、自分のいいね数が少なければ「自分には価値がない」と過度に落ち込み、逆に相手の数値が多すぎれば「怪しい」「遊びかも」と不信感を抱く。

結果として、婚活の本質とは無関係な感情にエネルギーを削られ、活動自体がストレスフルなものになりやすいのだ。

私が『Match.com』で現在の夫と出会えたのは、いいね数が非表示だったからだと確信している。余計な「人気度」というノイズが排除されていたからこそ、最後まで「この人と会ってみたいか」という自分軸を保ち続けることができた。

人気度を数値化する仕組みは、往々にして「自分がどう感じるか」よりも「周囲からどれだけ選ばれているか」という他人軸の評価を優先させてしまう。

だが、婚活において真に重要なのは、第三者の評価ではなく、当事者同士の「相性の良さ」や「価値観の一致」に他ならない。

海外型の「いいね非表示」という仕様にこそ、現代の婚活を健全に進めるための重要なヒントが隠されている。より本質的な出会いを促進するためにも、日本発のマッチングアプリにおいて、この仕様が新たなスタンダードとして普及していくことを切に願っている。

※記事の模倣・無断転載・無断引用は固く禁じます。
※この記事は2026年1月13日に執筆・公開したものです。

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