「マジで誰?」きのころチャレンジ
きのころさんが考えた書き出しに続きを書く。
きのころチャレンジです。
朝、目が覚めると、
隣で知らない女が電話をしていた。
私のスマホで。
私の声で。
叫んでも声は出なかった。
鏡の中の私は眠っている。
女が一瞬だけ私に顔を向けた。
そして、私の声で電話の相手に告げる。
「起きました」
「ええ……ええ……はい。……わかりました。では」
女はスマホを置くと、こちらへ歩いてきた。
ゆっくり身をかがめる。
顔が近い。
息が、私の頬に触れる距離だ。
その顔は、泣いているようにも、
笑っているようにも見えた。
そっと指先が、私の頬をなぞった。
「かわいそうな子」
「…………っ!」
私は叫ぼうとする。
けれど喉が鉛のように重い。
女は、私の耳元で囁く。
「いいわ。喋らせてあげる」
その瞬間、喉の奥が――ふっと軽くなった。
(喋れる……!)
私は息を吸い込む。
「欲しいものを言いなさい。
最後に、あなたの願いをひとつだけ叶えてあげる」
女が言った。
私は即答する。
「じゃあ……願いを100個叶えてください!」
「……は?」
女は、泣いているような顔のまま、
ゆっくり首を傾げた。
「“ひとつだけ”って言ったでしょ?」
「だから。
たったひとつの願いが、
“願いを100個叶えてください”です」
「何そのチート!?
無人島にひとつだけ持っていけるとしたら?って聞かれて、
ドラえもんの四次元ポケットって答える“あるある”のやつ!
ダメに決まってんでしょ!」
「じゃあ、まずひとつめ。
私を北川景子にしてください!」
「人の話聞けよ!!
そんで北川景子は“強すぎ”でしょーが!!」
「え、でも北川景子は1(人)でしょ?」
「違う!
北川景子は、“1”にカウントされません!
顔、骨格、肌、髪、スタイル、品、育ち、キャラ、DAIGO!
北川景子に付随する全ての説得力!
北川景子だけで100超えるわ!!」
「じゃあ、
①顔を北川景子にしてください
②骨格を北川景子にしてください
③肌を北川景子にしてください
④髪を北川景子にしてください
⑤身長を北川景子にしてください
⑥体重を北川景子にしてください」
「る…ルッキズムの申し子…!」
「⑦体脂肪率を北川景子にしてください
⑧BMIを北川景子にしてください
⑨ウエストを北川景子にしてください
⑩ヒップを北川景子にしてください
⑪太もも周りを北川景子にしてください
⑫二の腕周りを北川景子にしてください
⑬首回りを北川景子にしてください
⑭肩幅を北川景子にしてください
⑮肩甲骨まわりを北川景子にしてください
⑯基礎代謝を北川景子にしてください
⑰内臓脂肪を北川景子にしてください」
「ちょ、ちょ、ストップ!
怖い!
この子、何ひとつ取りこぼすことなく、根こそぎいこうとしている…!」
「⑱視力回復
⑲花粉症完治
⑳虫歯ナシ
㉑車酔いナシ
㉒ホルモンバランス整えて
㉓足の小指の爪割れないようにして」
「……からの!
地味にガチなやつきた……!」
「㉔口内炎直して
㉕クレラップ補充しといて
㉖洗剤を詰め替え用から移しといて
㉗YouTubeのメンバーシップ解約しといて」
「雑!もはや無駄遣いが始まっている!
100もあるし、まだいっかー、じゃねえのよ!」
「㉘鏡の中で眠ってた私を起こしてあげて」
「覚えとったんかい」
「うーん、使い切るのもムズいな。あと1つでいいわ。
㉙私を魔法少女にして
以上!あとはこっちでなんとかするから」
「以上!じゃねえよ。おまえバカなの?
そんなもん叶えられるわけねぇだろ?
あたしをなんだと思ってんの?なんだよ魔法少女って!」
「できんのんかい。
だったら何でも叶えるとかエラソーなこと言わないでよね」
「“何でも”とは言ってねーわ!」
「……じゃあ、もう用はないわ。さようなら」
私は、目の前の女を一撃で倒し、家に帰った。
――私は、空手の名手なのだ。
決勝戦で毛利蘭に敗れたものの、関東大会2位。
その後は山籠もりし、京極真(園子の彼氏)に稽古をつけてもらった。
いまなら、たぶん毛利蘭も倒せる。
「あーあ。魔法少女になりたかったなー
それか、変身磁気か月光伝説か天馬幻想になりたかったなー(雑)」
彼女こそが、後のキューティーセラミーである。
きのころさんの傑作、キューティーセラミーシリーズは、こちら。
真正面から、清々しいまでに全力で主催者に媚びたので、
これが優勝で決まりだと思います!
よろしくお願いします!
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