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(鎌倉・聖地巡礼②)『椿ノ恋文』に誘われて。鎌倉の中心、段葛から「鶴岡八幡宮」へ

「鎌倉・聖地巡礼①」でお届けしたスターバックスコーヒー鎌倉御成町店と、レンバイのパラダイスアレイをあとにした私は、いよいよ鎌倉の中心である「段葛(だんかずら)」から鶴岡八幡宮へと向かいました。

鶴岡八幡宮へと真っ直ぐに伸びるこの「段葛」という参道の存在を、私は『椿ノ恋文』を読んで初めて知りました。ですから、源頼朝が妻・北条政子の安産を祈願して作らせたという由来も、今回初めて知ることになったのです。

「段葛」入り口

二の鳥居から八幡宮前までの数百メートル。両脇の車道に挟まれた中央に、一段高く盛り土された参道が美しく整備されています。このような造りの道を歩くのはもちろん初めての経験でしたが、「全国でもこんな不思議で神聖な場所が他にあるのだろうか」と感銘を受けました。

桜のトンネル

段葛の両脇には桜の木が植えられており、私が訪れた日は清々しい葉桜のトンネルになっていました。満開の季節には、ここが美しい淡いピンク色のトンネルになるのだろうと想像すると、「来年はぜひその時期に再訪したいな」という思いが自然と湧き上がってきました。

小説の中で、主人公の鳩子(ポッポちゃん)がこの段葛のベンチに座り、「はな」さんの太巻き寿司を食べながら涙を流すシーンがあります。

「まさか、太巻き寿司を食べて涙を流す自分がいるなんて、想像すらしていなかった」

そんな一文がありました。実は私自身も過去に、ふと食べた「昭和のオムライス」の味に、思わず涙が溢れた経験を持っています。涙を流した背景こそ違えど、食事をしながら不意に涙がこぼれるという同じような経験をしている人がいる(小説の中とはいえ)ことに、不思議な親近感と嬉しさを覚えました。

私も鳩子と同じように、「はな」さんの太巻き寿司を購入して段葛のベンチで食べる計画を立てていたのですが、残念ながらお店はすでに閉業されており、その願いは叶わなかったのが少し心残りです。

二の鳥居から八幡宮前の信号まで続く段葛をゆ〜っくりと歩き、ついに鶴岡八幡宮へ到着しました。

鶴岡八幡宮前交差点

境内に入ると、右に源氏池、左に平家池があり、水面にはたくさんの蓮の葉が広がっています。夏になれば、ここに大輪の蓮の花が美しく咲き誇るのだろうと想像するだけでワクワクしました。

舞殿(下拝殿)を通り過ぎ、本殿へと続く石段へ。思いのほか急な階段を登りきると、楼門に掲げられた「八幡宮」の額が目に入ります。「八」の字が向かい合う二羽の「鳩」の形になっていて、思わず微笑んでしまう可愛らしさでした。

二羽の「鳩」が可愛らしい

本殿では、家族の健康とこれからの幸せを静かにお祈りしました。長年連れ添った妻や、それぞれの道を歩み始めている子どもたちなど、家族の節目を迎える今の私にとって、この神聖な場所での祈りの時間はとても穏やかで尊いものでした。

参拝を終え、本殿前から振り返って海側を見渡した時の景色は圧巻でした。鶴岡八幡宮から段葛、そして若宮大路が、海へ向かって一直線に伸びています。山から海へ、海から山へ。源頼朝が「鶴岡八幡宮」を街づくりの中心に据えて整備したこの雄大な構想は、800年以上が経った現在にもそのまま通じています。かつて日本の中心であった鎌倉幕府の圧倒的な力と、歴史のロマンを肌で感じた瞬間でした。

まっすぐ海まで通づる若宮大路の眺望

本殿の階段を下ると、その先に東西に交差する真っ直ぐな参道がありました。そこは厳かさの中に清潔感が漂い、キリッと澄んだ空気感をまとっています。その静謐さに胸を打たれると同時に、私自身の心も静かに整えられていくのを感じました。

流鏑馬が行われる参道

あとから知ったのですが、その参道は神事である「流鏑馬(やぶさめ)」が行われる場所だそうです。「次はその勇壮な姿も見てみたい」。また一つ、鎌倉を再訪する理由ができました。

帰りは小町通りという賑やかなルートを通って駅へと戻りました。活気ある通りを歩きながら、途中で「豊島屋」さんの本店に立ち寄り、可愛らしい落雁「小鳩豆楽(こばとまめらく)」を購入。今回はお馴染みの鳩サブレーは見送りました。

鎌倉駅に戻った私は、次なる目的地「鎌倉高校前駅」を目指すため、人生で初めての「江ノ電」に乗り込みました。

初めての「江ノ電」

(鎌倉編③へつづく)

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