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多言語観察|痛みが「やってくる?」─言語で違う、痛みとの向き合い方 / Multilingual Observation|Does Pain “Come to you”? How Languages Face Pain Differently

【身体の言葉 - 風邪3部作 その3】

前々回、前回から引き続き、まだ声が戻らない。

昨日、お昼休みに病院で診てもらったら、声帯が真っ赤だった。医師の先生から、無理にしゃべっちゃダメとクギを刺されたので、しばらくは大人しく過ごそうと思う。

病院で「痛みはないんです」と説明する時、ふと「他の言語で言うなら、なんで言えば良いんだっけ?」と思った。
「痛い」「痛みがある」「痛くない」。私たちが当たり前に使っているこれらの表現、実は言語によって結構スタイルが違う。
今日は、そんな「痛み」の多言語観察をシェアしたい。


日本語:状態として「痛み」を表現するスタイル

「痛い」「痛みがある」「痛みはない」など、動詞と名詞のハイブリッド。状況説明に合わせて、意外といろんな言い換えができる

中国語:場所+疼 or 不疼(痛い or 痛くない)の一刀両断スタイル

- 頭疼(tóu téng)→ 頭が痛い
- 不疼(bù téng) → 痛くない
シンプルかつ、動詞一本勝負。中国語らしさがこんなところにも出てる

英語:「痛み」を "have" する、所有スタイル

I have a pain in my leg. や I don’t have any pain now. などと表現することが多い。It doesn’t hurt. のような別パターンも

アラビア語:「体の部位が私を痛ませる」スタイル

وجعني رأسي(waja'nī ra'sī)= 私の頭が私を痛ませた → 頭が痛い
痛みは、外から来る「作用」のような扱い。
主語になるのが自分じゃないという、衝撃。さすがアラビア語!と最初にこの表現に出会った時は、言語のおもしろさに震えた

インドネシア語:万能語 "sakit" 、大活躍

- Saya sakit kepala. → 私は頭が痛い
- Tidak sakit. → 痛くない or 病気じゃない
不調も痛みも病気も、"sakit" で表現できてしまう、文脈依存型。万能だけど、逆に言えば、ものすごく曖昧


こうして見ると、痛みの表現って、単語や文法の領域を超えてるな。笑

「痛みはどこにあるか?」を考えた時、「自分の中にあるもの」として言う言語もあれば、「外からやってくるもの」として表現する言語もある。

痛みは、身体の問題。でも、痛みとどう向き合うかー「痛み」を、どう「感じて」「伝えるか」は、言語によってこんなにも違う。

「私にとっての痛み」は、もしかしたら「他の人にとっての痛み」とは、少し違うかもしれない。
もしかすると、言語を学ぶことは、世界の「感じ方」を学ぶことにも繋がっているのかも

※【こころの言葉】に続きます。お時間あれば、ご覧ください。


※ 多言語観察 目次↓

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