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多言語観察|「家族」をつなぐのは? / Multilingual Observation|What Connects a “Family”?

【関係性の言葉 3】

前々回は「私たち」について、そして前回は「友達」について見てみた。
でも、もっと近くて、ちょっと難しい関係の言葉がある。ーそう、家族。

一番近いようで、ときどき一番距離の取り方が難しい存在。
思えば、「家族」って、国や文化によってずいぶん違う。血のつながりでできている国もあれば、心や信頼でつながっている国もある。

「家族」って、何でつながっているのか?今日は、そんな「家族」という言葉の広がり方を、いくつかの言語から見てみたい。


日本語:血縁を中心とした、内向きの家族

日本語の「家族」は、基本的に血のつながりや同居が前提になっている。
「家」という単位の中に、安心や責任がある一方で、その範囲は比較的はっきりしていて、外への広がりはほとんどない。
→ 血縁と生活を共にする ”内の関係”

中国語:「家」は社会の単位、都市によって形を変える

中国語の 家 (jiā) は、血縁だけでなく、「家庭」「家業」「家門」など社会を支える1つの単位になっている。
ここ最近は、北京や上海などいわゆる1-2級都市では "小家庭(小さな家族)"、下沈都市と言われる3-5級都市では "大家庭(大きな家族)" が主流。
→ 社会の発展とともに形を変える “集団のかたち”

英語:個を尊重する、小さなチーム

家族はそれぞれが自立したメンバー。たとえ親子でも、お互いに "my space" を持つ。互いを尊重しながらチームのように支え合う。
→ 自立した個がつながる共同体

フランス語:境界を保ちながら寄り添う関係

親であっても子どもであっても、一人の人格として尊重される。感情よりも「態度」で支え合う。
→ 一定の距離を保ちながら築かれる、たしかな関係

トルコ語、アラビア語(圏):信頼と慈しみの共同体

トルコ語の "aile"、アラビア語の "عائلة" (‘āʾila) は、どちらの言葉も、「支える」「守る」という意味を根底に持つ。
家族とは、互いを支え合い、導き合う場。
血縁よりも優先されるのは、信頼と義理、そして信仰。
それらがお互いの関係をつなぐ。
→ 守り合う「絆」と「敬意」の共同体

インドネシア語:広がり続ける「大家族」

インドネシア語の "keluarga besar"(大家族)には、親戚だけに留まらない。絆が深ければ、友人や職場の仲間まで含まれる。
関係の広がりそのものが、「あたたかさ」を生む。
そんな、でっっかい懐を持つ文化。
→ 「場と関係」を共有する広がり

タイ語:「食卓を囲む人たち」

タイ語の "ครอบครัว (khrɔ̂ɔp-khrua)" は、もともと「台所を囲む人々」の意味。一緒に暮らし、ご飯を食べる人たちを“家族”としていたそう。
つまり、近所の人たちでも、仕事が終わって一緒にご飯を囲む仲間でも、その時間を共有すれば「家族」になる。
→ 生活と敬意を分かち合う共同体


血でつながる家族。
心でつながる家族。
そして、生活や時間を共にする家族。

「家族」という言葉には、それぞれの文化が大切にしてきた ”つながり方” が映っている。
最近では、日本でも中国でも、ペットも「家族」だと考える人が増えている。家族は、“生まれるもの”から、“主体性を持って、築いていくもの”へ。
「家族」という言葉の意味が、今、少しずつ、やさしく広がっているのかもしれない。

では、今日も1つ、あなたへの問いかけを。
あなたは「家族」と、何でつながってますか?


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