8月クリエーター支援月間としてフォロアーさんの作品の初期を深堀して紹介していく企画:第二回は、神尾憲二さんのHAMLET 2
試行錯誤中のLaLaLaです。
8月は、クリエーター支援月間としてフォロアーさんの作品の初期を深堀して紹介していく企画をしています。
第1回は、yukariyajpさんの波打際スケッチの初期20話を深堀しました。
第二回は、神尾憲二さんのHAMLET 2の初期#025~#031を深堀していきます。
神尾憲二さんは、多分フォローいただいてから私の記事をほぼすべてスキをくれているフォロアーさんです。
※ネタバレ

1. 【あらすじ】「楽園」と呼ばれる地獄の最果てで
舞台は西暦2149年。かつての文明は、巨大企業**A-MAX FACTORIES(AMF)**が仕組んだ人類絶滅計画「HAMLET事変」によって崩壊しました。
主人公のジム・ビリントンは、証人保護プログラム(WITSEC)を申請し、AMFの支配を逃れて地球へと降下します。彼が辿り着いたそこは、皮肉にも「楽園」のように美しい自然が広がる、かつてのサフォーク州でした。
しかし、その平和な風景の裏には、ウイルス「No.369」によって変貌した世界と、地球そのものに意識を拡散させ、地中深くで「煉獄」を味わい続けるメイビル博士の視線がありました。生き残ったフランシス、メアリー、そして感情を学び始めたアンドロイドのメデューサたちは、この「新しいエデン」で、種としての存続と、個としての愛の間で揺れ動いていきます。
2. 本作の「面白さ」を解き明かす3つのポイント
① SF設定に絡み合う「聖書」のメタファー
本作の魅力は、ハードなSF設定と「ヨハネの黙示録」や「創世記」といった宗教的神話が融合している点にあります。 特に象徴的なのが、メアリーが遭遇した「巨木の実」です。食べた人の記憶に応じて味が変わるこの実は、エデンの園の「知恵の実」を想起させると同時に、地球が人間を「研究対象」として観察しているという不気味な知性を感じさせます。
② 複雑に絡み合う「多重ヒロイン」の心理描写
かつて「エロゲ」も手掛けたという著者ならではの、濃密なキャラクター描写が物語を彩ります。
ジムを支えながらも、過去の罪と愛に縛られるフランシス
純粋ゆえに、力技でジムとの未来を掴もうとする妹のメアリー
戦うことしか知らなかったが、ジムによって「夢」を見ることを教わったアンドロイド、メデューサ 第31話で描かれた、三者三様の「ジムとの未来の夢」は、切なくも官能的で、彼女たちの孤独と渇望を浮き彫りにしています。
③ 国家の影と「救済」の行方
物語が中盤に差し掛かると、中国製アンドロイド「霓宙(うんげい)」が登場し、壊滅したはずの世界における新たな勢力争いも示唆されます。 博士が説く「女性としての幸せ(=次世代を育むこと)」に反発し、「自分の人生は自分で選ぶ」と宣言するフランシスの決意は、閉ざされた終末世界における唯一の希望の光として描かれています。
3. 結びに:未完の傑作が「成仏」する瞬間に立ち会う
『HAMLET 2』は、かつてのゲームファンにはたまらない続編であると同時に、初見の読者をも、その圧倒的な世界観で惹きつけます。 著者が「自分が成仏するために」書いているという言葉通り、一文字一文字に込められた熱量は、AIが生成した美しいイメージイラストと共に、読者の脳内に鮮烈なビジュアルを刻み込みます。
滅びゆく世界で、彼らは何を信じ、誰を愛するのか。 ぜひ、神尾憲二氏のnoteで、この美しくも残酷な「優しい世界」を体験してみてください。


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