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HAMLET 2 #030 突然の訪問者

■CNと書かれた新しいコンテナ

●新しいコンテナから、ひょっこりと顔を出す中国製のアンドロイド

「やあ、お帰りなさい、みなさん!!
私の名前は、霓宙(うんげい)。
これから、皆さんのお世話をさせていただきます。
……どうぞ、宜しく!!」

●ジムに向かって手を差し出す、アンドロイドの霓宙。
●とっさに握手するジム。

「あ……ど、どうも……」

●女性陣がジムの周りに集まってくる

「CN、ということは、中国だな」
「ジムくん、これは、どういうこと??」
「あ、ロボットだ!」

●メアリーの、ロボットという言葉に反応する霓宙。(うんげい)
●霓宙を値踏みするようなメデューサ。霓宙に質問するフランシス。

「私はロボットではありません。アンドロイドです。訂正を求めます」
「えー、違いなんか、わかんないよ……」
「中国製のアンドロイドか。興味深い」
「それで、中国のアンドロイドが、なんでここに??」

●フランシスに、うやうやしく礼をする霓宙。(うんげい)

「Dr.フランシスですね。はじめまして。
私の名前は、霓宙。これから、皆さんのお世話をさせていただきます」
「お世話って……」
「国の最高機関より、あなた方を接待するよう、命令を受けております。
どうぞ、何なりとお申し付けください」
「……」

●困惑するフランシス。霓宙の態度をいぶかしむメアリーとジム。

「ねえ、このロボット、お姉ちゃんにだけ態度が変じゃない??」(小声)
「確かに……」(小声)
「Dr.フランシスは、貴重な研究をなさいました。その成果は、良い意味でも悪い意味でも、重要なもの。そう、我が国は認識しております」
「あんな研究に、良い意味なんて、無いわ」

●自分が馬鹿にされたように感じているフランシス。

「いいえ。それでは、表面的にしか物事を捉えていません。
確かに、あの研究のせいで、多くの被害が出ました」
「被害ではなく、犠牲よ。それも、膨大な数」
「失礼しました。それは事実ですが、世界のバランスを変え、新たな時代の幕を開けたのも、また事実です」
「それは……あなたの国が、世界の中心になるということよね」
「さすが、Dr.フランシス。早速、ご理解いただけたようですね」
「この事態で、漁夫の利を得ようだなんて……」

●霓宙をにらむフランシス。

「それは心外です。我が国は、常任理事国の責任を果たし、新たな世界の軸になろうとしているだけです」
「口では、なんとでも言えるわ」
「まあ、私を信じて頂かなくとも結構ですよ。
私はただ、命令に従って、あなた方のお世話をするだけですので」
「私は、何もして欲しくない」
「そう、おっしゃらずに」

●無言で、自室に戻っていくフランシス。
●メアリーが、霓宙に興味を持つ。

「ねえ、アンドロイドさん。あなたは何が出来るの??」
「霓宙(うんげい)と呼んでください、メアリーさん。
はい。あなたがしてほしいことは、基本的に、なんでも出来ますよ。
料理でも、掃除でも、洗濯でも。なんなら、夜のお相手でも、出来ますが」
「……」

●霓宙の言葉に、気分が悪くなったメアリー
●メデューサに助けを求める目をする。

「夜の相手とは、どういうことだ?」
「あなたは……ああ、確かロシアの……」
「メデューサ・ビリントンだ。宜しく頼む」
「例の発光する機体を操っていた方ですね。
あなたのことは、パートナー国家から報告を受けています。
夜のお相手としては、きっと私のライバルになりますね(笑)」

●怖い顔で霓宙を睨むメデューサ

「お分かりだと思いますが、私の、このボディは、柔軟で、可塑性があり、命令プロトコルに従って、分解・再構築可能な特殊樹脂で出来ています。
必要に応じて、男性と女性の形状や、資質を使い分けることができます。
もちろん、あなたの姿を学習して、見た目を違づけることも可能です。
ですから、あなたはもう、気に入らない相手と、不同意な行為をする必要は、ありません。私は、さすがに妊娠はできませんが、子育ては出来ます。
あなたの人権は、私によって守られるのです。素晴らしいでしょう!?」
「くだらん!!……こんな奴を相手にするな、メアリー」

●メアリーの手を引いて、去っていくメデューサ
●霓宙のもとに取り残されるジム

「ふむ。やはり、女性陣は警戒心が強いようですね」
「あれは、警戒心とは違うと思うんだけど……」
「ジム・ビリントンさん。我が国は、あなたに感謝しております」
「感謝?」
「あなたのおかげで、マリア・ハンスフィールドは記憶を取り戻しました。
安保理を含め、各所でHAMLET事変の真実を暴くことに繋がりました」
「ああ、それがマリアさんの、やるべきこと、だったね」
「彼女の記憶は、各国のA-MAX FACTORIESに対する態度を決定づけました。
米国の『楽園の主』と、A-MAX FACTORIESは、国際的に裁かれる対象となったのです」
「楽園の主??」
「ある意味、あなたとマリアの雇用主ですね。A-MAX FACTORIESの中枢機関です」
「A-MAX FACTORIESを率い、A-MAX CLEANERなどを作った人物か」
「特定の人物なのか、集団なのか。それは掴めていないようですが。
とにかく、あなたがHAMLETから生きて帰ったことで、事件のあらましが明らかになったのです」
「俺は、ただ生き延びたかっただけだよ」
「あなたは強運の持ち主ですね。あの状況から生きて地球に戻れるとは」
「確かに、運が良かったんだね」
「これまで、さぞ、お辛いこともあったでしょう。
精神的にも、肉体的にも、疲れが溜まっているのでは、ないですか?
これからは、日常の些事は私が引き受けます。しっかり休んでください」
「それは有り難いけど、不思議と、全然疲れを感じていないんだよね」
「なんですって??」
「ここに来てから……というより、最近、全く疲れた感じがしないんだ」
「少し、調べてみても良いですか?」
「調べるって??」
「私には、自己や周囲の状況認識の為、多数のセンサーやスキャナーが備わっています。それらは、性能的に医療用のものに劣りません。
それで、あなたのことを調べてみたいのですが」
「まあ、特に急いでする用事もないし、構わないよ」
「では、どうぞ、こちらに……」

●ジムの手を取って、CNと書かれたコンテナの中に入っていく霓宙。

■CNと書かれたコンテナの内部。

●半裸で医療ポッドに寝かされ、霓宙のチェックを受けるジム。

■フランシスの自室

●AIのKIDを呼び出すフランシス。

「KID、応答できる?」
「はい。なんでしょう、フランシス」
「私たちが食べていた、あの木の実。分析できるかしら?」
「分析なら、あのアンドロイドに頼んだらいかがですか?」
「あなた、あのやり取り、見てたの?」
「はい。失礼かと思いましたが、センサーの範囲内でしたので」
「あの中国の技術は、あなたよりも上?」
「わかりません。しかし、その可能性は非常に高いです。
中国は国家主導で、特定の技術を推し進めていましたので」
「そう」
「ですので、分析は、彼らの技術に頼ったほうが、宜しいかと」
「私は、あんなものに頼りたくないわ」
「わかりました。可能な限り、木の実の分析をしてみましょう。
グリフォンのパイロットチェック機能を使えば、分析可能です」
「木の実を、どうすればいい??」
「パイロットシートの接点からセンサーアレイを抜き出し、木の実に差し込めばいいでしょう」
「わかった。ジムくんに頼んでみる」
「よろしくお願いします」

-フェードアウト

#030  突然の訪問者、了。

「人工皮膚で覆った人型アンドロイド」をAIに描かせてみた

※本作品について(再掲)
本作は、1993年にPC-98版ゲームソフトとして販売された『HAMLET』および移植版の『SPACE GRIFFON VF-9』の続編となるストーリーで、西暦2149年を舞台としたSF作品です。登場人物や組織などは、実在するものとは、一切関係がありません。前作は、wikiやプレイ動画等でご確認ください。
なお、筆者は当該タイトルの原作と脚本を担当した張本人ではありますが、現在は、いち個人で執筆しており、HAMLET2の権利は筆者に帰属します。
しかしながら筆者は、この作品の二次創作・三次創作を制限するものではありません。どなたか奇特な方がキャラ絵を描いてくれると嬉しいです。


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