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特化型人工知能の台頭と汎用AIからの潮流の変化(Sequoia Capital)

 2026年1月27日、セコイアキャピタルのパートナーであるコンスタンティン・ビューラー氏を迎えて、2025年の汎用AIに対する熱狂が落ち着きつつある中で、より実利的でより深い専門性を備えたASI(人工特化型知能:Artificial Specialized Intelligence」へと市場の関心が移り変わる2026年のトレンドと将来ビジョンをテーマに、同氏の投資ポートフォリオを参照しながら、行われたBloombergのインタビューコンテンツを紹介します。
 特に注目すべきは、巨大テック企業やOpenAIやAnthropicといった巨人が先行する中で、特定の領域を深く掘り下げるスタートアップがいかにして優位性を築くべきか。そして、数億ドル規模に膨れ上がる昨今のシードラウンドに対し、出資者がどのようなフィルターで価値ある企業を見極めているのかについて、同氏の知見が紹介されています。以下は、インタビュー中の主なサブテーマです。

◆ ASI(人工特化型知能)へのパラダイムシフト
  汎用的なAIから、特定の専門分野に特化したASIへのトレンド移行

◆ 次なる破壊的投資領域
  AIが恩恵をもたらす次なるセクター

◆ 2026年に求められる起業家精神
  AIの巨人が君臨する市場で、スタートアップはどう戦うべきか

◆ シードラウンドにおける投資評価基準
  少数精鋭チームが数億ドルを調達する巨大化したシードラウンドの是非






1. インタビュー


[エド・ラドロー]
 
今後の投資において、どこに注目し注力していくのか、ASI(人工特化型知能:Artificial Specialized Intelligence)という分野から話を始めましょう。まず、それを定義してください。何が違うのでしょうか?


[コンスタンティン・ビューラー]
 もちろんです。お呼びいただきありがとうございます。
 2026年は、特定の専門分野におけるAI機能がすべてとなる年になるでしょう。私たちは2025年に、いくつかの非常に重要で大きなカテゴリーで、その兆しを捉えました。自動運転を例に挙げると、今ではサンフランシスコや他の多くの場所でWaymoが走っています。これらは、平均的な人間のドライバーよりも10倍の安全性で運行されています。また、他の専門分野も見受けられます。例えばAnthropicはコーディングに注力しており、2025年には「Claude Code」という製品を一般公開しました。開発者はClaude Codeのエージェントを活用して、プロトタイプを作成したり、ソフトウェアをより迅速に本番環境に導入したりすることができるようになっています。2026年には、こうした動きがさらに多く見られることになり、多くの新しい分野で、専門化された機能が登場することになります。


[エド・ラドロー]
 それでは、どれくらいの規模の小切手を書く必要があるのでしょうか?
 WaymoやAnthropic、そして法務部門のHarveyに共通しているのは、現時点で十分な資本を確保しているという点です。彼らはまず、それらの専門モデルを訓練し、展開するための多額の資本を投入する必要がありましたが。


[コンスタンティン・ビューラー]
 その通りです。Harveyについて触れられましたが、私は初期段階の投資に注力しています。Harveyの場合、彼らは本当に小規模な体制からスタートしました。基本的に一つの分野に焦点を絞り、「われわれは、この分野のディープな専門家になる」と決めました。それが法務分野でした。
 そして、彼らは実際のユーザーへの執着に焦点を当てています。そして現在、リーガルテック分野で1,000社以上の顧客を抱えており、弁護士にとっての「右腕」のような存在になっています。実際、ある顧客は「Harveyのライセンスを失うくらいなら、1年分のコーヒーを諦めるほうがましだ」と言っていました。私の妹も弁護士でHarveyを使っていますが、おそらく全く同じことを言うでしょう。2026年の年末に振り返ったとき、私たちはAIがいかに多くの分野で不可欠な存在になっていたかを実感することになるはずです。


[キャロライン・ハイド]
 では次の分野はどこでしょうか? あなたはすでに、AIの非常に絞られた分野やアプリケーションにおいて、いくつかの投資を行っています。今、Harveyの名前が挙がりましたが、音声の観点からも、人々がどのように対話し、自身を表現するかという点において、ElevenLabsにも投資していますね。では、その次は?まだ破壊されていない分野はどこですか?


[コンスタンティン・ビューラー]
 では、これから訪れるであろう片鱗を、物理的な世界とデジタルな世界からそれぞれ一つずつ紹介します。
 まず物理的な世界では、Verkadaという企業に投資しています。彼らはAI物理セキュリティにおけるリーディングカンパニーです。彼らは基本的に、敷地内を巡回する警備員の延長として機能し、さらに広大な敷地の物理的なセキュリティを監視することができます。彼らは調査業務を30パーセント圧縮して迅速化させることができるので、劇的なスピードアップを実現できます。これは単なる統計の数値のように聞こえますが、非常に現実的な例を挙げてみましょう。彼らは爆破予告のあったメジャーな空港との協力関係があり、調査を大幅に早く終わらせることができました。つまり結果として、実際には飛行機は搭乗を進め、便は時間通りに出発し、乗客は目的地に到着することができたのです。今後、私たちはこのような光景をたくさん目にすることになるでしょう。
 次にデジタルな世界ですが、われわれはXbowという会社と協力しています。ここはAI侵入テスト(AI Penetration Tester)の企業です。彼らはウェブサイトやアプリケーションの脆弱性を見つけることに非常に長けています。わずか6カ月という短期間の間に、脆弱性を発見するプロの人間のテスターと同等の能力を持つようになりました。そして18カ月の間に、世界最高レベルに到達し、個人のハッカーが競う世界的なリーダーボードである「HackerOne」でトップにランクインしました。彼らは企業の重大な脆弱性を発見して報告し、悪意のある攻撃者が到達する前にそれらを修正できるよう支援を行っています。2026年には、このような機能がさらに増えることになります。


[キャロライン・ハイド]
 興味深いのは、結果として、必要とされるペースでどのように構築し、規模を拡大させていくのかという点です。こうしたより専門的な分野を狙う資本が数多く存在するのであれば、そこで実際に事業を構築している人々もいます。チャンスが急速に動いている今、優位性を確保し、市場をリードする必要があるということを、ポートフォリオ企業に対して現時点でどのように話をしているのでしょうか?


[コンスタンティン・ビューラー]
 私たちは2026年のキーワードとして「勇気」という言葉を考えています。これまでは、OpenAI、Anthropic、Google、そしてxAIといった「フロンティア4」に多大な注目が集まってきました。彼らは驚くべき成果を上げており、初期段階の創業者が、こうした巨人が存在する中で「自分も立ち上がって素晴らしい大企業を築こう」と考えるのは、少し畏れ多いことかもしれません。しかし、私たちは2026年の創業者たちに、勇気を持つよう後押ししています。

 彼らは特定の領域を深く熟知しています。その分野に特化し、顧客を満足させれば、そこには素晴らしい機会が待っています。例えばヘルスケア分野では、OpenEvidenceという企業と協力しています。この会社は、医師が非常に複雑な問題を診断するのを支援しています。実際、私の妻は外科医なのですが、診断の助けとしてOpenEvidenceを利用しています。彼女はそのおかげで生まれた時間を、再び患者のために充てています。この会社は、「ヘルスケア分野は非常に重要であり、専門特化が必要になる。特定の能力が求められるはずだ」と考えた人物によって設立されました。そして、彼らの考えはまさに正しかったのです。こうした種類の勇気は、2026年も引き続き報われることになるでしょう。


[エド・ラドロー]
 私は今週、「もはや、シードラウンドという言葉を使う意味はない」という内容のコラムを執筆しました。というのも、中には、わずか12人のチームでありながら、開始直後から数億ドル規模の資金調達に達するものがあるからです。それはまさにあなたが活動している領域ですが、特にAIの分野において、このような傾向が今後も続くとどの程度予想していますか? あなたは「早い段階で投資をする」と言い続けていますが、実際にはASI、つまり人工特化型知能に注目しているのはあなただけではありませんし、時にはゼロから研究室を立ち上げること自体が目的になることもありますよね。


[コンスタンティン・ビューラー]
 あなたの記事にあった「ココナッツ・ラウンド」ですね、とても楽しく読みました。ココナッツ・ラウンド、あるいはアボカド・ラウンドやマンゴー・シード・ラウンドといった、こうした大規模なシードについてですね。私たちがどう考えているかをお話しします。
 まず何よりも、私たちはシードの規模ではなく、企業の質を重視しています。一歩引いてAIビジネスを見るとき、まず私たちは「これはX、Y、あるいはZを行うAIビジネスである」と定義するかもしれません。その際、あえて「AI」という言葉を指で隠してみて、AIがなくてもビジネスとして成立するかどうかを考えます。これが第一のテストです。
 次に、もし成立するのであれば、「これは私たちが何年もかけて、真の企業ビルダーとして共に築き上げたいビジネスだろうか」と問いかけます。これらの段階を経てようやく、資金調達のダイナミクスやラウンドの規模を確認し、「この規模で取り組みたいものかどうか」を判断します。
 優れた創業者は、可能な限り最高のパートナーを選び、長期的にビジネスにとって賢明なラウンドを形成し、その後数年でさらに多くの資本を惹きつけることを厭わないものだと、私は一貫して感じています。私たちはそのようにして、こうした大規模なシードラウンドに向き合ってきているのです。
 




2. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Bloomberg Technologyより
(Original Published date : 2026/01/27 EST)

[出演者]

  Sequoia Capital
    コンスタンティン・ビューラー(Konstantine Buhler)
    Partner
 
  Bloomberg
    エド・ラドロー(Ed Ludlow)
    キャロライン・ハイド(Caroline Hyde)




3. 関連コンテンツ





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だうじょん


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