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ヘブル語併記:ヨブ記文語訳(15)


ヘブル語併記:ヨブ記文語訳(15)

v1.2

1.翻訳ポリシー

本翻訳は、ヘブル語原典の逐語的な直訳に留まらず、その詩的構造と物語の精神を日本の古典文語が有する格調高き響きの中に再構築した芸術的創作であり、意訳と脚色を含みます。聖書原典が放つ荘厳な響きや、人間の苦難に対する悲痛な叫びを、独自の文体と様式美によって表現することを目的としています。

翻訳にあたっては、以下の基準を厳守しました。

言葉の経済性と律動感の追求: 古典文学が持つ言葉の簡潔さを手本とし、不要な助詞や過度な装飾を削ぎ落としました。ヨブの語る栄光の追憶と現在の悲惨の落差が、力強い律動のうちに際立つよう工夫しています。

芸術的文語の基調: 古典文語を基調としながらも、現代の読者が文脈を明瞭に理解できる可読性を保持しています。過度な擬古趣味を排し、純粋な芸術的文語としての均衡を図りました。

厳格なる表記様式: 平仮名による表現を極力漢字に置き換え、視覚的な重厚感を持たせました。また、神と人間との圧倒的な隔たりと根源的な関係を描き出すため、尊敬語や謙譲語を一切用いていません。

【制作背景について】

この文語訳は、制作者の明確な構想に基づき、AIとの協働によって生成および編集が行われました。聖書原典はパブリックドメインに属しておりますが、本翻訳はそれを基盤として独自の文語体へ変換した新たな創作物です。教育、研究、または私的利用といった非営利目的において、読者の皆様が自由に引用し、共有されることを歓迎いたします。ただし、本文の無断改変や商用目的での利用は固くお断りいたします。

2.註解

本訳は、ヨブ記第29章および第30章に記された、かつての栄光の追憶と現在の極限的な転落の対比を、文語の様式美を用いて劇的に表現する試みである。

かつての神の親しみ(29:4):
ヨブが過去の繁栄を回顧する場面である。「我が若き日々」「我が盛りの日々」を指す表現であり、神の加護が常に彼の上にあり、社会的な尊敬を集め、弱者を助ける義なる指導者であった時代が、豊かな比喩とともに語られる。

岩は油の川を注ぎ出せり(29:6):
オリーブの木が岩がちな地に根を張り、豊かな油をもたらす様子を誇張して表現したものである。神の祝福がいかに豊穣を極めていたかを示す詩的表現である。

若き者ら我を嘲る(30:1):
第30章に入ると情景は一転し、社会の最底辺に生きる者たちからさえも侮蔑される現在のヨブの悲惨さが語られる。かつての栄誉との残酷なまでの対比が際立つ。

乾きし土を噛む(30:3):
「噛む」にあたる原語は解釈が分かれ、「逃れる」「さまよう」とする伝統もある。本訳では文脈の悲惨さを強調するため、荒れ野を噛むような極限状態として表現している。

嵐の中に溶かし去る(30:22):
「嵐」あるいは「救い」「成功」など多様に訳される難解な語(תּוּשִׁיָּה)が含まれる節である。本訳では文脈の激しさから、嵐の中に己の存在が掻き消されていくような描写として採用している。

災ひの中にて助けを叫ばざらんや(30:24):
原典において解釈が非常に分かれる難解な節である。各翻訳で意味が揺れる箇所であるが、本訳では滅びや災いの中で人が本能的に救いを求める姿を描き出す解釈を採用している。

ジャッカルの兄弟、ダチョウの友(30:29):
荒野に住み、夜泣きし哀歌を歌う動物たちの比喩である。ヨブの悲しみと孤独が極限に達し、人間の社会から完全に断絶されたことを示す。なお、古い日本語訳では山犬などとされることもあるが、現代的にはジャッカルと解釈するのが一般的である。

3.ヘブル語併記文語訳

ヨブ記 第29章

29:1 ヨブ重ねて己が譬へを語りて曰く、
וַיֹּסֶף אִיּוֹב שְׂאֵת מְשָׁלוֹ וַיֹּאמַר׃
ヴァッヨーセフ イーヨヴ セエート メシャーロー ヴァッヨーマル。
そして加えた/ヨブは/取り上げることを/彼の譬えを/そして言った。

29:2 願はくは我を過ぎ去りし月の如く、神の我を守りたまひし日々の如くなさしめよ。
מִי־יִתְּנֵנִי כְיַרְחֵי־קֶדֶם כִּימֵי אֱלוֹהַּ יִשְׁמְרֵנִי׃
ミー イッテネーニー ヘヤルヘー ケデム、キーメー エローア イシュメレーニー。
誰が与えるか私を/以前の月のように/日々のように/神が/私を守った。

29:3 其の時、神の灯火我が頭上に輝き、其の光によりて我闇の中を歩みき。
בְּהִלּוֹ נֵרוֹ עֲלֵי רֹאשִׁי לְאוֹרוֹ אֵלֶךְ חֹשֶׁךְ׃
ベヒッロー ネーロー アレー ローシー、レオーロー エーレフ ホーシェフ。
輝く時/彼の灯火が/上に/私の頭の/彼の光によって/私は歩いた/闇を。

29:4 我が若き日の如くならまし。其の時、神の親しみ我が天幕の上にありき。
כַּאֲשֶׁר הָיִיתִי בִּימֵי חָרְפִּי בְּסוֹד אֱלוֹהַּ עֲלֵי אָהֳלִי׃
カアシェル ハーイートィー ビーメー ホルピー、ベソード エローア アレー オホリー。
そのように/私はあった/日々に/私の若き/親しみが/神の/上に/私の天幕の。

29:5 全能者なほ我と共にいまし、我が若者ら我が周りにありき。
בְּעוֹד שַׁדַּי עִמָּדִי סְבִיבוֹתַי נְעָרָי׃
ベオード シャッダイ インマーディー、セヴィーヴォーターイ ネアーラーイ。
なお/全能者が/私と共にあり/私の周りに/私の若者たちがいた。

29:6 我が歩みは乳酪に洗はれ、岩は我が為に油の川を注ぎ出せり。
בִּרְחֹץ הֲלִיכַי בְּחֵמָה וְצוּר יָצוּק עִמָּדִי פַּלְגֵי־שָׁמֶן׃
ビルホーツ ハリーハイ ベヘーマー、ヴェツール ヤーツーク インマーディー パルゲー シェーメン。
洗う時/私の歩みを/乳酪で/そして岩が/注ぎ出した/私のために/川を/油の。

29:7 我町の門を出でて進み、広場に我が座を設けし時、
בְּצֵאתִי שַׁעַר עֲלֵי־קָרֶת בָּרְחוֹב אָכִין מוֹשָׁבִי׃
ベツェーティー シャアル アレー カーレト、バルフオーヴ アーヒーン モーシャーヴィー。
私が出る時/門を/向かって/町へ/広場に/私が設ける時/私の座を。

29:8 若き者らは我を見て身を隠し、老いたる者らは立ち上がりて留まりぬ。
רָאוּנִי נְעָרִים וְנֶחְבָּאוּ וִישִׁישִׁים קָמוּ עָמָדוּ׃
ラーウーニー ネアーリーム ヴェネフバーウー、ヴィーシーシーム カームー アーマードゥー。
私を見た/若者たちは/そして隠れた/そして老人たちは/立ち上がり/留まった。

29:9 君侯らは語るを止め、其の口に手を当てたり。
שָׂרִים עָצְרוּ בְמִלִּים וְכַף יָשִׂימוּ לְפִיהֶם׃
サーリーム アーツェルー ヴェミッリーム、ヴェハフ ヤーシームー レフィーヘム。
君侯たちは/留めた/言葉を/そして手を/彼らは置いた/彼らの口に。

29:10 貴人らの声は潜められ、其の舌は上顎に張り付きぬ。
קוֹל נְגִידִים נֶחְבָּאוּ וּלְשׁוֹנָם לְחִכָּם דָּבֵקָה׃
コール ネギーディーム ネフバーウー、ウーレショーナーム レヒッカーム ダーヴェーカー。
声が/貴人たちの/隠された/そして彼らの舌が/彼らの上顎に/張り付いた。

29:11 耳之を聞きて我を幸ひなる者と呼び、目之を見て我を証立てたり。
כִּי אֹזֶן שָׁמְעָה וַתְּאַשְּׁרֵנִי וְעַיִן רָאֲתָה וַתְּעִידֵנִי׃
キー オゼン シャーメアー ヴァッテアッシェレーニー、ヴェアイン ラーアター ヴァッテイーデーニー。
なぜなら/耳が/聞いて/私を幸いと呼んだ/そして目が/見て/私を証拠立てた。

29:12 其れ我は助けを叫ぶ貧しき者と、助け手なき孤児を救ひし故なり。
כִּי־אֲמַלֵּט עָנִי מְשַׁוֵּעַ וְיָתוֹם וְלֹא־עֹזֵר לוֹ׃
キー アマッレート アーニー メシャヴヴェーア、ヴェヤートーム ヴェロー オーゼール ロー。
なぜなら/私が救い出したから/貧しい者を/叫び求める/そして孤児を/そしてない/助け手が/彼に。

29:13 滅びゆく者の祝福我に臨み、我は寡婦の心を喜び歌はせたり。
בִּרְכַּת אֹבֵד עָלַי תָּבֹא וְלֵב אַלְמָנָה אַרְנִין׃
ビルカト オーヴェード アーライ ターヴォー、ヴェレーヴ アルマーナー アルニーン。
祝福が/滅びゆく者の/私の上に/来た/そして心を/寡婦の/私は喜び歌わせた。

29:14 我は義を衣として身に纏ひ、我が公義は外套と被り物の如くなりき。
צֶדֶק לָבַשְׁתִּי וַיִּלְבָּשֵׁנִי כִּמְעִיל וְצָנִיף מִשְׁפָּטִי׃
ツֶデク ラーヴァシュティー ヴァッイルバーシェーニー、キムイール ヴェツァーニーフ ミシュパーティー。
義を/私は着た/そしてそれは私を被った/外套のように/そして被り物のように/私の公義は。

29:15 我は盲人の目となり、足なき者の足となれり。
עֵינַיִם הָיִיתִי לַעִוֵּר וְרַגְלַיִם לַפִּסֵּחַ אָנִי׃
エーナイム ハーイートィー ラウィヴヴェール、ヴェラグライム ラッピッセーアッハ アーニー。
目に/私はなった/盲人の/そして足に/足の不自由な者の/私は。

29:16 我は乏しき者の父となり、我が知らざりし訴へを究めたり。
אָב אָנֹכִי לָאֶבְיוֹנִים וְרִיב לֹא־יָדַעְתִּי אֶחְקְרֵהוּ׃
アーヴ アーノーヒー ラーエヴヨーニーム、ヴェリーヴ ロー ヤーダアティー エフケレーフー。
父に/私はなった/乏しい者たちの/そして争いを/私が知らなかった/私はそれを極めた。

29:17 我は不義なる者の顎を砕き、其の歯の間より獲物を引き出せり。
וָאֲשַׁבְּרָה מְתַלְּעוֹת עַוָּל וּמִשִּׁנָּיו אַשְׁלִיךְ טָרֶף׃
ヴァアシャッベラー メタルオート アヴヴァール、ウーミッシンナーヴ アシュリーフ ターレフ。
そして私は砕いた/顎を/不義な者の/そして彼の歯から/私は引き抜いた/獲物を。

29:18 故に我は言ひき、我は我が巣と共に息絶え、我が日々を砂の如くに増さんと。
וָאֹמַר עִם־קִנִּי אֶגְוָע וְכַחוֹל אַרְבֶּה יָמִים׃
ヴァオマル イム キンニー エグヴァー、ヴェハホール アルベ ヤーミーム。
そして私は言った/共に/私の巣と/私は息絶える/そして砂のように/私は増やす/日々を。

29:19 我が根は水に向かひて広がり、露は夜もすがら我が枝に留まる。
שָׁרְשִׁי פָתוּחַ אֱלֵי־מָיִם וְטַל יָלִין בִּקְצִירִי׃
ショルシー ファートゥーアッハ エレー マーイム、ヴェタル ヤーリーン ビクツィーリー。
私の根は/開かれている/向かって/水へ/そして露が/夜を過ごす/私の枝に。

29:20 我が栄光は我が内に新しく、我が弓は我が手にて力づく。
כְּבוֹדִי חָדָשׁ עִמָּדִי וְקַשְׁתִּי בְּיָדִי תַחֲלִיף׃
ケヴォーディー ハーダーシュ インマーディー、ヴェカシュティー ベヤーディー タハリーフ。
私の栄光は/新しい/私と共に/そして私の弓は/私の手の中で/新しくなる。

29:21 人々我に聴き従ひて待ち、我が教へに沈黙せり。
לִי־שָׁמְעוּ וְיִחֵלּוּ וְיִדְּמוּ לְמוֹ עֲצָתִי׃
リー シャーメウー ヴェイヘッルー、ヴェイドゥームー レモー アツァーティー。
私に/彼らは聞いた/そして待った/そして沈黙した/向かって/私の助言に。

29:22 我が語りし後、彼等は再び語らず、我が言葉は彼等の上に滴りぬ。
אַחֲרֵי דְבָרִי לֹא יִשְׁנוּ וְעָלֵימוֹ תִּטֹּף מִלָּתִי׃
アハレー デヴァーリー ロー イシュヌー、ヴェアレーモー ティットーフ ミッラーティー。
後に/私の言葉の/ない/彼らは繰り返す/そして彼らの上に/滴った/私の言葉が。

29:23 彼等は雨を待つ如く我を待ち、後の雨を望む如く其の口を広く開けたり。
וְיִחֲלוּ כַמָּטָר לִי וּפִיהֶם פָּעֲרוּ לְמַלְקוֹשׁ׃
ヴェイハルー ハンマータル リー、ウーフィーヘム パーアルー レマルコーシュ。
そして彼らは待った/雨のように/私を/そして彼らの口を/彼らは大きく開けた/後の雨に向けて。

29:24 我彼等に向かひて笑へども、彼等は之を信ぜざりき。我が顔の光を落とさざりき。
אֶשְׂחַק אֲלֵהֶם לֹא יַאֲמִינוּ וְאוֹר פָּנַי לֹא יַפִּילוּ׃
エスハク アレーヘム ロー ヤアミーヌー、ヴェオール パーナイ ロー ヤッピールー。
私が笑う/彼らに/ない/彼らは信じる/そして光を/私の顔の/ない/彼らは落とす。

29:25 我彼等の道を選びて首領と座し、軍勢の中の王の如く、悼む者を慰むる者の如くに住まひき。
אֶבְחַר דַּרְכָּם וְאֵשֵׁב רֹאשׁ וְאֶשְׁכּוֹן כְּמֶלֶךְ בַּגְּדוּד כַּאֲשֶׁר אֲבֵלִים יְנַחֵם׃
エヴハル ダルカーム ヴェエーシェーヴ ローシュ、ヴェエシュコーン ケメレフ バッゲドゥード、カアシェル アヴェーリーム イェナヘーム。
私は選んだ/彼らの道を/そして座った/首領として/そして私は住んだ/王のように/軍勢の中の/そのように/悼む者たちを/慰める者の。

ヨブ記 第30章

30:1 然るに今、我より若き者ども我を嘲る。彼等の父らは、我己が羊の群れの犬と共に置くさへ恥としき者どもなり。
וְעַתָּה שָׂחֲקוּ עָלַי צְעִירִים מִמֶּנִּי לְיָמִים אֲשֶׁר־מָאַסְתִּי אֲבוֹתָם לָשִׁית עִם־כַּלְבֵי צֹאנִי׃
ヴェアッター サーハクー アーライ ツェイーリーム ミンメンニー レヤーミーム、アシェル マアスティー アヴォーターム ラーシート イム カルヴェー ツォーニー。
しかし今は/笑う/私を/若い者たちが/私よりも/日において/その/私は拒んだ/彼らの父たちを/置くことを/共に/犬と/私の羊の。

30:2 彼等の手の力も我に何の益あらんや。彼等は活力を失ひたる者なり。
גַּם־כֹּחַ יְדֵיהֶם לָמָּה לִּי עָלֵימוֹ אָבַד כָּלַח׃
ガム コーアッハ イェデーヘム ランマー リー、アレーモー アーヴァド カーラッハ。
また/力も/彼らの手の/何になろうか/私にとって/彼らにおいて/失われた/活力が。

30:3 欠乏と飢ゑによりて痩せ衰へ、暗く荒れ果てたる地の乾きし土を噛む。
בְּחֶסֶר וּבְכָפָן גַּלְמוּד הַעֹרְקִים צִיָּה אֶמֶשׁ שׁוֹאָה וּמְשֹׁאָה׃
ベヘセル ウーヴェハーファーン ガルムード、ハオルキーム ツィッヤー エメシュ ショーアー ウーメショアー。
欠乏と/および飢えによって/痩せ衰え/噛む者たち/乾燥した地を/暗く/荒廃し/そして荒れ果てた。

30:4 彼等は灌木の傍らにて塩草を摘み、えにしだの根を其の食物とす。
הַקֹּטְפִים מַלּוּחַ עֲלֵי־שִׂיחַ וְשֹׁרֶשׁ רְתָמִים לַחְמָם׃
ハッコテフィーム マッルーアッハ アレー シーアッハ、ヴェショーレシュ レターミーム ラフマーム。
摘む者たち/塩草を/傍らで/灌木の/そして根を/えにしだの/彼らのパンとして。

30:5 彼等は人の中より追ひ出され、盗人に向かふ如く彼等に向かひて叫ぶ。
מִן־גֵּו יְגֹרָשׁוּ יָרִיעוּ עָלֵימוֹ כַּגַּנָּב׃
ミン ゲーヴ イェゴーラーシュー、ヤーリーウー アレーモー カッガンナーヴ。
中から/人々の/彼らは追い出される/彼らは叫ぶ/彼らに向かって/盗人のように。

30:6 彼等は谷間の裂け目、土の穴および岩の割れ目に住むなり。
בַּעֲרוּץ נְחָלִים לִשְׁכֹּן חוֹרֵי עָפָר וְכֵפִים׃
バアルーツ ネハーリーム リシュコーン、ホーレー アファール ヴェヘーフィーム。
裂け目に/谷間の/住むために/穴に/土の/そして岩の。

30:7 彼等は灌木の中にて呻き、いらくさの下に群がり集ふ。
בֵּין־שִׂיחִים יִנְהָקוּ תַּחַת חָרוּל יְסֻפָּחוּ׃
ベーン シーヒーム インハークー、タハト ハールール イェスッパーフー。
間に/灌木の/彼らは呻く/下に/いらくさの/彼らは集まる。

30:8 愚か者の子ら、名もなき者の子らなり。彼等は地より打ち出されたり。
בְּנֵי־נָבָל גַּם־בְּנֵי בְלִי־שֵׁם נִכְּאוּ מִן־הָאָרֶץ׃
ベネー ナーヴァール ガム ベネー ヴェリー シェーム、ニッケウー ミן ハーアーレツ。
子ら/愚か者の/また/子ら/ない/名の/彼らは打ち出された/から/地の。

30:9 然るに今、我は彼等の歌となり、彼等の嘲りの言葉となれり。
וְעַתָּה נְגִינָתָם הָיִיתִי וָאֱהִי לָהֶם לְמִלָּה׃
ヴェアッター ネギーナーターム ハーイートィー、ヴァエヒー ラーヘム レミッラー。
しかし今は/彼らの歌に/私はなった/そして私はなった/彼らにとって/言葉に。

30:10 彼等は我を忌み嫌ひて我より遠ざかり、我が顔に唾するを躊躇はず。
תִּעֲבוּנִי רָחֲקוּ מֶנִּי וּמִפָּנַי לֹא־חָשְׂכוּ רֹק׃
ティーアヴーニー ラーハクー メンニー、ウーミッパーナイ ロー ハースフー ロク。
彼らは私を忌み嫌う/彼らは遠ざかる/私から/そして私の顔から/ない/彼らは差し控える/唾を。

30:11 神我が弓の弦を緩めて我を苦しめ給ひし故に、彼等も我が前にて手綱を振り捨てたり。
כִּי־יִתְרִי פִתַּח וַיְעַנֵּנִי וְרֶסֶן מִפָּנַי שִׁלֵּחוּ׃
キー イトリー フィッタッハ ヴァイェアンネーニー、ヴェレセン ミッパーナイ シルレーフー。
なぜなら/私の弓弦を/彼は解き/そして私を苦しめた/そして手綱を/私の前から/彼らは放った。

30:12 我が右には賤しき者ども立ち上がり、我が足を突き退け、我に向かひて滅びの道を築く。
עַל־יָמִין פִּרְחַח יָקוּמוּ רַגְלַי שִׁלֵּחוּ וַיָּסֹלּוּ עָלַי אָרְחוֹת אֵידָם׃
アル ヤーミーン ピルハッハ ヤークームー、ラグライ シルレーフー、ヴァッヤーソッルー アーライ オルホート エーダーム。
右に/賤しい群れが/立ち上がる/私の足を/彼らは突き退ける/そして彼らは築く/私に向かって/道を/彼らの滅びの。

30:13 彼等は我が道を壊し、我が災ひを助け進む。彼等を留むる者なし。
נָתְסוּ נְתִיבָתִי לְהַוָּתִי יֹעִילוּ לֹא עֹזֵר לָמוֹ׃
ナーテスー ネティーヴァーティー、レハヴヴァーティー ヨイールー、ロー オーゼール ラーモー。
彼らは壊す/私の道を/私の災いを/彼らは助ける/ない/助け手が/彼らに。

30:14 彼等は広き破れ口の如くに来たり、荒廃の中より転げ入る。
כְּפֶרֶץ רָחָב יֶאֱתָיוּ תַּחַת שֹׁאָה הִתְגַּלְגָּלוּ׃
ケフェレツ ラーハーヴ イェエターユー、タハト ショーアー ヒトガルガールー。
破れ口のように/広い/彼らは来る/下に/荒廃の/彼らは転がり込む。

30:15 恐れは我に襲ひかかり、我が尊厳は風の如くに追ひ払はれ、我が救ひは雲の如くに過ぎ去りぬ。
הָהְפַּךְ עָלַי בַּלָּהוֹת תִּרְדֹּף כָּרוּחַ נְדִבָתִי וּכְעָב עָבְרָה יְשֻׁעָתִי׃
ホフパフ アーライ バッラーホート、ティルドフ カルーアッハ ネディーヴァーティー、ウーヘアーヴ アーヴェラー イェシュアーティー。
襲いかかった/私の上に/恐れが/追い払う/風のように/私の尊厳を/そして雲のように/過ぎ去った/私の救いが。

30:16 今、我が魂は我が内に注ぎ出され、苦しみの日々我を捕らへたり。
וְעַתָּה עָלַי תִּשְׁתַּפֵּךְ נַפְשִׁי יֹאחֲזוּנִי יְמֵי־עֹנִי׃
ヴェアッター アーライ ティシュタッペーフ ナフシー、ヨーハズーニー イェメー オニー。
そして今は/私の上に/注ぎ出される/私の魂が/私を捕らえる/日々が/苦しみの。

30:17 夜は我が骨を刺し貫き、我を噛む苦痛は休むことなし。
לַיְלָה עֲצָמַי נִקַּר מֵעָלָי וְעֹרְקַי לֹא יִשְׁכָּבוּן׃
ラーイラー アツァーマイ ニッカル メアーラーイ、ヴェオルカイ ロー イシュカーヴーン。
夜に/私の骨は/刺し貫かれる/私から/そして私を噛むものたちは/ない/休む。

30:18 其の大いなる力によりて我が衣は形を変へられ、下着の襟の如くに我を締め付く。
בְּרָב־כֹּחַ יִתְחַפֵּשׂ לְבוּשִׁי כְּפִי כֻתָּנְתִּי יַאַזְרֵנִי׃
ベロヴ コーアッハ イトハッペース レヴーシー、ケフィー フットネティー ヤアズレーニー。
大きな力によって/形を変える/私の衣が/襟のように/私の下着の/それは私を締め付ける。

30:19 神我を泥の中に投げ打ちたまへば、我は塵と灰の如くなりぬ。
הֹרָנִי לַחֹמֶר וָאֶתְמַשֵּׁל כֶּעָפָר וָאֵפֶר׃
ホラーニー ラホメル、ヴァエトマッシェール ケアファール ヴァエフェル。
彼は私を投げた/泥に/そして私は等しくなった/塵と/そして灰に。

30:20 我汝に叫べども、汝我に答へず。我立ち上がれども、汝我を見つむるのみ。
אֲשַׁוַּע אֵלֶיךָ וְלֹא תַעֲנֵנִי עָמַדְתִּי וַתִּתְבֹּנֶן בִּי׃
アシャヴヴェーア エレーハ ヴェロー タアネーニー、アーマドティー ヴァッティトボネン ビー。
私は叫び求める/あなたに/そしてない/あなたは私に答える/私は立つ/そしてあなたは私を見つめる。

30:21 汝翻りて我に残酷となり、汝の手の力をもて我を迫害す。
תֵּהָפֵךְ לְאַכְזָר לִי בְּעֹצֶם יָדְךָ תִשְׂטְמֵנִי׃
テーハーフェーフ レアフザール リー、ベオーツェム ヤーデハー ティステメーニー。
あなたは翻る/残酷な者に/私にとって/力で/あなたの手の/あなたは私を迫害する。

30:22 汝我を風の上に揚げて乗らせ、嵐の中に我を溶かし去る。
תִּשָּׂאֵנִי אֶל־רוּחַ תַּרְכִּיבֵנִי וּתְמֹגְגֵנִי תּוּשִׁיָּה׃
ティッサエーニー エル ルーアッハ タルキーヴェーニー、ウーテモゲゲーニー トゥーシッヤー。
あなたは私を上げる/風へ/あなたは私を乗せる/そしてあなたは私を溶かす/嵐の中で。

30:23 まことに我知る、汝我を死へ、総ての生ける者の定めの家へと帰らしめんことを。
כִּי־יָדַעְתִּי מָוֶת תְּשִׁיבֵנִי וּבֵית מוֹעֵד לְכָל־חָי׃
キー ヤーダアティー マーヴェト テシーヴェーニー、ウーヴェート モーエード レホル ハーイ。
まことに/私は知っている/死へ/あなたが私を帰らせることを/そして家へ/定めの/すべての/生きる者の。

30:24 然れども、人は滅びゆく時、手を差し伸べざらんや。災ひの中にて助けを叫ばざらんや。
אַךְ לֹא־בְעִי יִשְׁלַח־יָד אִם־בְּפִידוֹ לָהֶן שׁוּעַ׃
アフ ロー ヴェイー イシュラッハ ヤード、イム ベフィードー ラーヘン シューア。
しかし/ない/滅びの中に/彼は伸ばす/手を/もし/彼の災いの中で/彼らに/助けの叫びが。

30:25 我は苦しき日を送る者の為に泣かざりしや。我が魂は貧しき者の為に憂へざりしや。
אִם־לֹא בָכִיתִי לִקְשֵׁה־יוֹם עָגְמָה נַפְשִׁי לָאֶבְיוֹן׃
イム ロー ヴァーヒーティー リクシェー ヨーム、オーゲマー ナフシー ラーエヴヨーン。
ないだろうか/私が泣いたことが/苦しい/日の者のために/憂えただろうか/私の魂が/貧しい者のために。

30:26 然るに我幸ひを望みしに、災ひ来たり、我光を待ちしに、暗闇来たりぬ。
כִּי טוֹב קִוִּיתִי וַיָּבֹא רָע וַאֲיַחֲלָה לְאוֹר וַיָּבֹא אֹפֶל׃
キー トーヴ キヴヴィーティー ヴァッヤーヴォー ラー、ヴァアヤハラー レオール ヴァッヤーヴォー オフェル。
なぜなら/良いことを/私は望んだ/しかし来た/悪が/そして私が待った/光を/しかし来た/暗闇が。

30:27 我が孕は沸き立ちて静まらず、苦しみの日は我に臨めり。
מֵעַי רֻתְּחוּ וְלֹא־דָמּוּ קִדְּמֻנִי יְמֵי־עֹנִי׃
メーアイ ルッテフー ヴェロー ダームー、キッデムーニー イェメー オニー。
私の腹は/沸き立ち/そしてない/静まる/私に臨んだ/日々が/苦しみの。

30:28 我は日の光なくして黒く成りて歩み、会衆の中に立ちて助けを叫ぶ。
קֹדֵר הִלַּכְתִּי בְּלֹא חַמָּה קַמְתִּי בַקָּהָל אֲשַׁוֵּעַ׃
コーデール ヒッラクティー ベロー ハンマー、カムティー ヴァッカーハール アシャヴヴェーア。
黒くなって/私は歩いた/ない/日の光が/私は立った/会衆の中で/私は助けを叫ぶ。

30:29 我はジャッカルの兄弟となり、ダチョウの友となれり。
אָח הָיִיתִי לְתַנִּים וְרֵעַ לִבְנוֹת יַעֲנָה׃
アーッハ ハーイートィー レタンニーム、ヴェレーア リヴノート ヤアナー。
兄弟に/私はなった/ジャッカルの/そして友に/ダチョウの。

30:30 我が皮は黒く成りて剥がれ落ち、我が骨は熱によりて焼け焦げたり。
עוֹרִי שָׁחַר מֵעָלָי וְעַצְמִי־חָרָה מִנִּי־חֹרֶב׃
オーリー シャーハル メアーラーイ、ヴェアツミー ハーラー ミンニー ホレヴ。
私の皮は/黒くなった/私から/そして私の骨は/焼け焦げた/熱から。

30:31 我が琴は哀音となり、我が笛は泣く者の声となれり。
וַיְהִי לְאֵבֶל כִּנֹּרִי וְעוּגָבִי לְקוֹל בֹּכִים׃
ヴァイェヒー レエーヴェル キンノーリー、ヴェウーガーヴィー レコール ボーヒーム。
そしてなった/哀音に/私の琴は/そして私の笛は/声に/泣く者たちの。

4.ヘブル語単語集

本項では、ヨブ記第29章および第30章に複数回登場する頻出語彙、並びに「ジャッカル」「ダチョウ」「塵と灰」といった本章に特有の重要キーワードを網羅して記載する。

תַּנִּים (タンニーム) : ジャッカル。荒野で哀れな声で鳴く獣。古い訳では山犬ともされるが現代的にはジャッカルと解釈される。(重要語彙)

בְּנוֹת יַעֲנָה (ベノート・ヤアナー) : ダチョウ。孤独な荒野の住人を象徴する。(重要語彙)

עָפָר וָאֵפֶר (アファール・ヴァエフェル) : 塵と灰。人間の究極の無力さと悲惨さを示す。(重要語彙)

אִיּוֹב (イーヨヴ) : ヨブ。

אָמַר (アーマル) : 言う、語る。

אֱלוֹהַּ (エローア) : 神。

יוֹם (ヨーム) : 日、日々。

לַיְלָה (ラーイラー) : 夜。

אוֹר (オール) : 光。

חֹשֶׁךְ (ホーシェフ) : 闇。

אָרֶץ (アーレツ) : 地。

עָפָר (アファール) : 塵、土。

מַיִם (マーイム) : 水。

רוּחַ (ルーアッハ) : 風、霊。

אִישׁ (イッシュ) : 人、男。

פָּנִים (パーニーム) : 顔。

עַיִן (アイン) : 目。

אֹזֶן (オゼン) : 耳。

יָד (ヤード) : 手。

רֶגֶל (レゲル) : 足。

קוֹל (コール) : 声。

דָּבָר (ダーヴァール) : 言葉、事。

שָׁמַע (シャーマ) : 聞く。

רָאָה (ラーアー) : 見る。

בּוֹא (ボー) : 来る、入る。

מָוֶת (マーヴェト) : 死。

נֶפֶשׁ (ネフェシュ) : 魂。

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