部下の逆襲>逆ハラスメント<
現代の職場には、様々なハラスメントがあります。
最もポピュラーなのがパワーハラスメントいわゆるパワハラ、
性的言動によるセクシャルハラスメントいわゆるセクハラ、
そして妊娠や出産などへの否定的言動によるマタニティハラスメントいわゆるマタハラなどです。
他にはモラルハラスメント(モラハラ)、
不機嫌ハラスメント(フキハラ)、
リモートワークハラスメント(リモハラ)など、次々と現れてきています。
これらは基本的に職場の優位な立場を利用して、相手に精神的肉体的苦痛を与えるものですが、その逆パターンも起きています。
それが今回のテーマ、逆ハラスメント、いわゆる逆ハラです。
逆ハラは、部下や後輩がその上司や先輩に対し、暴言を吐いたりして業務に支障をきたす行為です。
「え?そんなことが?」というようなことが実際に起こっているのです。
もう少し具体的に見ていきましょう。
<逆ハラの具体例>

逆ハラと言われることは、実際どんなことが起こっているのか、具体例をいくつか挙げていきます。
〇 正当な指示や注意であるにもかかわらず、「嫌な気分になったからパワハラだ」と騒ぎ立てる。
ハラスメントハラスメント、ハラハラとも言われています。
〇 「やりたくありません」、「あなたの命令には従いません」と言って業務上の指示に従わない。
〇 「それは私の仕事ではありません」と言って仕事をしない。
〇 「そんなことも知らないんですか」、「自分で調べたらどうですか」、「時代遅れですね」と言って上司をバカにする。
〇 意図的に情報を教えない。
〇 周囲を威圧して職場の秩序を乱す。
〇 集団で無視する。
〇 常に自分は被害者だと主張する。
〇 上司の悪口やプライバシーを広めたり、SNSに書き込んだりする。
〇 上司のミスや弱点を繰り返し指摘して信用を失わせる。
〇 上司の配置転換や解雇をしつこく求める。
〇 逆上して上司を殴ったり、書類を投げつけたりする。
〇 上司に対し、感情的になって「バカじゃないの」と言ったり、怒鳴りつけたり、威圧的な態度を取ったりする。
<問題点>
ここまで逆ハラに当たる例を挙げてきましたが、これらのことと、パワハラに対しる正当な訴えとを混同してはいけません。
深刻なパワハラから守られるべき人を、逆ハラ扱いしてしまう、或いは故意に悪用するといった危険がつきまとうのです。
これらは個々の状況を冷静に判断する必要があるのです。
<逆ハラとパワハラの見分け方>

どういう場合がパワハラで、どういう場合が逆ハラなのか、その見分け方を考えてみると次のようなものがあります。
〇 指示した内容は妥当なものなのか、それは業務上必要なものかどうかです。
人格否定につながるようなことや、侮辱的なことはパワハラになります。
〇 指示の伝え方は、冷静で具体的、適切なものかどうか。
感情的だったり威圧的なものは、たとえ内容が正しくてもパワハラになります。
言い方も重要です。
〇 相手を委縮させようとしているのは逆ハラです。
〇 注意や指摘が継続的で追い詰めているようならパワハラになります。
〇 何でもかんでも「ハラスメントだ」と主張するのは逆ハラです。
〇 自分の責任を一切認めようとしないのは逆ハラです。
〇 権利だけを主張しているのが逆ハラで、権力だけを行使しているのがパワハラです。
〇 正当な主張は、「昨日の会議でのあの発言はキツかったです。」というように冷静で具体的なのに対し、逆ハラでは、「あれ全部ハラスメントですよね」などど極端になったり抽象的だったり、時に脅しのようなニュアンスになったりします。
〇 逆ハラの場合、「でも~」や、「だって~」が多く、代替案は出てきません。
〇 正当な主張の場合は、改善しようとしているのに対し、逆ハラの場合は状況を止めたり、自分に有利にしようとしています。
<なぜそんなことが起こるのか>
最近増えてきているという逆ハラですが、なぜそんなことになるのか理由を探ってみましょう。
ハラスメントがなぜ起きるのかに関する記事はこちら
〇 上司が舐められている。
〇 上司が優柔不断。
〇 それは、上司のリーダーシップ能力が不足しているから。
〇 上下関係がうまく築けていないから。
〇 上司よりも部下や後輩の方が、知識や技能が優れているから。
〇 パワハラという言葉が広まった結果、「パワハラと言われるのがこわい」という上司の心理をついています。
〇 指導や注意が一方的だったり、部下の意見を良く聞かないことで、部下に不満が溜まり、蓄積してくると攻撃的になることがあります。
〇 部下が、何がハラスメントになるのか理解していないと逆ハラが起こります。
〇 自分の評価が低いことへの仕返しのつもりで逆ハラをすることもあります。
〇 世代間で仕事に対する価値観にギャップがあるからという面もあります。
〇 職場の力関係が多様化して上下関係が曖昧になっているということもあります。
〇 職場でのコンプライアンス意識の高まりにより、適切な指導であってもパワハラだと過剰反応されることも起きています。
部下の指導に関する記事はこちら
<どうすればいいのか>
「これは逆ハラだ」ということが起こったら、上司はどうすればいいのでしょう。
基本的にはパワハラの場合と同じです。
〇 一人で抱え込まず、その上の上司に相談する。
〇 記録を徹底して証拠を残す。
〇 感情的に返したりせず、冷静に事実だけを言うようにすること。
「この業務は契約の範囲内です。」、
「これは業務改善のための指導です。」などです。
感情的になると、この時点でパワハラの加害者にされてしまいます。
〇 無視したり放置したり譲歩したりすると、言動がエスカレートしてくるのでNGです。
〇 就業規則を整備し、組織のルールの基準を理解しておくことが重要です。
〇 会社としては、その就業規則に基づいて、指導や処分を行うべきです。
〇 ハラスメントに関する研修を行い、意識向上を図ることです。
これには全員参加すべきです。
ハラスメントは上からも下からも横からも起こるのですから。
〇 同時にリーダーシップ研修も実施する必要があります。
部下とのコミュニケーション能力の向上を図るのです。
コミュニケーションに関する記事はこちら。
<うまい返し方>
グレーゾーンの場合、角を立てずに主導権を握るという言い方もあります。
〇 否定せずに、「そう感じたのですね」と一旦受け止めます。
〇 「事実ベースで整理すると~」とか、
「一旦状況を整理すると~」というように、事実を整理して確認すること。
〇 「これは会社の基準では~です。」とか、
「ルールに沿って判断します。」というように、会社のルールに当てはめます。
〇 「これには2つの進め方があります。」と、選択肢を提案する。
〇 「難しければ、調整することもできます。」というように、逃げ道も作っておきます。
大事なことは、急いで白黒決めず、状況を見極め、冷静に判断し事態をコントロールすることです。
<まとめ>
逆ハラスメントは、上司や先輩からの適切な指導や業務遂行を妨げるだけでなく、その精神的ダメージは想像以上に大きく、うつ病から自殺にまで発展してしまったケースも起こっています。
そこまで行かずとも、優秀な管理職を離職に追い込むこともあるのです。
こうしたことは、職場の環境悪化や生産性の低下を招く危険な行為で、決して許されるものではなく、早急な対応と対策が必要となってきます。

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