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記録的な集客を実現した店舗デザイン:テナント物件のハンデをアドバンテージに変える

前回まで集客を実現する空間デザインとして以下の実例をご覧頂きました。

第一章:戦略をデザインする

case1:手術室がまる見えの眼科クリニック(クリニック内装デザイン)
case2:宇宙船のような近未来SF建築デザイン(ショールーム建築設計)
case3:かわいい空間を追求した東進衛星予備校オフィス(オフィス内装デザイン)
case4:ハイテク医療のイメージをクリニック空間に具現化(クリニック内装デザイン)

第二章:物件の物理的なハンデに対するソリューションデザイン

case1:狭小居酒屋から高級飲食業態へのリノベーション(店舗内装デザイン)

既存物件における空間デザインというのは、既に決められた枠内に様々な機能を落とし込まなければならず、物理的な制約・ハンデはつきものです。こ第2章では物理的なハンデ(狭さ・形状・方位等)のある物件におけるソリューションデザインの実例を3つご紹介します。2つ目は奈良の映画館跡を飲食店舗(居酒屋)にリノベーションした事例です。

case2:物件のハンデをアドバンテージに変える 居酒屋つのふりの店舗デザイン

飲食店舗デザイン事例 居酒屋つのふり(奈良県・奈良市)

奈良の大仏さん、東大寺の近くにある居酒屋さんの事例です。
「東向き商店街」という、奈良のメインストリートとなっている商店街の地下、古い映画館を飲食店舗(居酒屋)に改装する計画でした。

テナント物件の物理的ハンデ

床が傾斜した映画館跡のテナント物件

問題となったのは、床が傾斜しているということでした。もともと映画館でしたので、スクリーンに向かって客席の床が斜めに下がっていました。飲食店の客席にするには、床をフラットにする必要がありますが、大きな物件全体を床上げしてフラットにすると、かなりの費用がかかってしまいます。そこで床の傾斜を残したままで飲食店として使用することができないか模索しました。

物件のハンデをアドバンテージに

床が傾斜した店舗内客席

そこで傾斜した床に玉石を敷き詰め、全体を石庭にして小さな個室をいくつか並べました。個室と個室の間は坂道になっています。

庭園を取り囲む光障子(映画館跡映写室より撮影)

非常に高い天井高を生かして、頭上周囲に照明を仕込んだ障子を配置しています。奈良という歴史のある観光地の中心にあるため、平城京の宮廷に囲まれた中庭で食事をして頂くというコンセプトにしました。

居酒屋店内 図面

断面図を見ると床の傾斜がよく分かります。

飲食店舗 平面図

せっかく床が傾斜しているので、店内に川を流しました。図面の左側が映画のスクリーンがあった場所、現在は大きな宴会場を配置しています。その手前が傾斜床の最下部なので、そこにろ過装置を設けた池を作り、水をポンプアップし、エントランス(図面右)あたりの川上から水を放出して循環させています。

川をまたぐ個室

その川にまたがる個室の床はガラス張りになっており、

ガラス床の個室

床下の川の流れを見ることができるようになっています。

寺院の線画が描かれた鏡面壁

宴会場の巨大な壁は鏡張りになっており、寺社の線画が描かれています。

鏡面壁の隠し扉から宴会場へ

その鏡張りの壁の一部が隠し扉のようになっていて、

宴会場通路

そこから宴会場へアクセスします。

鏡壁面に映り込む庭園と光障子

宴会場の巨大な壁面を鏡張りとすることで、光障子が庭園の周囲を360度取り囲んでいるように見えます。この写真正面の光障子はエントランス側の障子が鏡面に映り込んだものです。ちなみにこの写真はエントランス頭上の映画館時代に映写室であった場所から撮影しています。

記録的集客を実現

このように物件のハンデであると思われていた要素をあえて生かすことで、反対に他の物件では真似できない、個性の強い魅力的な店舗ができます。
当該居酒屋店舗は、開店当初から記録的な集客を実現し、某グルメサイトにてオンラインクーポンのダウンロード数西日本一を記録するなど、大きな話題を呼びました。現在オープンから10年以上経ちますが、現在も変わらぬ盛況ぶりです。
やはり店舗は集客が命ですから、オープン当初から話題を呼び、長期にわたって収益を生み続ける、ビジネスツールとしてしっかり機能する空間を設計することが肝要です。

次回 眼科クリニックデザイン事例(東京都渋谷区)

次回は渋谷駅近くにある眼科クリニックの設計事例をご紹介します。

※集客を実現する店舗空間デザインはコチラの記事をご覧ください

弊社の設計事例についてはコチラの作品集をご覧ください
2025.8.8

空間デザイナー 松本哲哉

【この記事を書いた人 松本 哲哉】

一級建築士・宅地建物取引士・大阪芸術大学非常勤講師
株式会社KTXアーキラボ一級建築士事務所 主宰
株式会社マツヤアートワークス 代表取締役
2024年度イタリアDAC認定デザイナーランキング世界9位(日本国内1位)
ウィキペディア 松本哲哉(建築家)

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    • 東京都港区南麻布3-4-5 エスセナーリオ南麻布002

    • 事業内容:飲食店・クリニック・物販店・オフィス・美容院などの店舗デザイン・建築設計

    • メール: kentixx@ktx.space

    • 電話番号: 03-4400-4529(代表)

    • ウェブサイト:https://ktx.space/

    • Instagram:https://www.instagram.com/ktx_archilab/

  • 株式会社マツヤアートワークス


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