写真と香りの類似性。
日常の中にはたくさんの香りがあります。
洗濯物のふわっとした香り、お味噌汁のあったかい香り、雨のじめっとした香り、恋人の安心する香り。

意識しなくても、どこかで感じでいます。
そしてそれは強く記憶に残っていると思います。
その瞬間の記憶を香りと一緒に、ビンに入れて蓋をするような。
香りがトリガーになって、思い出す記憶。ビンの蓋が開けっぱなしになっても尽きることのない、無限の時間。
香水売り場を横切った時にふわりと香る、元カノとの記憶。
久しぶりにおばあちゃんの家に行った時の、幼い記憶。
空港に行った時の、昔の旅の記憶。
どこか過去を疑似体験しているような瞬間だと感じます。

写真には「今この瞬間を残す力」があります。
その瞬間は人それぞれの”未来”で、大きな価値ある1枚となります。
卒業文集が、子供の生まれた瞬間が、そうであるように。
だからこそ、今この瞬間を残しておくことが大切です。
その1枚の写真がトリガーとなって、記憶の小旅行に出ることができます。

過去の擬似体験。
ちょっと切ない、楽しい時間。
良い事も、時には嫌な事も思い出してしまうけれど、それがあったから今の自分があるんだなって、ちょっとだけ強くなれる。
もしかしたら忘れてしまうかもしれないけれど、絶対に残しておきたい瞬間は写真を撮りたい。
香りも写真も、その瞬間までは忘れているけれど、細胞に残る過去を今に伝えてくれる、心の豊かさの象徴なのかもしれないと感じます。
とりとめのない日常を過ごすけれど、刺激の少ない毎日を淡々と過ごすけれど、どの1日も自分の一部。
そんな自分達を忘れないために、香を置いて、写真を残そう。

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