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自分の悩みがちっぽけに思えた|「前見て歩きなさい」母の何気ない一言|悩み|空|言葉

母とこんな会話をしたことがある。

[私]私、母からの言葉で唯一覚えていることがあるんだよね。
[母]なに?

前見て歩きなさい

[私]これ。
[母]そんなこと言ったっけな?
[私]この言葉だけは覚えてるよ。

言葉だけ聞くと、とてもかっこいい。
実際は、私はよく下を見て歩いていた。
そしてよく転んだ。

そこで、転ばないように母が私に言った言葉。

そんな何気ない言葉だが、私は大切に思っている。
ふとした時に思いだす言葉。


私はよく転んだ

小学校低学年の時。
歯医者に行くときだったと思う。

私は転んだ。
とぼとぼ地面を見ながら歩く。

つらいことがあったわけじゃない。
前を見ても面白い景色がないから、
地面を見て何かを探していたのかもしれない。

私は、ただとぼとぼ歩いていた。

あっ
 

 
転んだ。

野菜をくれるおっちゃんの言葉

家の近くに、家庭菜園をしているおっちゃんがいた。
よく野菜をくれるおっちゃん。
名前は知らないが、おっちゃんだから「おっちゃん」である。

きゅうりをもらったお礼にお菓子を持っていく。
旅行のお土産を持っていく。

すると、
明らかにお菓子の量を増やして私は家に帰る。

あげた二倍はお菓子をもらっていた。

そんなおっちゃんがこけた私に言った

子供はコケて強く大きく育つんだ。
転べ、いっぱい転べ。

確かに。
子供はいっぱい転んで起き上がって、泣く。
そしていつか歩きだす。

私ももちろん例外ではない。
そこから、何となく転ぶことに対してよいイメージを持つようになった。

痛いから嫌だけれども。

母の言葉

母の言葉をふと思い出す。
疲れたとき、元気が無い時たまに思いだして空を見る。

空はおっきいな。
自分って小さいんだな。
なんか悩んでたけど、小さな悩みだな。
なんてことないや。

そして前を歩く。
空は大きい。
広い。対して自分はとても小さい。

その大きさの違いに圧倒されて、
自分の悩みがなんてことないんだと思う。
そして歩き出す。




だれしも転びながら生きてきた。
母の手をかりながら、
そしてだんだん自分の力で起き上がっていた。

転んでも泣いた後に起き上がればいい。
疲れたときは空をぼーっと眺めるのもいいかもしれない。

*母はご存命で、元気に万年筆とインクで遊んでいます*

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