準備☆_04【熱きアツキ】【シロクマ文芸部】
熱帯夜を更に熱くさせるさいたまスタジアムに、選手を乗せたチームバスが到着した。アツキはいよいよ本格的にプロとしてのサッカー人生が始まるんだと思うと、さすがにドキドキしてきた。予想通りのベンチスタートだが、コンディションは好調で、いつでも試合に出る準備は整っている。
ロッカールームに入ると、指定されたアツキ用のロッカーには背番号の下に『ATSUKI』とプリントされたユニフォームがかけられていた。ハンガーから外そうとした瞬間、指先が震えて、ユニフォームを床に落としてしまった。
「さすがのアツキ様も緊張しているのかな?」
「違いますよヤマトさん、武者震いってやつです」
「そうかそうか」
「あれ?前にも同じこと聞かれて、同じ答えをしてませんでした?」
「そうかそうか」
「もう、ありがとうございます。おかげで肩の力が抜けました」
ヤマトは豪快に笑い、アツキの頭を乱暴に撫でた。
軽くストレッチを済ませると、ピッチでのウォーミングアップの時間になった。ピッチに向かう大きな階段の前で立ち止まり、深呼吸をした。小走りで一気に階段を駆け上がると、真っ赤に染まったスタジアムが目に飛び込んできた。ゴール裏では波のようにたくさんの旗が振られていて、万雷の拍手で出迎えられた。
ショートストーリーをつなげて連載中です。毎週金曜日頃投稿予定です。目次に各話のリンクを貼っていますので振り返りにどうぞ。
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