深く、しっかり息をするだけで、なぜ心が整うのか——川上未映子の優しいエッセイ 『深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集』川上未映子
『深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集』川上未映子
まとめ
本書のあとがきにあった「なんとなく、思いついたときにでも、深く、しっかりと息をしてみること。そのあとのことは、そのあとやってくるものにまかせるような、穏やかさで。」という言葉が特に心に残りました。2011年から2022年までの十二年間の軌跡を静かに記録したエッセイ集です。

本書を読んで特に印象的だった点を3つ挙げます。
① 雑誌『Hanako』の連載から80編を厳選し、各年の振り返りを新たに書き下ろした構成で、著者自身の変化を丁寧に綴っている点。
② メイクやファッションなどの軽やかな話題の中に、本質的な問いかけが静かに潜み、読む者の内面に働きかける力がある点。
③ 小説とは異なる親しみやすい文体の中に、川上未映子さん特有の鋭い観察眼と誠実さが息づいている魅力。
読み終えたあと、気づかぬうちに浅くなっていた自分の呼吸に改めて目を向けました。大きく息を吐き、ゆっくりと深く吸い直す。その単純な行為が、自分自身を丁寧に扱うための確かな第一歩になると実感しました。
静かでありながら確かな手応えを残す一冊です。ぜひ手に取ってみてください。
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感想
『深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集』川上未映子
「なんとなく、思いついたときにでも、深く、しっかりと息をしてみること。そのあとのことは、そのあとやってくるものにまかせるような、穏やかさで。今、そんなことを考えています。」
このあとがきの言葉を胸に刻みながら、本書を読み進めました。雑誌『Hanako』に2011年から2022年まで連載された「りぼんにお願い」から80編を厳選し、各年の振り返りを新たに書き下ろした本書は、著者自身の十二年間にわたる軌跡を静かに記録した作品です。日常のささやかな喜びや悩み、身体と心の変化、執筆という営みに対する省察が、穏やかでありながら確かな筆致で綴られています。
とりわけ印象に残ったのは、軽やかな話題の中に潜む本質的な問いかけです。メイクやファッションに関する話から、時代の移り変わりや人間関係の機微に至るまで、柔らかな語り口の奥に、読む者の内面に静かに働きかける力が感じられます。小説とは異なる親しみやすい文体の中に、川上未映子さん特有の鋭い観察眼と誠実さが息づいている点が、非常に魅力的でした。
読み終えたあと、気づかぬうちに浅くなっていた自分の呼吸に改めて目を向けました。大きく息を吐き、ゆっくりと深く吸い直す。そのきわめて単純な行為が、自分自身を丁寧に扱うための、ささやかながら確かな第一歩になるのかもしれません。静かでありながら、確かな手応えを残す一冊です。ぜひ多くの方に手に取っていただきたいと思います。
#読了
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