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THE GAZETTEを読む(20)2016年4月号 導くために作る:新しいリーダーシップモデルに必要な新しいツール

 本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
 この記事の引用元原文はこちらのPDFから読むことができる。

 今号では、Donna DenioとDieter Reutherによる『導くために作る(Build to Lead)』を紹介している。

 多様な従業員の生産性を最適化すること、より少ない人数でより多くのことを達成すること、会議で多くの時間を浪費することなど、今日の課題は私たちにストレスとトンネルビジョンをもたらしています。遊びは論理的な解毒剤です。
 レゴ®︎シリアスプレイ®︎のファシリテーターであるDonna DenioとDieter Reutherは、様々な社会的トレンドが仕事と遊びの両方に与える影響について説得力のある概要を提示し、この一見相反するものが収束するよう圧力をかけています。『導くために作る(Build to Lead)』は、レゴ®︎シリアスプレイ®︎のビジネスケースの価値を詳細に示す事実やストーリーを探しているすべての実務家のためのリソースとなる図解が盛りだくさんの無料eブックです。

THE GAZETTE 2016年4月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 上記文章中に出てくる「トンネルビジョン」はトンネルの中にいるときのように、非常に狭い範囲でしか世界が見れなくなっており、かつ外界からの情報もシャットダウンされている心理的な状態のことである。ストレスが高まると、人間の心の防衛的反応として、このようなことが起こる可能性があることは、よく指摘されている。そのようなストレスがかかる社会で、さらに産業界では働き方などの変化が起きている中で、それを克服するものとしてレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドが有力な方法となる。
 上記が本書『導くために作る(Build to Lead)』を貫く問題意識である。レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドとはどのような手法なのかについての解説も入っているが、それ以上に社会や産業の変化における特徴を描くことに重きが置かれている。

仕事と遊び、人間の知の探求の表裏一体

 私たちが知っていながら、ほとんどの人が忘れてしまった「遊び」の力を利用して、チームを強化し、今日のビジネス課題をサポートする創造的で強力なソリューションを全員で実現できるとしたらどうでしょう?
 ビジネス未来学者のパット・ケインは、著書『The Play Ethic』の中で、「遊びは21世紀にとって、工業化時代における仕事と同じように、価値を知り、行い、創造するための支配的な方法になるだろう」と述べています。このようなとんでもない主張が真実であると、企業の懐疑論者を納得させるにはどうすればよいのでしょうか。
 本書では、あらゆる年齢の人々がどのように学び、成長するかについての神経科学の分野からの新しい証拠や、あらゆる年齢の人々がリスクを取り、実験するための安全な空間を作るための遊びの役割など、さまざまなアプローチがまとめられています。また、本書では、Googleなど企業のトレンドセッターたちが、オフィスの装飾から生産性を高めるファシリテーションのテクニックまで、遊び心を取り入れたアプローチを実践している事例を紹介しています。

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 「遊び」の効力については、さまざまな研究においてその重要性が示されているものの、上記に書かれているように、まだまだ産業界では、抵抗感が強い。そのメカニズムについては、簡単であるが私も別の記事に考察したことをまとめたみたことがある。

 安定した活動を繰り返していくと、企業の組織は人体のように筋肉や腱が固くなる。それをほぐすように人間はストレッチや体操をするが、そのような活動をするように企業の組織には生来的に備わっていない(それを感じる神経や判断力が人間のように発達していない)。そうなるとそこで働く人たちの感覚も固くなる。
 どうすれば「企業の懐疑論者」を頷かさせることができるだろうか。これはレゴ®︎シリアスプレイ®︎を扱うファシリテーターたち共通の課題であり、求められる能力とさえいえる。上記のように組織の硬直化のメカニズムとリスクを説明する他に、以下のように(この記事の横のコラムに書かれているコメント)あるべき組織の変化を示して説明することでもよいだろう。ファシリテーターには、時代背景と働き方・組織形態の変化を説くだけの教養が求められるというのは酷だろうか。

指揮命令系統は、チームメンバーの指導、鼓舞、完全参加を促進する新しいリーダーシップモデルに取って代わられつつあり、そこでは他者のリーダーシップの可能性を表面化することが行われます。

コラボレーションは、良き理想なのか、それともワークプレイスの現実か

 私たちの仕事に関するメンタルモデルは仕事の現実に追いついていません。知識労働はもはや頭を下げて真剣に孤独に取り組むものではありません。今日の複雑なビジネス課題では、コラボレーションが重要な鍵を握っています。一流の出版物にはコラボレーションの価値についての記事が数多く掲載されています。しかし、年齢や技術的、職業的な訓練、民族的な背景が大きく異なる大人たちが、実際にお互いの話を聞き、さらに重要なこととして、お互いを信頼するためにはどうすればよいのか、そのヒントを与えてくれるものはほとんどないのです。レゴ®︎シリアスプレイ®︎は、人々が新しい方法で互いを理解し、コラボレーションという夢を、人々が互いのアイデアの上に構築するという現実に変える、数少ない試行錯誤の手法の1つなのです。
 DonnaとDieterの言葉を引用しましょう。「そう、仕事場での遊びは破壊的であり、私たちのチームや組織はこの破壊を沈黙しつつも切に必要としているのです。私たちは皆、”いつものように "ビジネスを続けることが、クリーンで再生可能なエネルギーの創造、人間にフォーカスした機能するテクノロジー、安全で安心な都市など、私たちが共に直面しているグローバルな課題に最高の知性を適用できるようなコラボレーションの未来をもたらさないことを心で感じています」。

THE GAZETTE 2016年4月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 さまざまな問題を抱える現在だからこそ、いろいろなものを壊しながら再構築していかなければならない、ということに私も強く同意する。ただ、それを実現する「コラボレーション」を組織の中でどう実現するか分からないが故に「現状維持せざるをえない」人たちをどう見つけ、勇気づけ、変化へと踏み切らせるか。どのように訴えかけていくと、そのような人たちの気持ちが動いていくのか。それも含めて「組織変革」を理解しておかねばならない。

電子ブックへのアクセスについて


 今号では、電子ブックへのリンクが貼られているが、現在では切れている。検索で存在を確認し、いくつかのサイトで入手可能である(英語版のみ。筆者はSlideShare経由で手に入れた。)


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