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カスタマイズの効用

どうも、リベラルアーツ系公務員の吉崎です!
毎月第3火曜日に開催しているオンライン勉強会「地頭アップデートジム」シリーズです。
今回は、2026年3月20日に開催した内容の一部をご紹介します。(第3火曜日は都合が悪かったため別日に開催しました)

「地頭アップデートジム」って何?という方は以下の過去記事をご参照ください。

今回は、これまでの話題提供を中心としたスタイルから、もう少しワーク(みんなで考える)の時間を増やし、よりジムっぽくやってみました。


具体的事例から考える

藤田金属株式会社の「フライパン物語」

  • 市販の既製品フライパンは、自分の好みにピッタリ合うものが少ない(どこかは妥協している)

  • フライパン物語は、フライパンの素材(鉄、アルミなど)や表面の加工、持ち手の素材(木、金属、樹脂など)を消費者が好みに応じて注文できる

カラオケまねきねこの「本人音源カラオケ(駆け合いモード)」

  • 「かけあいモード」は自分が歌うとボーカル音源の音量が自動的に下がる

  • サビだけとか、ボーカル音源を大きくして本人とデュエットとか、苦手なところは本人音源とか、好みに合わせて楽しめる

上記2つの事例からどんなことが言えると思いますか?
「つまりこういうこと」、「要するにこういうこと」といった感じで抽象化してみましょう。

抽象化してみよう

参加者のみんなで考えたところ、こんな意見が出ました。

【大量生産から個の満足へ】
 
物質的に満たされた現代では、大量生産・大量消費を前提としたものづくりから、いかに個人の満足度を高めるかという点にフォーカスが移っているのではないか

決定権の所在】
人は誰かに決められることよりも、「自分で選ぶ」、「自分に合わせてもらう」というプロセスそのものに価値を感じるのではないか

カスタマイズの重要性】 
共通するキーワードとして「カスタマイズ」が挙げられ、既存の枠組みを個別のニーズに合わせて調整することの本質的な価値が高まっているのではないか

読者のみなさんはどんな抽象化をしましたか?

転用してみよう

いかがでしたか?
うまく抽象化できなかったという方も、落ち込む必要はありません。
こういう思考の訓練は、地道にコツコツ積み上げていくものなので、一朝一夕にできるものではありません。
だから私もこうやって「地頭アップデートジム」で月一回は鍛えていますw

さて、ここではひとまず「カスタマイズ」という抽象化にしてみることにしました。

では、ここからが地頭アップデートジムの本題ですw
抽象化できたら、次は自分事に転用します。

ぜひ考えてみてくださいね

参加者のみなさんで話したところ、以下のような意見が出ましたよ。

1. DX(デジタル・トランスフォーメーション)への転用

【独自の業務アプリ構築】
ノーコードツール「AppSuite」を活用し、従来Excelで行っていた煩雑なパソコン管理業務を自前でアプリ化した。
既存のパッケージでは対応できない「自分たちの組織の体制に合わせたカスタマイズ」を行うことで、現場から好評を得ている。

地方の文脈への「再埋め込み」】
都会で成功したDX事例をそのまま地方に持ち込んでも、「地域のコミュニティ文化(地縁)」と合わず、はまらないことが多い。
事例を一度分解・抽象化し、その地域の形に合わせてカスタマイズ(再埋め込み)することが重要だ。

【サブスクリプションの最適化】
個人的に、Netflixは全部見る時間がないので、自分の興味がある「スポーツだけ」とか「アニメだけ」など、もっと細かい単位でのサブスク(カスタマイズ)ができれば、より利用しやすい。

2. 「アナログ」なカスタマイズの重要性

【対人・伴走型の支援】
 
デジタル化が進む一方で、「電話がつながらない」、「アプリの使い方がわからない」といった不満を持つ層に向けた、「泥臭いアナログな対応」というカスタマイズこそが、これからの差別化や満足度向上に繋がる。

【「おまとめ」による利便性の向上】
家族を亡くした際の役所での手続きをワンストップで完結させる「おくやみ窓口」。
これは個別に分かれた窓口をあえて「セットにする(おまとめ)」という形でのカスタマイズであり、利用者の負担軽減につながっている。

【特別感の演出】
 スターバックスのように「決められた枠組みの中で自分なりにアレンジする」ことで生まれる「あなたのために」という特別感が、行政の仕事(まちの声を聞いた手札の組み合わせ)にも活かせるのではないか

ハイブリッドな受付体制】
 
検診予約システムにおいて、デジタルが得意な人はシステムで予約し、苦手な人は電話で予約するというように、利用者のシーンや能力に合わせて手法を選べる(カスタマイズできる)状況を作るのが良さそうだ。

このように、単に「機能を増やす」ことだけではなく、「相手の文脈に合わせる」、「アナログとデジタルを使い分ける」、「要素を分解して再構築する」といった、多様な視点でのカスタマイズのあり方について話し合いました。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
今回は、実際に抽象化と転用をやってみるという、よりジムらしい内容でしたが、参加者のみなさんからは

  • 提示されたお題に対して瞬発力で対応し、議論を通じてバラバラだった情報が整理されていく過程が面白かった

  • 成功事例をそのまま持ち込むのではなく、一度「分解・抽象化」して共通言語化しなければ、自分のフィールドにははまらないという本質的な気づきを得た

  • 1人で考えていると数分で通り過ぎてしまうような事例でも、他者の話を聞くことで物事が多面的に見えてくる

  • 「全国一律で遊びがない」と思われがちな自治体の仕事も、抽象化の視点を持てば「地域の声を聞いて手札を組み合わせるアレンジの可能性が大きい仕事」だと捉え直すことができた

  • カスタマイズを進める上では、単に機能をいじるのではなく、まず要素を分解し、コミュニケーションを通じてニーズを丁寧にヒアリングすることが不可欠だと再認識した

といった好意的な感想が寄せられました。ありがとうございます!

以上、地頭アップデートジムの紹介でした。
次回は「相手視点で考える」です。
それでは、また次回をお楽しみに〜。

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