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地頭アップデートジムで身につく力

どうも、リベラルアーツ系公務員の吉崎です!
毎月第3火曜日に開催しているオンライン勉強会「地頭アップデートジム」シリーズです。
今回は、第3火曜日は都合が悪かったため、2026年2月20日に開催した内容の一部をご紹介します。

「地頭アップデートジム」って何?という方はコチラの過去記事をご参照ください。

今回のテーマは、「地頭アップデートジムで身につく力」です。
私が地頭アップデートジムを始めた理由ややり方は、上記のnoteでも書きましたが、そういえば身につく力やメリットについては、きちんと話していなかったな、と思いテーマにしました。
これまで7回くらいやってきた中で、少しずつ言語化できるようになってきたので、ここでまとめて記事にしてみたいと思います。かたじけない!


地頭って?

そもそも「地頭」とは何でしょうか?
私は、パソコンやスマホでいうところの「OS(オペレーティングシステム)」だと考えています。
パソコンやスマホで最新のアプリをダウンロードして使おうとしても、OSが古いとダウンロードできなかったり、正常に起動しなかったり、あるいはセキュリティに脆弱性があったりするので、OSのアップデートをしますよね?

それと同じで、私たち人間も最新のアプリ(例えば、AIとか色々なノウハウとかテクニックとか)をダウンロードして使おうとしても、OS(地頭)が古いままだと、そもそもその価値や意味を理解できなかったり、仕組みや構造が分かっていないので使いこなせなかったりします。

「本や講演会などでいろんなノウハウやテクニックをインプットしているけど・・・」
「私はアナログ人間(or 昭和世代)だから・・・」
「最新のダイエット法(or 筋トレ)をいろいろ試しているけど・・・」
「最近の若者(or 流行)は理解できない・・・」
「とりあえず、AIを使ってみたけど・・・」

こんな経験が増えてきたら、地頭をアップデートするサインかもしれませんよw

地頭を構成する5つの力

もう少し解像度を上げて、「地頭」を具体的に言語化してみます。
これまでの地頭アップデートジムを通して、私は次の5つの力で地頭が構成されているのではないかと考えました。

①複眼思考力(ミクロとマクロ、視座の切替)

この言葉自体は、私も聞き慣れない言葉でしたが、要するにミクロの視点とマクロの視点の両方の視点を持っていることで、物事を俯瞰して全体を把握したり、近くで個別具体の事象を深掘りしたりできる力のことです。

地図アプリなどで、ズームインでどんどん拡大して道路や建物などを一つ一つ見るのが「具体」だとすれば、ズームアウトして地域全体や日本全体、あるいは地球全体を見るのが「抽象」です。
マーケティング界隈では、「虫の目、鳥の目、魚の目」などと言われたりもします。
虫の目は具体的事象を深掘りする力、鳥の目は俯瞰して全体や構造を捉える力、魚の目は時間や世の中の流れ(トレンド)を掴む力のことです。

要するに、視座を上げたり下げたりすることで、具体と抽象を行ったり来たりできる力です。
この複眼思考力が上がると、物事の本質や全体の構造と、構成する個別具体的事象の関係性が見えるようになるので、個別の知識や技術など(先述したアプリ)の使い道が瞬時に判断できるようになってきます。

ここでのポイントは、高い視点(俯瞰)や深い視点(本質)の方が、低い視点(具体)よりも優れているというわけではなく、重要なのは往復することだということです。
具体と抽象を行ったり来たりすることで、本質や構造が見えてくるのです。

②洞察力(本質を見抜く力)

物事の表面的な部分を見る力を観察力とするならば、洞察力とは、目に見えない部分まで見抜いていく力だといえます。
枝葉(個別具体の事象)にとらわれず、幹や根(根本、本質)、あるいは木全体や森全体(抽象)などを見ることで、問題を根本から解決できるようになります。

また、本質が見えるようになるとインサイト(隠れた欲望)が見えるようになるのではないかとも考えています。
インサイトとは、マーケティング用語で「消費者本人も意識していない心の核心部分」のことで、潜在的な欲求や本音、深層心理を表します。
海に浮かぶ氷山の図で表すとこんな感じです。

一番上の海上に出ている部分は、すでに言語化された顕在ニーズで、この部分は満たして当たり前の領域なので、むしろ満たされないことが不満になったりします。
一方、海の下の部分は2層に分かれていて、潜在ニーズの部分は消費者本人も「何となくモヤモヤしている状態」で、「これがもっと楽にできたらいいのにな」とか「めんどくさいな」と思いながらも、「まぁ、しょうがないよね」と諦めている部分で、まだその不満やモヤモヤを言語化できていない(甘んじて受け入れている)状態です。
そして、さらに下のインサイトの部分は、めんどくさいとすら感じていなかったり、当然のように受け入れていたので、それを不満とも思っていない状態です。

この水面下の潜在ニーズやインサイトに深く突き刺さるような商品・サービスは、消費者から「そうそう!こういうのが欲しかったんだよ」とか「これはまさに私のための商品(サービス)だ」と喜ばれ、「作ってくれてありがとう!」と感謝されます。

③論理的思考力(ロジカルシンキング)

次に、論理的思考力は、直感や感覚ではなく、筋道を立てて矛盾なく考えて結論を導き出す力です。
物事を体系的に整理し、論理的に問題を分析することで、的確な解決策を見出すことができます。

また、複雑なものをシンプルにしたり、抽象的な言葉を解像度を上げて具体的にしたりすることもできるようになります。
ツリー図などで表す場合は、「モレなく、ダブりなく」というのがポイントになってきたりします。

④批判的思考力(クリティカルシンキング)

③の論理的思考力をより強固なものにできるのが、批判的思考力です。
一旦、論理的思考で立てた仮説を、「前提は本当に正しいのか?」とか「都合の良い事実やデータを用いていないか?」など俯瞰的・多角的視点でチェックする力です。

この力がつくと、メディアやSNSなどの情報を鵜呑みにしたり流されたりせず、客観的な事実やデータに基づいて多角的に分析し、論理的に最適解を導き出すことができるようになります。
特にSNSはただでさえ偏った情報が多く、アテンションエコノミーなどという言葉も出てきたくらいですが、AIの登場により、この状況がさらに加速し、真偽不明のまことしやかな情報が跋扈(ばっこ)するようになっていますので、クリティカルシンキングができないと最悪の場合、自分が加害者になってしまう可能性すらあります。

また、新聞やテレビなどのメディアで報道されている情報も、それを作った記者や専門家などの見解の一つに過ぎないと捉えることが重要です。
例えば、次のグラフは、武蔵野市の人口の推移を表したグラフ(令和5年度版)ですが、ここから2つの真逆の結論を語ることができます。

①武蔵野市の生産年齢人口は、平成17年以降、増加し続けている
②武蔵野市の生産年齢人口の割合は、平成17年以降、減少し続けている

①も②もどちらも同じグラフを根拠にしている、つまりファクト(事実)は同じですが、導き出す結論は、その人が「①増加している」と「②減少している」のどちらを論じたいかによって変わるということです。

このように、私たちは情報に惑わされたり、流されたりしないように、その根拠や前提を疑う力を持つ必要があります。
そして、できれば根拠となる情報は、二次情報や三次情報ではなく一次情報をしっかり確認したいところです。

⑤類推思考力(アナロジーシンキング)

最後に、類推思考力とは、2つ以上の物事の間にある共通点に着目し、考えている課題に応用する力のことです。
複眼思考力や洞察力で見つけた「物事の本質や構造」を、論理的思考と批判的思考で分析したり検証したりして、ある程度の確信が持てたのであれば、その本質や構造を、自分事や他の課題に転用するのです。

ビジネスの世界では、この転用力があることで新たなビジネスが多く生まれています。

例えば、「フライパン物語」(藤田金属株式会社)という商品があります。

・市販のフライパンで、素材(鉄、アルミなど)や持ち手の素材(木、金属、樹脂など)、表面の加工などが、自分の好みにぴったり合うものを見つけるのは困難(どれかは妥協しなくてはならないケースがほとんど)
・そこで、それらをカスタマイズしてオーダーできるサービスを始めたところ、大ヒット!
・カスタマイズするという発想は、自動車販売から転用した

自動車販売においては、パーツ(ホイール、サスペンション、エアロなど)や色や内装などを好みに応じてカスタマイズして「自分好みの車」を製造してもらうというスタイルが当たり前ですが、それをフライパン製造にも転用した事例です。
「自動車製造とフライパン製造は別物」という具体的な業種分類で捉えるのではなく、自動車もフライパンも「消費者によって好みが分かれるものを作る製造業」という抽象化した分類で捉えることによって、カスタマイズという解決法が転用できたのだと考えます。

また、別の事例では、2025年11月3日の日経新聞に「社員の『暇』を商機へ 福島のアンコ店が玉こんにゃくを副業に」という記事が掲載されていました。

・あんこ担当は、夏が暇で、冬が繁忙期
・あんみつ担当は、夏が繁忙期で、冬が暇
・暇な期間は、他社が製造する玉こんにゃくの袋詰め作業を受託し、新たな利益を生み出した

この事例のポイントは2つあります。
一つは、袋詰めに欠かせないレトルト食品の殺菌機などを所有しており、大規模な設備投資が不要だったこと。
そして、2つ目は、この機械を「あんこやあんみつなど(自社製品)を袋詰めする機械」と個別具体的に捉えるのではなく、要は「(自社他社問わず)食品を袋詰めする機械」と抽象的に捉えて、転用したことが最大のポイントだと考えます。

地頭をアップデートするためにはどうすればいいのか?

ここまで、地頭を構成する5つの力をご紹介してきました。
人間もパソコンやスマホのように、最新のバージョンをインストールできれば楽なんですが、残念ながら私たちが地頭をアップデートするためには、コツコツ積み上げるしかありません。

そこで、必要になってくるのが「具体と抽象を行ったり来たりする」訓練です。
まずは、日々の生活や仕事の中で、折に触れて「具体と抽象」を意識して往復してもらうのが一番です。具体的には、

「要するに・・・」とか「つまり・・・」で抽象化したり、
「例えば・・・」とか「具体的には・・・」で具体化したり、

という思考を巡らせてみてください。
そして、月1回の地頭アップデートジムでみんなでアウトプットの訓練も兼ねて雑談してみましょう。

具体と抽象の往復ができるようになれば、問題を根本から解決できるようになります。
それを、相対性理論で有名なアインシュタインは
「いかなる問題も、それをつくり出したのと同じ意識レベルで解決することはできない」
と表現しているそうですよ。

以上、地頭アップデートジムで身につく力でした。
次回は、「カスタマイズの効用」です。
それでは、また次回をお楽しみに〜。


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