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相手視点で考える

どうも、リベラルアーツ系公務員の吉崎です!
毎月第3火曜日に開催しているオンライン勉強会「地頭アップデートジム」シリーズです。
今回は、2026年4月21日に開催した内容の一部をご紹介します。

「地頭アップデートジム」って何?という方は以下の過去記事をご参照ください。

今回もワーク(みんなで考える)を中心にして、よりジムっぽくやってみました。


具体的事例から考える

伊藤園の「お〜いお茶」

  • 1985年 世界初「缶入り煎茶」を発売

  • でも売れなかった

  • 煎の字が読めないというご意見が多く寄せられていた

  • 1989年に商品名を「お〜いお茶」に変更

森永製菓の「ひととペット プロジェクト」

  • 「ひとと愛犬が一緒に食べられるおやつ」 2026年3月発売

  • 「ひとと愛犬」が一緒におやつを食べることが、「それは本当に愛犬にとってうれしいことか?」という根本的な問い(←まさにクリティカルシンキングですね)から商品開発をスタート

  • 動物行動学の第一人者(東京農業大学教授)との共同調査で、同じ体験を共有することは、「愛犬」にも「ひと」にも非常に好意的に受け止められることが確認できた(特許出願中)

子どもへの声掛け(教育者の石田勝紀先生のお話を引用)

  • 子どもが90点のテストを持ち帰ってきて、「100点取れなかった~」と言って悔しがっていたり、落ち込んでいたりしたら、あなたは何て声を掛けますか?

  • 私も含め多くの方は、「90点も取れてスゴイじゃないか!頑張ったね!」とか、「がっかりする必要なんてないよ。9割できていれば十分だよ」などと声を掛けるのではないでしょうか

  • ですが、子どもが望んでいるのは、「本当は100点を取りたかった」つまり「どうやったら100点を取れるのか」

  • なので、「惜しかったね。じゃあ、どうやったら100点取れるか一緒に考えようか」と声掛けする方が良い

抽象化してみよう

上記3つの事例からどんなことが言えると思いますか?
「つまりこういうこと」、「要するにこういうこと」といった感じで抽象化してみましょう。

参加者のみんなで考えたところ、こんな意見が出ました。

【「相手が何を望んでいるのか」を確認する大切さ】
受け手が求めている本質的なニーズを、先入観なく確認することの重要性

【今思っていることを疑う】
既存のネーミングや「こうすれば喜ぶだろう」という思い込みに対し、「本当にそうなのか?」という批判的思考(クリティカル・シンキング)を持つことが起点になる

【相手の視点を自分の中に取り入れる(寄り添う)】
 単なる知識としての理解ではなく、相手の立場に立ってその人の世界観を想像することの重要性

【プロダクト(中身)ではなく伝え方の精査】
 プロダクト自体が悪くなくても、届け方や見せ方が相手に合っていなければ成功しない。失敗した際に「何が悪かったのか」を相手視点で精査し続ける姿勢が重要

読者のみなさんはどんな抽象化をしましたか?

さて、ここではひとまず「相手視点で考える」という抽象化をしました。
「お〜いお茶」の場合は、消費者視点。
「ひととペットプロジェクト」の場合は、犬視点。
「子どもへの声掛け」の場合は、子ども視点。

転用してみよう

では、ここからが地頭アップデートジムの本題ですw
抽象化できたら、次は自分事に転用します。

ぜひ考えてみてくださいね

参加者のみなさんで話したところ、以下のような意見が出ましたよ。

1.行政実務への転用

【行政用語を噛み砕く】
行政の言葉(「処分通知」や「課税標準額」など)が市民には伝わりにくい。専門用語をそのまま使うのではなく、相手が理解できる言葉に噛み砕いて伝えることが重要。

【通知の出し方を工夫する】
単にルール通りに事務をこなすのではなく、相手の個別の事情や緊急性に寄り添った対応(カスタマイズ)をすることで、感謝に繋がった経験がある。

【電話対応での聞き取り】
電話対応において「自分が知っていることを教える」という姿勢ではなく、「相手が何を知りたがっているのか」、「何に引っかかっているのか」をまず感じ取り、相手の話を先に聞くことを意識している。

【広報紙の主語を変える】
広報紙において、主語を「市」から「市民」に変えるように意識している。市が伝えたいことではなく、住民が何を知りたいのか、どういう情報を望んでいるのかに当てはまる情報を出すことで、初めて情報が伝わる。

2.イベント企画や日常への転用

【家族の体験をデザインする】
オリンピック・パラリンピック関連のイベントを企画した際、「役所がイベントをやる意味」ではなく、「参加した家族が夕食の場でどう過ごすか」という視点から逆算した。
「子どもが思い切り遊び、それを見た親が喜び、夜は子どもがぐっすり寝てくれる」という家庭でのストーリーを目標に据えたことで、非常に評判が良かった。

【発信のミスマッチを防ぐ】
コーチングをする上で、万人に受ける言葉ではなく、自分が大切にしている価値観を先に発信し、それに共感してくれる「特定の相手」に絞ってメッセージを届けることの難しさと重要性を感じている。

【行動を変える前に気持ちを変える】
子育てにおいて「早くしなさい!」と親の都合(自分視点)で指示しても子供は動かない。まず相手(子ども)の気持ちを理解し、相手の気持ちが変わるような関わり方をしなければ、行動は変わらない。

【ネーミングの意図を読み解く】
身近にあるお菓子(カントリーマアム)を例に挙げ、単に「クッキー」と名付けるのではなく、おばあちゃんが作ってくれたような「ほっこりしたイメージ」を消費者に抱かせるためのネーミング(相手視点でのイメージ戦略)だったのではないか、と転用的に解釈しました。

このように、自分の当たり前(専門用語、都合、主観)を疑い、相手の解像度を高めて、その文脈や感情に寄り添うことが、あらゆる課題解決の鍵であるという「相手視点で考える」ことの大切さを再確認しました。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
この日は、他にも具体的事例の2つ目で挙げた「ひととペットプロジェクト」について、「自分だったらペットと同じお菓子を食べたいか?」という雑談でも盛り上がりましたw

以上、地頭アップデートジムの紹介でした。
次回は5月19日に開催した「コミュニティ運営のポイントとは?」です。
それでは、また次回をお楽しみに〜。


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