#創作大賞2026 #エンタメ原作部門 納豆チャンピオンへの道 第14章|How To Make Natto-Champion|迫るタイムリミットと究極の四択
続いて三井田さんが選んだ問題は、「映像・音」の30点問題。
「次に流れる音楽を聴いて、どこのメーカーに関する音楽かを当てる問題です」
(音楽?納豆メーカーのCM問題か?)
「なっとー、なっとー、なっとー」
と、歌声が流れた。
(ん?納豆売りの歌?
しかも雑音が多いから屋外で録音?
てことは移動販売車か?!)
ピンポーン!
気づいたら、三井田さん並の瞬殺で僕がボタンを押していた。
「おっと!蒲生さん!この問題で王手をかけるか!」
「矢口納豆店のがんこおやじ納豆!」
僕の回答に、スタジオが一瞬、静まり返った。
ジモンさんが手元のカードと僕を交互に見つめた。
____ピンポーン!ピンポーン!
「蒲生さん!__正解です!スゴイ!!
なんでわかったんですか?!」
「平成の時代に未だ納豆の移動販売をしているのは、
がんこおやじ納豆だけだと思います」
「がんこおやじ納豆はどこで買えるるんですか?」
「たしか会社は埼玉県浦和市(現在のさいたま市南区)にあって、
埼玉県南部や東京都北部を移動販売していると聞いたことがあります」
「その情報はどこから?」
「東京に住む納豆開発委員会のメンバーからの情報なので、
自分は食べたことがないんですが…」
「それなのに、この大事な場面で答えられるなんて!」
「納豆売りなんて、『ひみつのアッコちゃん』の歌に登場するくらいしか
知らないですよね」
と、ジモンさんとの納豆トークが止まらず、思わず饒舌になっていた。
「ここで3人の得点を整理してましょう___。
蒲生さん120点、三井田さん60点、高野くん40点!
この時点で蒲生さんが王手をかけました!
同時に高野くんの優勝の可能性は消滅しました!」
30点問題残り2問を高野さんが連取しても100点に留まり、僕の120点には届かない。
横を見ると敗退が確定した高野さんは頭を掻いて苦笑いしていた。
本来は僕が最初に脱落するはずだった。
それなのに予想に反してトップを独走し、今まさに優勝に王手をかけている。
「さぁ!蒲生さん!次の問題はどちらにしますか?
この問題が最後の問題になるのか?
それとも三井田さんが『待った』をかけるのか?
次の問題を選んで下さい!」
「加工品の30で、お願いします」
残り2問を三井田さんが連取すれば、
二人とも120点の同点となり、サドンデス方式の延長戦に突入する。
スタッフが小さなテーブルの上に乗せたブラックボックスを持ってきた。
「この中にある商品が入っています。
箱の中に手を入れて、触っただけでその会社名と商品名を当ててください」
バラエティ番組によくある「おさわり問題」だった。
と、ジモンさんがルール説明を終えると、
ディレクターがスタート直前の場面で、また割り込んできた。
「スミマセン!かなり撮影が押して、
貸しスタジオが19時迄なので、巻きでお願いします。
よってここは、四択問題に変更します」
決勝ラウンドはここまで13問の激闘が、休憩を含めて8時間続き、18時を過ぎていた。
高野さんの敗退決定前から、裏で準備が急ピッチで進められていたようで、またまた大人の事情により、手書きで4つのメーカーと商品名が記された模造紙がホワイトボードに貼られた。
亀印製菓「水戸納豆せんべい」
いなふく米菓「納豆せんべい」
巌手屋「納豆せんべい」
金来屋米菓店「納豆せんべい」
どうやらブラックボックスの中身は「納豆せんべい」のようだ。
「それでは始めます。
スタートの合図で箱中に手を入れてください」
ブラックボックスを挟んで、三井田さんと僕は対面した。
「よーい!スタート!」
合図と同時に箱の中に勢いよく手を入れると、
思わず三井田さんの手をガシッと掴んでしまった。
「あ!」
お互い目が合い、心臓の鼓動がバクバクと激しくなった。
その瞬間三井田さんがニヤリと不敵に笑った。
まさかここで男同士の恋が芽生えるはずもなく、慌てて右手を下に降ろすと
数枚の納豆煎餅があった。
(ん?かなり納豆が大きい煎餅だな…
4つのうち、どれだ?!)
と考えている間に、スピード勝負に強い三井田さんが先に箱から手を抜いて、走って席に戻りボタンを押した。
ピンポーン!
「三井田さん、ここで優勝への望みを繋ぐか!?」
「亀印製菓さんの水戸納豆せんべい!」
「果たして正解なのか?!」
ブッブーーーッ!
「残念!三井田さん痛恨のお手付き!!
これで三井田さん窮地に追い込まれた!
ここで蒲生さんが正解したら、優勝が決まります!
もし蒲生さんが外したら、回答権が三井田さんに戻ります!
さぁ!蒲生さん!ここで決めるのか?!」
(まさか、こんな大事な場面で三井田さんが外した?!
でもまだ3択ある…
『巌手屋』って僕の地元の岩手、南部せんべいのメーカーで、
せんべいの縁が餃子の羽根みたいな形になっている。
箱の中のせんべいの縁には羽根がないので、たぶん『巌手屋』は違う。
『いなふく米菓』って秋田のメーカーだよな。
東北推しならこっちか?
それとも聞いたこともない未知の『金来屋米菓店』か……!?
ここで外せば、三井田さんに追いつかれ、延長戦に持ち込まれる公算が大きい…
『いなふく』か?それとも『金来屋』か?
ここは絶対に外せない…!
さぁ、どっちだ?)
一人で箱の中に右手を入れたまま自問自答の葛藤が続き、
懸命に納豆せんべいの手がかりを探した。
第1章はこちらからどうぞ
#創作大賞2026 #エンタメ原作部門 #ドラマ脚本 #TVチャンピオン #テレビ東京
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