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「世界の暴力団」トランプと日本:「無難」な日米首脳会談が意味すること。

なんで写真が安倍晋三元首相なん?(笑)

いったいどうなることかと思われた、ドナルド・トランプ大統領と高市早苗首相の「日米首脳会談」が2026年3月19日に行われた。

いろいろあるが、要するに日本にとっての「最悪のシナリオ」を回避し、日米同盟の「継続」を世界に印象づけるものにはなったと思う。

もちろん、高市首相は、さまざまな課題を突き付けられたし、なによりイラン戦争が長期化した際の、原油の確保、原油の高騰からするさらなる物価高による経済危機の懸念、一方で防衛費の増額は避けることはできず、と大変な困難は変わらない。

ただ、「イラン戦争」という日米同盟最大の試練が訪れ、多くの識者が「高市外交の破綻」を予言していたが、なぜそうはならなかったのか。そもそも、国際社会に今、なにが起こっているのか。

これもね、前回同様、第一次トランプ政権の時に作った説明の枠組みで説明できると思ってるんですよね(笑)。というか、それが現実になったといいますかね。

ここで、実に不人気な私のオリジナルの理論

「4D地政学」

をあらためて使ってみたい(笑)。4D地政学は、以下の私の単著・共著にも登場しますので、よろしかったら読んでみてくださいませ。

別にこれらを今から売りたいわけではないのですが(笑)。今回は、まずこちらの論考から。

こちらに、4D地政学を説明してあります。簡単にまとめてみます。

かつての伝統的な地政学において、アメリカ合衆国は

「新世界」

と呼ばれる特殊な存在だった。2つの巨大な大洋(太平洋と大西洋)に守られ、ユーラシア大陸の紛争からは物理的に隔絶された、文字通りの「安全地帯」だったのです。

このどこからも攻撃されないことが、米国を特別な存在とし、「米国覇権」が確立する本質的な条件となった。

だが、現代は国境も海も関係なく、アメリカ国内のインフラや民主主義の根幹を揺さぶる「サイバー攻撃」や、かつて盾となった大洋を一瞬で飛び越え、米本土を直接の「戦場」へと変える「大陸間弾道弾や超音速ミサイル」などのテクノロジーの進化で、米国が新世界となる前提が崩れた。そのことを説明するのが「4D地政学」だ。

「4D地政学」:テクノロジーは、地図を「折りたたむ」
また、従来の地政学は、地図の上の物理的な「距離」を前提とした、平面的なものだっ。しかし、現代の権力闘争において、その常識は通用しない。それを解き明かすのが「4D地政学」だ。

4D地政学の本質は、「テクノロジー(サイバー、金融、ミサイル、エネルギー)」の進化が、物理的な空間を「曲げ」、決定的な距離を「縮める(あるいは突き放す)」という点にある。

地図上では遠く離れていても、テクノロジーによって瞬時に「隣国」となり、攻撃や影響を及ぼすことができる。いわば、戦略的な「ワームホール(近道)」を作り出す力こそが、現代の覇権の源泉だということだ。

繰り返すが、米国は、2つの大洋(太平洋と大西洋)に守られ、物理的に隔絶された「新世界」だった。しかし、例えば、北朝鮮のICBMは、この物理的な大洋を一瞬で「折りたたみ」、米本土を直接の「主戦場」へと変貌させた。地理的な距離は、もはや安全を保障しなくなったということだ。

思わず笑ってしまう過去稿の指摘の数々

それにしても、この論考を読み直してみると、思わず笑ってしまうようなことがいくつも指摘してある。まず、

『アメリカファーストの根底には、「シェール革命」という、主に米国で生産されるシェール石油・ガスによって、米国が2011年にロシアを上回り世界最大の産ガス国になり、2013年にはサウジアラビアを上回り、世界最大の産油国となったことによって起きた、米国内と国際社会の劇的な変化がある。

エネルギー自給が可能になった米国は、「世界の警察官」を続けることに関心がなくなった。』

という部分。今の「ホルムズ海峡封鎖」に関して、トランプ大統領が日本、韓国、中国、NATOなどに

「安全なタンカー航行を確保したかったら、自分らで船出して守れ」

という。つまり、自分らはホルムズ海峡がどうなろうと実はあまり関係ない。石油がほしければてめえらで守れという、まさに「世界の暴力団」的な態度(苦笑)。

それで、米国が「世界の警察官」をやめて「世界の暴力団」となる国際社会とはどのようなものか。

それは、米国とそれぞれの国との「距離感」で国際関係が決まる国際社会だ。

米国は、自分だけでやっていこうとする。他国のことに関心はない。「アメリカ・ファースト」だ。

ただし、米国に何らかの形で危害を加える可能性がある国が現れると、その時は動いて、そのリスクを排除しようとする。北朝鮮のケースが典型だ。

ミサイル攻撃やサイバー攻撃などの技術力の進歩によって、空間をグニャリと曲げて米国との距離を縮めて、直接攻撃することが可能になる時代となった。いろんな形で米国に介入する国は次々と現れる。

それに対して、米国は世界最強の暴力装置を持つ「暴力団」として、理念や規範など関係なく、ただ米国のためだけにリスクを排除する。

そして、それぞれの国との「距離感」の取り方を決めていった。

アメリカファーストを掲げる米国が、さまざまな国に揺さぶりをかけているのは、端的に言えば、米国がさまざまな国々との間の「適切な距離感」を再構築する取り組みである。

「適切」とは、米国の邪魔にならない程度の距離感にするということだ。

そして、この論考では、米国とさまざまな国の関係がどうなったか、論じているのだけど、それは論考をみてもらうとして、笑ってまうのは、米国と距離が遠くなった国として

「産油国」

を挙げていた。

そして、米国と距離が遠くなった後に、何が起きたか。

「イラン」「ベネズエラ」

を事例として挙げた。

どんなことが起きたかは、論考をみていただければいい。だが、言えることは、第二次トランプ政権で、紛争が起こったところは、第一次政権時に、米国が関心をなくし、その結果混乱が起こっいいたところだということだ。

第一次政権時、トランプ大統領は「コストがかかる戦争は嫌い」と言っていた。実際、トランプ大統領自身が戦争を起こすことはなかった。

だが、アメリカ・ファーストによって、米国のプレゼンスを低下させた場所から、結局紛争が起こっている。

いわば、米国がプレゼンスを低下させた場所から、紛争が起きて、それを米国が「世界の暴力団」として叩く。まるで、モグラ叩きのような状況になってしまっている。

トランプ大統領にノーベル平和賞を?

いやいや、今の紛争は、みなトランプ大統領が蒔いたものが噴き出しているわけだよ。それは、トランプ大統領が崩した国際秩序の結果だ。

「無難」な日米首脳会談が意味すること

そして、日米関係だ。高市首相は「無難」に乗り切った。それはなぜか?

第一次トランプ政権時、米国と様々な国の関係性が再構築されていく中、日米関係は優先順位が低かった。

そして、トランプ・高市会談が終わった後も、少なくとも表面的には、日米関係は良好さを保っている。

結局、トランプ大統領が「バイ・アメリカ(アメリカを買え!)」と言った時、誰がアメリカを買えるの?という話だ。

同盟国では、英仏独など欧州は基本的にそんなカネはない。韓国もそこまでの力はない。結局、米国に投資できるのは日本しかいない。その力は、日本製鉄のUSスティール買収の時にも垣間見えたものだ。

第二次トランプ政権になり、「アメリカ・ファースト」はいろんな方向に拡散し、迷走している。イラン戦争には、トランプ支持のコアであるはずの

「MAGA派」

までもが、怒りを表明している。しかし、アメリカ・ファーストは、そもそも、日本をはじめとする世界中の国が豊かになったのは、それらの国の輸出を米国市場が受け入れたこと、言い換えれば米国にモノを買ってもらえたから、世界中の国は豊かになれたのだ。それは、米国にとってアンフェアだ。世界中の国が米国のモノを買うべきだという「バイ・アメリカ」が本質だ。

ただ、「バイ・アメリカ」とトランプ大統領がすごんでみたところで、結局、どこが買えるのいえば、日本ぐらいということになる。

日本なしではアメリカ・ファーストは成り立たない。それが、米国と日本の距離感だ。良くも悪くも、必要不可欠な存在。だから。日米首脳会談は穏やかに行われた。

ただし、日本は不可欠な存在だとしても、米国にリスペクトされているかは別の話だ。金づる、キャッシュディスペンサー扱いされているとみえなくもない。

繰り返すが、高市首相は、ここからが大変なんだろうね。

「キャッシュディスペンサー扱い」という言葉に、不快感を覚える方もいるだろう。しかし、現在の国際社会で

「無視される存在」

になることほど恐ろしいことはない。高市首相が手に入れたのは、プライドではなく「時間」だ。その時間をこれからどう使うかが、これからの日本の命運を分ける。

それでは、またね。


2. 「4


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