むねの奥の「きゅっ」に気づくとき──言葉にならない気持ちにふれる、大人の絵本
まるで、胸の奥に
言葉にならない何かが残っているようなとき。
むねの奥が、
きゅっ とした。

ざわざわして、
落ち着かない。

なにかあるのに、
ことばにならない。

そのまま、
そっとしておく。

ふぅーっと、
息をひとつ。

もう一度、
むねに手をあてる。

きゅっ が、
じんわり に変わる。

「ああ……
さみしいのかもしれない」

ことばになったら、
すこし ゆるんだ。

むねの奥が、
ぽわん とあたたかい。

今日、3秒だけでいい。
むねに手をあてて、
どんな感じがするか、
そっと感じてみてもいいかもしれません。
名前をつけなくても、
大丈夫です。

気持ちの手がかり
気持ちには、
いろいろな名前があります。
ぴったりの言葉が、
すぐに見つからなくても大丈夫です。
でも、もしできそうなら、
できるだけ
「しっくりくる言葉」を
そっと探してみてください。
なんとなく近い言葉を眺めているうちに、
胸の奥にあるものが
少し見えやすくなることがあります。
これは、
気持ちを決めつけるためのものではなく、
あなたの中にある感覚を
思い出すための小さな手がかりです。
選べなくても、
眺めるだけでも、大丈夫です。

あとがき
この物語は、
からだの感覚にそっと意識を向けて、
そこにある気持ちに気づいていく
「フォーカシング」という考え方をもとにしています。
言葉にならない感覚を、
無理に変えようとせず、
ただそのまま感じてみること。
それだけで、
こころは少しずつ
ほどけていくことがあります。
わたしはこれまで、
オノマトペを使った絵本を通して、
「ことばにならない気持ち」を
やさしく感じられる形にしてきました。
今回の作品は、
子どもだけでなく、
大人の方にも届くようにと願ってつくった
小さな絵本です。
もしよかったら、
あなたのペースで、
ときどき思い出してみてください。
むねに手をあてて、
ただ感じる時間を。
それはきっと、
自分を責める時間ではなく、
自分を理解する時間に変わっていきます。
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むねやこころに触れる感覚を、
やさしく感じていくシリーズです。


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