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9年経っても手持ちのデジタルカメラの機能の半分の操作法すらマスターしていないと思う


はじめに


 2016年に、はたらきはじめたこどもから交換ズームレンズ2本つきのデジタルカメラをプレゼントされた。感謝のきもちをつたえつつ早速使ってみる。自分で購入した前機種とくらべて格段に進歩。

ミラーレス一眼として、レンズを交換するとさまざまな被写体に対応できる。納得づくで希望のものを選ばせてもらった。シンプルな機種でありながらいまだに底知れぬ性能をもつ。おそらくまだ半分の機能すら使えていないと思う。

きょうはそんな話。

(タイトル写真はラピスラズリ(アフガニスタン産の鉱石))

写真について


 カメラとのつきあいはながい。かれこれ40年。わが家にあるのは一眼レフだった。当時はフィルムをカメラの裏蓋のフィルム室に装填し、巻き上げながら撮影。

それは手作業(別途、自動巻き上げのモータードライブもあり)でコツがいる。この作業でフィルムの装着をしっかりやらないと、フィルムの巻き上げができているのか手もとの感覚だけではわかりにくい。ときとして撮影してもフィルムが進んでいないということも。

なにもかも(露出計を除いて)が手作業のおかげで、カメラのメカニカルなところをよく理解できた。

現像

 大学生になり白黒フィルムやプリントならば暗室に入り、みずから現像液の調合、現像、プリントへの焼付までひととおりの作業をできるまでになった。物理学教室の先生のご好意で(演習の授業の一環だが)制限なく、写真に費用をかけられないわたしたち学生に思う存分やらせてもらえた。

おかげで写真の原理や当時流行の技術(水素増感など)を身につけられた。アルバイトで費用を工面し、交換レンズなどをそろえていった。わたしは古本屋をめぐり、写真関係の本や雑誌のバックナンバーをあつめ、構図や被写体による撮影法のくふうもいっしょにまなんでいった。技術とセンスの両方が必要だなとつくづく感じていた。

カメラについて


 当時のカメラは基本的に電源を要しない。ただし露出はボタン電池で駆動する露出計を使うか、別途、手持ちの露出計で被写体位置で明るさを測定するか、経験に基づいてフィルム感度との兼ね合いで経験的にシャッター速度や絞りなどを設定して撮影する。おかげで撮影に関するさまざまなやりかたを否応なく知ることになる。

こうして1枚の作品を得るうえで、撮影からフィルム現像、プリントへの焼付にいたるまでさまざまな関門があるといっていい。それだけねらいどおりにフィルムに撮影してプリントまで安定してできると、とおりいっぺんの技術をなんとか理解できたことになる。覆い焼きなどの調整のテクニックなどを知るように。上に記したように今度は撮影にはセンスや構図がたいせつと知る。なかなか奥が深い。

デジタルになると


 それがどうだろう。働きはじめの頃、デジタルカメラの出現によりあっさりフィルムカメラから置き換わっていく。フィルムがいらない代わりにデジタルで記憶媒体に収納されていく。

それまでフィルムの味わい深さを知れたのは大きい。なによりフィルムやプリントは費用はかかる。トライXやネオパンSSなどの白黒フィルムをやむなく選んだし、友人と長尺フィルムを分けてつかうなどしてしのいでいた。

あっというまに変わってしまったという印象。デジタルカメラでは基本的に記憶媒体しだいでほぼ何枚でも撮影でき、その場で撮影できているか確認できる。これはメリットとしてじつに大きい。もちろん最初のうちは媒体の容量の問題があり撮影できる枚数の制限はあったが。

練習が容易に

 上であげたようなカメラやフィルムに伴うさまざまな物理的な要素を理解せずとも、いくつかの手順をふめば、被写体に向けて手もとのボタンを押せば、それなりに撮影できるまでに。これはいまのスマホでの撮影とほぼ変わらない。

もちろんフィルムカメラでも、続々と後継機でさまざまなオート機能が登場した。それはカメラの技術的な側面を理解した上での利用が前提だった。それはいまのデジタルカメラでも基本的にカメラによる撮影原理は変わらない。光を感応する素子部分やそのほかの部位の進歩があいまってなし得たもの。

いずれも、そんなノウハウは置いといてとりあえずボタンを押せば何らかのものが撮影できるまでに。何枚も惜しげもなく撮影できるからには、構図やセンスなどにより専念できる時代となり、いくらでも練習できる。カメラのせいだと言い訳できなくなったのかもしれない。

おわりに


 理解したうえで、めんどうだった部分をカメラにまかせる。フィルムカメラの場合には、ISO(当時はASA)いくらのフィルムだとほぼ露出はいくら、天候をみて絞りがこれぐらい、被写体はふたりだから…などとほぼ何も見ずとも手がうごいて撮影できた。そこそこ「カメラを操る」までになっていたと思う。

デジタルカメラで2台目となると、あまりに機能が多くて前回できたことをふたたびやろうとするとどうやるんだっけ…となってしまう。あまりに複雑。つぎの画面に進めない。しかも意図したように撮影しようとするとカメラのボタン、ダイヤル、画面をあちらこちら行き来せねばならない。そのうちシャッターチャンスを逃してしまう。

いまだにデジタルカメラを道具として「操る」までにはとうてい行き着かない。おそらく未だに半分の機能もマスターできていないだろう。


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