香料、香水のもとになるものを化学の教材として身のまわりからさがすと

はじめに
身近な中で香りを活かすのは生活にうるおいが出ていい。化学や生物の探求課題としてこうした身近な素材は生徒や学生たちに興味をもってもらいやすい。夏休みの自由研究にもよさそう。
あたりを見渡す。ひとり住まいでしかも街ぐらしに変わってから香りの素材とは…。眼のまえにあった。ちょうどいま口に放りこみつつあった甘夏。皮はこの季節ならば手に入る。うん、これにしよう。これでチンキ剤をつくろう。ほかには⋯。
きょうはそんな話。
(タイトル写真:もとの家のアップルミント)
身近な香り
身のまわりは香りのあるもの、匂いでありかをしめすもの、さまざま。おちついて見わたすとけっこうこうした素材に囲まれている。天然のもの、合成のもの、数え上げると数かぎりない。
なかでも花の香りはもとの家の庭には四季をつうじてさまざま。今ものこるのはクチナシ。白い花のかおりはわたしのなかではベスト5のなかにはいる。もう今シーズンは終わってしまったが、テッポウユリもそう。

年初のスイセン、春先のフリージアのホワイトマリーの香りは得も言われぬほど。
そしてベストはオレンジの花。

このかおりを再現できたらなといつも思う。どうも好む香りはいずれも白い花ばかり。虫をさそうのに色でなく風だのみなのだろう。
いずれも教材として示したいのに、開花のタイミングと実験の日時が合わない。そこでやむなく甘夏の皮やアップルミントの葉を携えて実験の教材にする。
香りを活かすには
この香りを集めて長持ちさせたい。ヒトは長いあいだその願いを叶えようとあれこれ技術を高めていった。わりと身近な方法としては水蒸気蒸留。
一般的な蒸留法とはちがい、水を用いて混合物中の揮発性の香り成分を穏やかな条件下で凝縮して集める方法。そこそこ装置にくふうがいる。化学の実験室では出来合いのガラス器具などを組み合わせてつくることもできるし、そうした専用の用具が市販されている。
さらにその装置をくふうして減圧でおこない、よりきっちり集める方法もある。これも化学の実験室ならばアスピレーターやロータリーエバポレーターを用いて組める。
ほかにも
現在はいろいろな方法が編み出されている。超臨界法によって成分をよりわける方法も活用されている。一般例としてコーヒーからカフェインを取り除く技術。これにより香り成分を温存しつつカフェインを取り除ける。これも実験室で専用の装置があれば可能。
今回は上の方法をとらず、素材をエチルアルコールに漬けて香り成分を中心に抽出しチンキ剤をつくる。これをもとに、精製水、グリセリン、香りをつけたエチルアルコールからなるシンプルな化粧水(収れんタイプのアストリンゼン)をつくろうというもの。3つの素材とも一般の方で薬局やドラッグストアで手に入る。エチルアルコールに香り成分を抽出したチンキ剤を知ろうというねらい。
おわりに
そこで、アップルミントを草刈りの際にべつにとっておいた。エチルアルコールに葉を浸し2,3週間冷蔵保存すると香りがアルコールに移る。そこで上の化粧水のエチルアルコールがわりにしようというもの。うまくいくかわからない。ほかに上にあげた甘夏の皮(黄色い部分と白い部分にわけてふたとおり)もためしてみた。水を加えたのちは冷蔵保存で1週間で使い切る。
こんなふうに地道にやってみると、そのうち各自に適した素材がみつかりそう。四季を通じていろいろと選んでみようと思う。
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