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改良型CX-60「バーガンディ」試乗記。FRの楽しさに感動、それでも気になったこと

🟦「CX-60って、結局どうなの?」

発売当初は乗り心地への不満も聞かれたCX-60。
その後、商品改良が重ねられ、2026年にはバーガンディ内装を採用した
新グレード「XD-HYBRID Drive Edition Burgundy Leather Package」
も追加されました。深みのある赤(バーガンディ)の本革内装をまとった、ちょっと特別な一台です。
実はバーガンディという内装色自体は、マツダ3に「バーガンディセレクション」という形で以前から用意されていました。
それがついに、CX-60というより上級なモデルにも展開されてきた、
という位置づけになります。

では、実際の改良型はどうだったのか。今回、この一台に試乗する機会が
ありました。発売当初のモデルには乗ったことがなく、その後かなり
改良が重ねられてきたと聞いていた程度の前提での試乗です。
実際に乗ってみると、FRらしいハンドリングには感動しました。
一方で、予想外だったのは"出だしのもっさり感"と、運転後の疲労感。
乗ってみて感じたことを、書いていきます。


🟦静粛性と乗り心地は、良い

まず走り出してすぐに分かったのが、車内の静かさです。3.3L直6ディーゼルという大排気量エンジンを積んでいるとは思えないくらい、車内は落ち着いています。大きなボディをしっかり受け止めてくれる安定感もありました。

ひとつ気になったのは、乗り心地の硬さです。シートが硬いのか、ショックアブソーバーやばね定数の設定が硬めなのか、原因ははっきり分かりません。ただ、体感としては明らかに硬めの乗り心地でした。長距離でどう感じるかは、もう少し乗ってみないと分からないところです。


🟦内装の質感とBOSEサウンドが別格

車に近づくと、フェンダーのエアベント部分に一体化した「INLINE 6」の刻印がまず目に入ります。ハニカムメッシュのデザインに溶け込むように配置されていて、単なるバッジというより造形の一部という作り込み。3.3L直列6気筒という、今どき貴重なエンジン構成を外装でさりげなく主張しているのが、地味にかっこいいポイントでした。

バーガンディの本革内装は、写真で見る以上に質感が高いです。マットブラックのヘアライン加工とのコントラストも上品で、「良いものに乗っている」という気分にさせてくれます。さすがにマツダの最上位モデルクラスだけあって、自分のKF型と比べても高級感は一段上。素直に惹かれる仕上がりでした。

BOSEのサウンドシステムも印象的でした。同じBOSEでも、自分のCX-5(KF型)のものとは鳴り方がまったく違います。CX-60のBOSEは音がクリアで、輪郭がはっきりしている。同じブランドでも、車格やチューニングでここまで変わるのかと驚きました。


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🟦安全制御とヘッドアップディスプレイもKFより上

安全運転支援の制御まわりも、KF型と比べて明らかに進化している印象
を受けました。ヘッドアップディスプレイ(アクティブ・ドライビング
・ディスプレイ)も表示がはっきり見やすく、情報量もKFより多く感じ
ました。感覚としては、以前試乗した新型(KM型)CX-5のものと
同じくらいのレベルという印象です。

実際、両車の取扱説明書を見比べると、表示エリアの構成(FCTA警報
・警告ガイダンス・BSM警報・i-ACTIVSENSE情報・車速と設定車速
・ナビゲーション情報)が番号ごとぴったり一致していました。
基本システムは共通と考えてよさそうです。


🟦足回りやエンジンルームの作りも、KFとはまったく違う

車体まわりをよく見ると、足回りやエンジンルームを見るだけでも、
KFより一段上の車という印象を受けました。

サスペンションを見ていると、KFでは見かけなかったアルミ部品が
目に入りました。調べてみると、CX-60はリアサスペンションの
アッパーリンクやナックルにアルミ合金を採用しているとのこと。
これは公式の技術情報でも確認できました。

そのほかにも、気づいたことがいくつかあります。
エンジンも音を逃さないよう、エンジンルーム内でさらに囲われたような
構造になっているように見えましたし、サスペンションとシャーシーの
接合部も、KFより高負荷に耐えられるよう、しっかりとした作りに
見えました。エンジンルーム内の取り付けブラケット部分にも、
リブ(補強のための凹凸形状)が入っていて、構造的に強さを意識した
作りだと感じました。

あとで自分のKF型と、以前試乗した新型(KM型)CX-5のストラット
取り付け部の写真を見比べてみたのですが、どちらもシンプルな
塗装鋼板にボルト留めという作りで、CX-60のようなブラケットの
追加やリブ形状は見当たりませんでした。
CX-60だけが、この部分で一段しっかりした作りになっている印象です。
この点も含め、公式資料や第三者の記事では裏付けが取れなかったので、
あくまで実車を見ての個人的な観察としてここに書き残しておきます。
ただ、静粛性やハンドリングの良さの背景には、こうした地道な作り込み
があるのだろうと感じました。


🟦FRらしさを再認識したハンドリング

CX-60はマツダの「ラージ商品群」第1弾として、FRベースの新しい
プラットフォームを採用しています。これまでのマツダ車といえば
FF(前輪駆動)ベースが主流でしたが、CX-60に乗ると、そのFRらしさ
がはっきり伝わってきます。

カーブでの切れ味が良く、ステアリングを切ったときの車の反応が自然です。カーブを抜けたあと、ハンドルが自然に戻っていく感覚も、FRらしさ
を感じるポイントでした。
高速走行でも、直進安定感がKFとは違います。どっしりとした落ち着きが
あり、ハンドルもぶれません。それでいて、これだけ大きなボディでありながら最小回転半径は5.4m。数字だけ見ると意外なほど小回りが利き、見通しも良いので、思っていたよりは扱いやすい印象でした。

とはいえ、車体の大きさそのものは決して小さくありません。日本の道は
狭い道も多いですし、駐車場も決して広いスペースばかりではないので、
そういう場面ではやはり気を遣います。小回りが利いて見通しが良いおかげで「なんとかなる」という感覚はありますが、「気にならない」とまでは言えません。

そしてもうひとつ、ヒヤッとした場面がありました。砂利道の坂から、そのまま砂利道の駐車場へゆっくり進入しようとした瞬間、後輪が滑ったんです。あとで車検証の型式(3CA-KH3R3P)を調べてみると、この型式は「後輪駆動ベースのi-ACTIV AWD」を意味しており、間違いなくAWD(4WD)でした。それでも滑ったということは、砂利という路面状況や、駆動制御の影響もあったのかもしれません。最近はFFベースの車ばかり乗ってきた身としては、油断していました。


🟦トルクは確かに強い。でも、出だしは「もっさり」

ここが今回、一番印象的だったポイントです。

高速道路の上り坂などでは、このディーゼルのトルクの強さを存分に感じられました。アクセルを踏み込めば、重いボディをものともせず力強く加速していきます。文句なしに気持ちの良い加速でした。

一方で、駐車場内などでゆっくり動き出すときの出だしは、「もっさり」としています。原因は分かりませんが、軽くアクセルを踏んだだけでは、
思ったよりスッと動き出してくれない。事前に「トルクが大きい」と聞いていたので、この最初の出だしの大人しさは少し意外でした。
CX-5のガソリンエンジンやディーゼルエンジンだと、もう少し軽く踏んだだけで自然に前へ出ていく感覚があったので、その違いは余計にはっきり感じました。

ただ、これはアクセルをしっかり踏み込めば解消します。踏み込んだ瞬間からきちんとトルクが立ち上がり、気持ちの良い加速に切り替わる。
「軽く踏むと大人しいが、踏み込むと本領を発揮する」という、少し二段構えの性格のエンジンという印象です。

面白いのは、この「もっさり」を感じたのは最初だけだったことです。しばらく運転していると、気にならなくなりました。おそらく、無意識のうちにアクセル操作をこの車に合わせていたのでしょう。KFの感覚では違和感がありましたが、慣れるにつれて自然に走れるようになりました。


🟦燃費にも驚いた

もうひとつ、驚いたのが燃費です。今回のルートは、高速道路は一部だけで、あとは高規格道路と田舎道が中心でした。それでも、燃費計の表示は22km/L前後まで伸びていました。カタログ上のWLTCモード燃費が21.1km/Lなので、実走行でそれを上回る数字が出たことになります。

しかも、今回のルートには上り坂の続く高速区間も含まれていました。
あれだけの登坂をこなしながらこの数字というのは、この巨体からは
想像しづらい燃費の良さです。
3.3Lの大排気量ディーゼルとマイルドハイブリッドの組み合わせが、
こういうところでちゃんと効いているのだと実感しました。


🟦スポーツモードの演出も楽しい

Mi-DRIVEをスポーツモードに切り替えると、メーター内のリング照明が
赤色に変わります。実際に撮った写真を見返すと、タコメーターと
燃料/水温計、両側のリングが赤く発光し、中央のスピードメーターにも
赤字で「SPORT」の文字が浮かび上がっていました。
取扱説明書で確認したところ、この赤色への変化はTOWING・NORMAL・EV・OFF-ROADといった他のモードにはなく、SPORTモードだけの
演出のようです。単純にかっこいい。走りの質感だけでなく、こういう
演出面でも気分を盛り上げてくれるのは、地味に嬉しいポイントでした。


🟦運転は楽しい。でも、あとでどっと疲れる

ハンドリングとパワーの組み合わせは、「最高」と言えるレベルでした。
運転している間はずっと楽しい。これは間違いありません。

ただ、ここで書いておきたいのが、運転を終えたあとの疲労感がかなり
大きかったことです。借り物の車だったからなのか、車体が大きいから
なのか、それとも乗り心地の硬さが影響しているのか、原因ははっきり
しません。ただ体感としては、CX-60を2時間運転したときの疲れが、
自分のKF型CX-5(ガソリン)を4時間運転したときの疲れとだいたい
同じくらい。単純計算で、疲労のペースが倍近いという感覚でした。


🟦まとめ

CX-60のバーガンディは、静粛性・内装の質感・ハンドリングと、上級SUVとしての満足度がしっかり詰まった一台でした。
トルクの強さも本物ですが、街中のごく低い速度域では、アクセルの踏み方に少しコツがいる。そこだけは、乗る前に知っておくと戸惑わずに済むと
思います。それでいて燃費はカタログ値を上回るほど優秀で、この体格でこの数字を叩き出すのはすごいと思いました。

FRの楽しさは、期待以上でした。ただ、運転後の疲労感は、最後まで気になったポイントでした。街中の出だしのもっさり感は、慣れてしまえば気にならなくなる程度のものでしたが。

運転している間は最高。でも降りたあとには、どっと疲れる。
そんな不思議な一台でした。それでもFRらしい走りや上質感は、
実際に乗ってみないと分からない魅力があります。バーガンディ内装も、
質感が高く、このグレードを選ぶ価値を感じられる仕上がりでした。気になる方は、一度試乗して、自分の感覚で確かめてみてほしいと思います。


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