MX-30 Rotary-EVに試乗。「ロータリーの復活」より印象に残ったもの
「ロータリーエンジンが復活した。」
そのニュースを見たとき、正直かなり気になりました。
とはいえ私は、これまでロータリーエンジン車に乗ったことがありません。
そんな中、MX-30 Rotary-EV(以下、R-EV)に試乗する機会がありました。
結論から言うと、最初に感じたのはロータリーではありませんでした。
「え、これほとんどEVですね。」
試乗を終えて、最初に浮かんだのはこの一言です。
ロータリーエンジン車を想像していた私には、それが一番意外でした。
ただ、その一方で最後まで慣れなかった部分もありました。
今回は、ロータリー未経験者の視点から率直な感想を書いていきます。
🟦 第一印象|写真より実車のほうがカッコいい
正直、写真で見ていたときより実車の印象はかなり良かったです。
全体のデザインはシンプルながら、どこか未来感があります。
派手さではなく、大人っぽい上質さを狙ったデザインという印象でした。
サイズも街中では扱いやすそうで、「ちょうどいいSUV」という感じです。
🟦 EV走行|これは完全にEVだった
一番驚いたのはここでした。
アクセルを踏んだ瞬間から、とにかく滑らかです。
信号待ちから発進しても、音より先に車がスッと前へ出る感覚があります。
変速ショックもなく、加速はどこまでも自然でした。
「これはもう、EVそのものです。」
正直、そう感じました。
🟦 静粛性|EVと発電中で別の車になる
EV走行中は本当に静かで、静粛性だけなら一般的な
ガソリンSUV以上だと思います。
ところが、あとで触れる発電が始まると、印象は一変します。
もちろん普通に会話はできるレベルですが、EV走行時との
落差が大きいぶん、エンジン音が余計に気になりました。
「静かなEV」と「発電中」。
この2つで、まるで別の車に乗っているような感覚でした。
🟦 ハンドリング|重心の低さがすぐ分かる
走り始めてすぐに感じたのが、重心の低さです。
フロア下に重い駆動用バッテリーを積んでいることが
影響しているようです。
カーブではロールが少なく、車が自然と曲がっていきます。
一般的なSUVと比べても、R-EVはかなりフラットな姿勢
で曲がっていく印象でした。
運転していて安心感があり、「運転が上手くなった」と
錯覚させてくれるような仕上がりです。
🟦 加速性能|十分だけど、スポーツカーではない
EVなので発進時のレスポンスは良好で、街中では不満を
感じることはありません。
ただ「爆発的な加速」を期待すると少し違います。
必要十分なパワーはありますが、強烈な加速で背中を
押されるようなタイプではありませんでした。
普通に走る分には、まったく問題ないレベルです。
🟦 ハンドル・ブレーキ|違和感は少ない
ステアリングは、一般的なガソリンSUVより少し重めに感じました。
ただ、不自然な重さではありません。
普段乗っている車にもよりますが、多くの人にとって
違和感は少ないと思います。
回生ブレーキについても、私は特に気になりませんでした。
ここは人によって感じ方が大きく変わる部分だと思います。
🟦 ロータリー発電|ここは最後まで慣れなかった
今回、一番印象に残ったのはここでした。
私はロータリーエンジン車に乗った経験がありません。
だから「これがロータリーらしい音なのか」は分かりません。
ただ一つ言えるのは、普通のガソリン車とは全く違う音だということです。
EVで静かに走っていた車内に、低く唸るような音がふっと加わります。
アクセルの動きに合わせて盛り上がるというより、
ボンネットの向こうで、ガソリン式の発電機が黙々と
回り続けているような独特の音でした。
「あ、今ロータリーが動き始めましたね。」
音が変わった瞬間、すぐに分かります。
私には少し違和感がありました。
もちろん、これは慣れの問題なのかもしれません。
ロータリーに長く乗っている方なら、また違う感想に
なるのだと思います。
🟦 フリースタイルドア|デザインは好き。でも実用性は悩ましい
MX-30最大の特徴とも言えるフリースタイルドア。
デザインとしてはかなり好きです。
しかし、実際に使うとなると話は別でした。
後席へ乗り込むには、まず前席のドアを開ける必要があります。
さらにスーパーなどの駐車場では、隣に車が停まっている
と後席ドアを十分に開けられない場面もありそうです。
小さなお子さんの乗せ降ろしや荷物の出し入れでは、
不便さを感じる人もいると思います。
見た目は魅力的ですが、実用面では好みが分かれそうです。
🟦 内装|質感は高い。でもコルクは「高級感」とは少し違う
内装全体の質感はかなり高く感じました。
シートや各部の作り込みも丁寧です。
一方で、特徴的なコルク素材については少し印象が違いました。
高級感というより、
「環境への配慮」
「汚れや水に強そう」
そんなイメージです。
決して安っぽくはありません。
ただ、高級車らしい木目や本革とは方向性が違うと感じました。
🟦 まとめ|ロータリーより「EVとしての完成度」が印象に残った
試乗するまで、私はこの車を「ロータリーを楽しむ車」
だと思っていました。
でも実際は違いました。
日常はほとんどEVとして静かに走り、必要なときだけ
ロータリーが控えめに発電する。
R-EVは、そういう発想の車だったのです。
EV走行時の静かさ。
重心の低い安定感。
扱いやすいサイズ。
運転していて楽しいハンドリング。
このあたりは非常に魅力的でした。
一方で、発電が始まったときの独特なエンジン音や、
フリースタイルドアの実用性については、購入前に一度
自分で体験しておいたほうがいいと感じます。
この車は、「ロータリーを楽しむ車」というより、
「EVの快適さを日常で味わうために、ロータリーが裏方
として支えている車」でした。
私は10年、20年と長く乗ることを前提に車を選ぶタイプです。
そのため、新しい技術が数多く採用された車は、どうしても
慎重に見てしまいます。
信頼性を重視する私なら、現時点ではもう少し様子を見る、
という判断です。
ロータリーの復活という話題性ばかりに目が向きがちですが、
実際に乗って一番印象に残ったのは、そのロータリーではなく、
EVとしての完成度でした。
ロータリーは主役ではありません。
静かなEV走行を支える「裏方」でした。
実際に乗ってみて、この車の魅力はそこにあるのだと感じました。
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