見出し画像

加藤正行先生の作って楽しむヴァイオリン Part 1 〜生活の中にクリエイティブな活動を〜


「作って弾こう!憧れのバイオリン 1dayセミナー」

イベントの概要

 標題のイベントに参加してきました。”工房楽器の森”を主催される加藤正行先生のご指導による一日講座です。
https://www.chunichi-culture.com/upload_image/3005/136683.pdf

 内容はタイトルそのまま、わずか一日で(正味五時間程度)、木の板の状態からヴァイオリンを製作し、1,2曲弾けるようになって、ラストは参加者全員でアンサンブル演奏という、信じられないような企画です。
 参加者の大半はヴァイオリンははじめてとのことでしたが、本当にこれが実現できてしまう、驚きのセミナーでした。

 午前中、二時間ほどでほぼ形になったヴァイオリン、誰でも工作できるように簡略化されているとは言え(加藤先生は”軽バイオリン”と称されています)、その構造はトポロジカルにはヴァイオリンそのもの。このヴァイオリンのキット化には加藤先生の工夫とノウハウが注ぎ込まれており、誰が作っても楽器として要求される精度が出るように作られているのです。特許取得の驚くべきパーツセットです。
 午後は自作の”軽バイオリン”に弦を張って演奏を楽しもうというわけですが、ここからがまたこの講座の凄いところ。先生の、物理と楽理に基づいた合理的かつ平明なご指導により、初めての方でも本当にヴァイオリンが弾けてしまうのです!
 伴奏に合わせて(!)、全員で「きらきら星」など二曲ほど合奏してお開きになりました。
 セミナーでは、皆さん、本当に楽しそうに製作し、また、演奏していらっしゃいました。参加者全員、大満足の一日だったと思います。

イベントの趣旨

 このセミナーはいわゆるヴァイオリン制作教室とはやや趣旨が異なるように思います。始めるにはなにかと敷居の高いヴァイオリン。実は手軽に作れて、気軽に弾いて楽しめることを周知し、その普及を目的とする活動ではないかとうけとめました。
 先生はおっしゃいます。「極論すればヴァイオリンは木の箱、弁当箱に弦を張った木工品。ピアノや金管楽器のような”金属製の機械”と違い、自作できる。」「ヴァイオリンは、将棋の駒やけん玉などと同じ木のおもちゃのひとつ。」であれば、自分で作って弾いて遊んじゃおうってことでしょう。
 だからヴァイオリンの製作を楽しむだけにとどまらず、気軽に楽器を手にして、遊んで(英語なら弾くのも遊ぶのもplayですね)楽しむところに意義があるのでしょう。加藤先生が、パーツセット単体での頒布は行わないとされているのも、弾いて楽しむことの普及を目指しておられるのがその理由のひとつだと思います。

 とは言え、全くの初心者がヴァイオリンを弾くなんてできるのか、誰しも疑問に思うでしょう。ところが、できてしまうのです。
 シールを目印に、人差し指・中指・薬指の三本の指で弦を押さえるだけ。たったこれだけで、はじめてでも、いきなり「きらきら星」が弾けてしまうのです。これ、実によく考えられた指導法です。音響理論、音楽理論をもとに論理的に構築された方法論を、加藤先生の平易な言葉で、参加者にすんなり飲み込ませてしまう。先生の人柄のなせる技でもあります。まさに目からウロコの、目ウロコ体験でありました。

生活にクリエイティビティを取り入れる

 参加してみて、”楽器を自作して弾いて楽しむ”、これはとてもクリエイティブな活動だと感じました。
 工作そのものが創作活動として楽しいし、また、音が出ると嬉しい、さらに簡単に音階が弾ける、音階ができれば曲が弾ける。一曲弾ければもう一曲と欲が出る。もっとこうしたい、これはどうしたら良いか、好奇心がわき意欲が高まる。
 さらに一人で弾くより二人で弾く、みんなでアンサンブル。これがまた楽しい。先生はおっしゃいます。「ヴァイオリンはピアノやギターと違い、ハーモニー楽器ではない。一人で弾くより、二人で弾くと二倍楽しい、どころか10倍楽しい。ぜひ皆で弾いて楽しんでほしい。」と。
 作って楽しく、弾いて楽しく、合わせて楽しい。好奇心が刺激され、意欲的になれる。

 うちの高次脳機能障害外来メンバー諸氏においても、たとえば生き物のお世話をされている方は元気になられる印象があります。ペットの飼育やベランダ菜園での土いじり、いずれも意欲が高まるようです。
 生き物のお世話に限らず、創作活動や楽器演奏、登山やハイキング、あるいは野球に卓球、そのようなお好きな活動、熱中できる活動に取り組んでおられる方は毎日を元気に、意欲的に過ごせているように見受けられます。

 一方で、日がな一日やることがない、youtubeの動画を見て過ごしているけれど、だんだん衰えてくるようで心配だ。そんな方も少なくない。
 そのような現状を踏まえ、日常生活の中にクリエイティブな活動を取り入れることは、脳の活動を向上させるリハビリテーションの一つとして有効ではないかと考え、今回、その例としてご紹介いたしました。できることから始めてみてはいかがでしょう。

 このイベントを企画・指導された加藤正行先生は、「子供一人にヴァイオリン1本」をモットーにヴァイオリンの普及啓発活動を20年に渡って続けられているとのこと(受賞表彰歴もおありです)。実際にお話をしてみて、先生の情熱に大きな感銘を受けました。この文章が微力ながらも先生の活動の一助になることを祈ります。

加藤正行先生のウェブサイト
https://gakkinomori.jimdofree.com/

 イベントの詳細はPart2以下で報告します。

ハッシュタグ

#加藤正行先生 #工房楽器の森 #作って弾こう !バイオリン #1dayセミナー #ヴァイオリン自作 #軽バイオリン #初心者 #きらきら星 #クリエイティビティ #意欲 #好奇心 #アンサンブル #高次脳機能障害 #飼育 #土いじり #菜園 #リハビリテーション #脳