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良質な提案を引き寄せる「募集要項」の仕掛け|設計編#2|マンション大規模修繕:公共発注の知恵を、わが家へ

【本連載(設計編)の全体像】
マンション大規模修繕においては、「誰を選ぶか」に加えて「どう選ぶか」が重要だと思います。
管理組合が自ら考え動き、より良いパートナーを選定するための「選定プロセスの仕組み」を投稿していきます。

上記の設計編はこちらのマガジンにまとめています。

日常を記事にした管理編もこちらのマガジンにまとていますので併せてお読みください。


募集要項しだいで、集まる提案の質は変わる


公共発注の仕事をしていた頃、よく耳にした言葉です。でも、いざ自分のマンションでやろうとすると、これがめちゃくちゃ難しい。事務的に「公募します」と1枚出すだけ良いなら楽なんですが、それだと「とりあえず仕事が欲しい企業」が寄ってくるだです。
私が望んでいるのは、ずっと住む住民のために一緒に考えてくれる「本気のパートナー」です。そのためにも、今回の募集要項は、コンサルの本気を引き出す「招待状」になるように工夫しました。

<1> 会社の実績より「担当者の力量」を問う理由

コンサル選定の参加資格には、一般的に「実績数」や「資格」が並びます。
・事務所としての過去〇年の実績件数
・専任担当者の実績数や一級建築士の資格
これらは重要ですが、こだわりすぎると、組織力はあるが現場への熱量が見えない大手ばかりが集まる可能性があります。
特にマンションの大規模修繕は、「堅実性」と、住民との「コミュニケーション能力」が大きな要素を占めると考えています。そこで、わが家の公募では敢えて以下の条件を設定します。
・事務所と担当者の実績は「必要最小限」に抑える 
・担当者個人には一級建築士を求めず、組織全体で資格者がバックアップする体制(組織表)を求める
参加条件で門戸を広げ、「看板」ではなく「人」で選ぶぞ、という意思を参加条件に込めます。

<2> 不誠実な業者を排除する「3つの約束」

次に「誠実な取引の約束」を明文化します。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、不適切なバックマージンを狙うような企業を、入り口で「牽制」するのが狙いです。
具体的には、以下の3つの約束です。
・「クリーンな企業」
コンサルと施工企業が裏でつながっているかも?というマンション業界でのバックマージンの疑いが、理事会でも話題になっています。
だから「うちは一切やりません」と約束してもらいます。
・「嘘はつかない」
当たり前ですが、虚偽資料はお断りです。正々堂々と技術を競ってほしい。それを「言葉」にしてもらいます。
「最後まで責任をもってやり遂げる」
契約さえ取れれば、あとは適当に…では困るので、最後まで責任を持ってやり抜くことを募集の段階でちゃんと約束してもらいます。
ただ書くだけなら誰でも出来るんじゃない?効果あるの?と思われるかもしれませんが、こうした姿勢を示しておくことで、不誠実な企業は応募を躊躇すると思っています。
これ以外にも、反社であったり、社会的信頼をなくす行為など発覚したら、選定から除外、契約解除なども盛り込む予定です。
防犯カメラと同じで「ここは対策しているぞ」と思われるだけでも良いのです。

<3> 「評価の視点」を先に見せて、提案の質を底上げする

私なりに、ここが一番大事だと思っている部分です。
コンサルに提出してもらう業務提案書の内容を、こちらが求めているものになるよう誘導します。
例えば、前回の「管理組合日記 #1」でも触れた、「IT活用」などの新しい取り組みです。理事会でのWeb会議など新しい取り組みは、コンサル選定という「仕組み」を利用して、自然に取り込むことができます。
具体的には、「住民説明会や住民合意に関する工夫」を課題として募集要項に盛り込みます。すると、応募者から、Web説明会やクラウド活用等の提案が期待できます。
これは一例ですが、「ヒント」として募集要項にちりばめることで、発注者がコンサルに期待していることを、きちんと盛り込んでおきます。
さらに後日触れる「評価基準※」の中の一部「評価項目と評価の視点の一覧」を一緒に公開することで、コンサル側は「この組合が求めていること」を読み取り、的外れではない本気の提案をぶつけてくれるようになります。

※評価基準とは、評価項目や評価方法を定義するもので、公共発注では必ずあります。企業を選ぶためのものですが、選んだ理由を国民(マンションの場合は組合員)に説明するためのものでもあります。

次回の予告

比較の土台となる「業務仕様書」を作る|設計編 #3

編集後記

大規模修繕の選定プロセスを、実務を進めながら記事として記録しています。続きを読みたい方はフォローしていただけると嬉しいです

個別相談をしたい方はコメント、メールからどうぞ。


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