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「募集要項」で応募コンサルの質が決まる|設計編#1|マンション大規模修繕:公共発注の知恵を、わが家へ

【本連載(設計編)の全体像】
マンション大規模修繕においては、「誰を選ぶか」に加えて「どう選ぶか」が重要だと思います。
管理組合が自ら考え動き、より良いパートナーを選定するための「選定プロセスの仕組み」を投稿していきます。

上記の設計編はこちらのマガジンにまとめています

日常を記事にした管理編もこちらのマガジンにまとていますので併せてお読みください。




募集要項は「発注者の意思表明」

—企業選定は、すでに始まっている—

募集要項を見れば、その発注者がどこまで真剣に募集をしているか、何を大事にしているか、が良く分かります。
価格、実績、規模、提案力、担当者、選定プロセス、コンプライアンスなど、全てが大事なのですが、募集要項の書き方で何に重きを置いているかが読み取れ、応募してくる企業の質が変わります。
したがって、何に重きを置くかを意識して書く必要があります。
多くの管理組合では、募集要項は「応募方法を書いた事務書類」と捉えがちですが、募集要項は 発注者が最初に発する「意思表明」です。


<1> 募集要項は単なる「事務的なもの」ではない

募集要項を一から作る管理組合もあると思います。
しかし、私が調べた限りでは、募集期間、提出書類、応募方法など事務的な項目だけが並んでいるものが多かったです。
中には、管理会社が作成したものや、コンサルに協力してもらったらしきものもあります。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。でもそれでは管理組合の意思が入りません。
募集要項は「作った側の意思」が少なからず出ます。管理会社やコンサルに作ってもらったら彼らの意思が出ます。
だからこそ、「募集要項は、自分たちが選びたいコンサルが応募してくれるように、自分たちの意思を盛り込んで作るべき」と私は考えています。
自分達で一から作ってみれば分かりますが、これは簡単ではありません。まず考えるべきは発注者としての姿勢です。
公共発注と大きく違うのは、意識すべき相手が「住民=自分たち」だという点で、マンションの大規模修繕は、区分所有者の資産に直結します。
だからこそ、「住民のそを最大化してくれるパートナーを選ぶ」という視点が欠かせません。
募集要項は、その最初の一歩です。


<2> 応募者は、募集要項の“行間”を読んでいる

応募してくる企業は大きく2つのタイプに分かれます。
◆ 流し読みする会社
 • 必要書類と締切だけ確認
 • いつもの提案書を少し整えて提出
◆ しっかり読み込む会社
 • 行間から発注者の意思を読み取る
 • 「どこを重視しているか」を探る
 • 提案の力点を変えてくる
応募してほしい会社はもちろん後者です。もし後者しか応募者がいない場合、それは少数精鋭なので、審査も楽になります。良い募集要項ということですね。
応募者は、募集要項の“文字”だけでなく、
• どこにページを割いているか
• どこが具体的で、どこが抽象的か
• 「必須」と「期待」の線引き
• 何を強調しているか

こうした部分から、発注者の意思を読み取ります。
そして、こう判断します。
• 「この発注者は価格重視だな」
• 「プロセスや説明責任を重く見ているな」
• 「こちらの経験値を図ってるな」
• 「これは形式的な募集だな」

つまり、募集要項を出した瞬間に、こちらも“見られている” のです。
曖昧な募集要項を書けば、応募者も曖昧な提案をしてきます。逆に、意思がにじむ募集要項を書けば、それを理解した企業は真正面から応えてくれます。


<3> 「優しすぎる募集要項」が生む、ありがちな失敗

こんな募集要項がたまにあります。
・何をどう評価するか書いてない
・どうしてほしいか(何が困っているか)が書いてない
・提案内容、様式(サイズ、枚数等)が自由
これは選定する際に一番苦労する募集要項です。
• 提案書がバラバラで比較できない
• 審査者が“印象”に引っ張られる
• 結果として「説明できない選定」になる

恣意的な選定じゃなくても、仕組みとしての弱さが「説明できない選定」となるのです。
これは、組合員を代表する管理組合で最も避けるべき事態です。


<4> 今回の募集要項で、意識したこと

具体的な内容は次回以降で触れますが、今回の募集要項では次の点を意識しました。
・どのように発注者の「意思」を表現するか
何を「必須」とし、何を「提案」とするか
・ただし、提案してほしい内容を細かくは書かない
・不適切なコンサルからの応募をなくす

募集要項は、単なる事務書類ではありません。「どんなパートナーと仕事をしたいか」を示す要望書のようなものです。


<5> 募集要項は、最初の対話

募集要項は、事務作業ではなく選定作業の第一歩で、発注者の価値観を言語化するもので、応募者との最初の対話です。
募集要項を公開した瞬間に、選定は始まっているのです

次回予告

3月上旬予定
良質な提案を引き寄せる「募集要項」の仕掛け|設計編#2|

編集後記

大規模修繕の選定プロセスを、実務を進めながら記事として記録しています。続きを読みたい方はフォローしていただけると嬉しいです

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