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Episode 92 タバコの管理は得意です。

就職先として選んだ小売業、この業界で新人が真っ先に配属されるのは店舗です。
お店を構える小売業では、収入の根源が店舗です。
いまでこそネットショッピングとか、ネットを使った宅配サービスとかとの両輪で売り上げを作るのが主流になりましたが、私が就職した当時はまだ Windows95 も発売されていない時代の話でして、宅配は地域の蕎麦屋や寿司屋の電話注文による出前ぐらいしかありませんでした。

研修期間中にオープンからクローズまでの一連の日常業務を教わり、パートさんアルバイトさんと一緒に日々の作業をこなしながら徐々に管理業務を覚える…というのが基本的な仕事のスキルアップの手順でした。
いわゆる OJT ってヤツです。

新入社員の多くはバイヤーがやりたいとか、オリジナルの商品開発をしてみたいとか、大きな夢を語るわけですが、真っ先に突き付けられるのは民間の営利企業として出さなければならない利益を作り出す現場作業なのです。

ある日、私はマネジャーから「オペレーション(=作業遂行能力)は必要最低限のリーダーシップだよ」って声をかけられます。
バイヤーにしても商品開発担当にしても、店舗マネジャーを未経験で抜擢されるヤツはいない、お店のことを理解してないヤツがお店で売るモノを指示したって説得力がない…そういう意味です。

いかにして店舗に求められる売り上げと利益を出すのか…。
その最初に教えられたのものがタバコの売り上げ管理という業務でした。
当時はタバコに対しての規制も今ほど厳しくなく、成人男性の喫煙率が50%以上あったころの話で、私もその喫煙者のひとりでした

今は知りませんが、当時タバコというのは販売店に10.3%の粗利益が出るように原価が決められていました。
いくらのタバコを幾つ売っても粗利益は固定の10.3%…仕入れ個数、仕入れ金額、売上個数、売上額の4つがキチンと管理できていれば、絶対に10.3%の粗利益率になるワケです。
後は品切れを起こさないように仕入れ数を決めるだけです。
品切れというチャンスロスをさせずに、キチンとした商品管理を行えば絶対に10.3%の粗利益が出る…仕入と売上という商品販売管理の基本を覚えるのに「持って来い」の素材だったのです。

私は、この管理を「完璧に」実行して毎月10.3%の固定粗利を叩き出します。
キチンとした管理ができるヤツ…という評価をもらってすごく嬉しかったわけですが、今にして思えば…この業務は完璧主義のASDに圧倒的な優位な仕事だったなぁと感じます。

だって、ひとりで出来る単独作業で、仕入/売上の個数と金額だけ管理していれば絶対に決まった答えが出るんですもの。

完璧主義で融通の効かないカタブツが、融通の効かない品物で答えを出す…。
滑稽ですが、これが私の社会人第一歩だったワケです。

社会に出たタイミングでASD特性が「吉」と出た…その結果がそのまま「吉」とは限らないワケでして…。

旧ブログ アーカイブ 2018/12/15

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